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防衛省VS外務省
外交・安保 はや主役争い
防衛庁の省昇格により、国防の「かたち」が変わり始めた。そして、この問題は、政府の外交・安全保障政策全般にも影響を及ぼすことになる。外交交渉の一線に躍り出たい防衛省、主役の座は譲りたくない外務省−。二つの省益がぶつかり合えば、安倍晋三首相が進める首相官邸中心の一元的な政策決定に逆行しかねない。早くも始まった両省間の主導権争いと、それを見つめる首相官邸をリポートする。 (政治部・金井辰樹、本田英寛、中山高志)
九日の省移行記念式典。初代防衛相となった久間章生氏は「真の政策官庁への脱皮」を高らかに宣言。北朝鮮問題や自衛隊の海外活動、在日米軍再編などで主張していく姿勢を示した。
昇格前、防衛庁は内閣府の外局として外務省より「格下」の位置付けに甘んじてきた。
防衛庁側からみると、昨年十月、北朝鮮が核実験を強行した際の対応でも「上下関係」は歴然だった。米国などとの交渉は外務省がほぼ独占。揚げ句に外務省は、周辺事態の認定と、北朝鮮関連船舶の貨物検査を求めてきた。防衛庁側には「外務省はわれわれを道具と考えている」(幹部)との不満が残った。
晴れて外務省と「同格」になったのを受け、防衛省は、外交交渉能力でも「一人前」の体制をつくろうとしている。具体的には、九月の組織改編で(1)日米防衛協力課、国際政策課の新設(2)在日米軍再編の焦点である普天間飛行場(沖縄県)移設問題に関し専任の調整官設置−などを断行。外国の国防当局とも対等で、より緊密な関係を築いていく考えだ。
一方、外務省は、産声を上げた防衛省に対し「庁が省になったからといって、役割が変わるわけではない」(幹部)と、表向きには冷静に受け止めている。
例えば、日米安保体制をめぐる交渉には、閣僚級から事務レベルに至るまで、これまでも外務省、防衛庁の関係者がそろって参加してきた。「昇格しても大きな変化はない」(別の幹部)との見方は間違っていない。
ただ、外務省と防衛庁の間では、重要政策の節目ごとに、意見の食い違いをみせることが少なくなかった。相対的に防衛省の発言力が増せば、両省の対立場面が増える懸念はある。
「省昇格の最初に(外務省が)ちゃんとやることが肝心だ」。外務省関係者のつぶやきには、安保関係の対外交渉や政策立案で、防衛省に主導権を奪われまいとする対抗意識がにじんでいる。
首相官邸側は「国家主権と不可分な国防と安全保障の企画立案を担う官庁」(安倍首相)としての防衛省誕生を無論、歓迎している。ただ、外務省との微妙な関係には神経をとがらせる。
米国でも、国務省と国防総省の反目は珍しくない。二〇〇三年のイラク戦争開戦前後、当時のパウエル国務長官とラムズフェルド国防長官がせめぎ合いを繰り広げた。その確執が、現在の米国のイラク政策の混乱の遠因になっているとされる。
防衛省と外務省が競い合うと二の舞いになりかねないが、その兆候を感じさせる出来事も既に起きている。省昇格を前に、久間氏は普天間問題で、移設先へのV字形滑走路建設にこだわらない考えを表明した。日米両国が積み上げた合意を逸脱するもので、官邸側は「日米合意案が基本線」(塩崎恭久官房長官)と火消しに追われている。
今後も、根回しのないまま両省が“空中戦”を繰り広げることになると、鳴り物入りで誕生した防衛省は、逆に安倍政権にとってアキレスけんになりかねない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20070113/mng_____kakushin000.shtml
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