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http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011124.html
北朝鮮が海上保安庁の領海警備の情報に関心を持ち、同庁を所管する国土交通省などに情報収集のためのエージェント(スパイ)を接近させた可能性が高いことが11日、分かった。北の核実験強行を受け、日本は船舶入港禁止や上陸禁止といった独自の制裁措置を科しているが、その網の目をくぐり抜けようと、狡猾(こうかつ)極まる行動に出ていたのだ。
「彼は相当高度なエージェントといえる。現時点で、具体的な情報漏れは把握していないが、警備当局ではこの人物の所在や行動を把握するなど警戒を強めている」
政府関係者はこう語る。
この人物は高齢の日本人男性で、北に近い宗教団体関係者。安倍晋三内閣が発足した昨年秋、国交省内で海上保安庁の機密情報に携わる部署に急接近した。内偵の結果、「北に近いエージェントの可能性が高い」と判断されたという。
海上保安庁は、海上の安全および治安の確保を図ることを任務とする行政機関で、国交省の外局。日本周辺海域に出没する国籍不明の不審船などを取り締まる領海警備も任務としている。
平成13年12月、東シナ海で発生した不審船(のちに北の工作船と断定)事件では、船は停戦命令を無視して逃走を続けただけでなく、海上保安庁の巡視船に向けて自動小銃やロケット弾で反撃。交戦の末、不審船は爆発炎上して中国の排他的経済水域(EEZ)内で沈没した。
昨年10月の核実験強行を受け、日本政府は北朝鮮籍船舶の入港と輸入の全面禁止、北朝鮮国籍を有する人の入国原則禁止といった制裁措置を科しているが、前出の政府関係者は「北はエージェントを通じて海上保安庁の領海警備の情報を入手し、工作船の活動などに役立てようとした可能性がある。エージェントがかかわる宗教団体の背景が問題で、政治的思惑も否定できない」と語る。
北の工作船は、日本や中国の漁船を偽装しており、覚醒(かくせい)剤の密輸や日本人拉致、工作員の密出入国に関与したといわれている。
また、この宗教団体は中国とも近く、「北だけでなく、中国向けの情報収集を狙っている可能性もある」(同)
北は、日本を工作活動の重要拠点と捉え、(1)政治、経済、外交に関する情報収集(2)防衛・警察力の情報収集(3)科学技術の情報収集(4)在日米軍情報の収集(5)日本人拉致工作−などを長期にわたって続けてきた。
有名なのは、原敕晁(ただあき)さんや地村保志さん夫妻を拉致した、元北工作員の辛光洙(シングアンス)容疑者。韓国に潜伏中の1985年(昭和60年)に逮捕され、国家保安法で死刑判決を受けたが、2000年(平成12年)に金大中大統領の恩赦を受け、北に帰国した。
中央官庁への工作活動としては、昭和42年の外務省スパイ事件(警視庁検挙)が知られる。朝鮮総聯傘下の在日朝鮮人商工団体連合会政治部副部長をしていた北工作員が、外務省東欧課事務官を協力者に獲得し、約1年間にわたって同省保管の極秘・秘密資料を人手していた。
現在、自民党の山崎拓元副総裁が政府や党には無断で訪朝しているが、北の工作活動を決して甘く見てはならない。
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北朝鮮は、日本の海を守る海上保安庁に関心を寄せている
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