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<政府>自衛隊「恒久法案」…通常国会への提出見送りへ
1月10日3時4分配信 毎日新聞
政府は、自衛隊の海外への派遣要件を定めた「恒久法案」について、25日召集予定の通常国会への提出を見送る方針を固めた。9日に「防衛省」が誕生し自衛隊の海外活動が本来任務化されたことに伴い、政府は恒久法制定による任務の拡大を図っているが、7月参院選への影響に配慮した。政府は安倍晋三首相が唱える憲法9条の解釈変更に関する研究の結論も選挙後に先送りし、恒久法案の内容に反映させたい考えでいる。
政府は03年8月から内閣官房の検討チーム(約20人)で法案化を準備。首相は4日の年頭記者会見で「国際社会の平和に貢献していくため時代に合った安全保障のための法的基盤を再構築する必要がある」と制定に前向きな姿勢を示している。
しかし、焦点となっている自衛隊の武器使用権限の緩和や任務の拡大などに、参院選を控えて公明党は極めて慎重。また、久間章生防衛相は9日の会見で「武器使用のあり方や任務を整理しないと議論が進まない」と述べ、9条との整理が必要との認識を示した。
現行法での自衛隊の海外任務は、正当防衛・緊急避難でしか危害射撃が認められていないことから、他国軍の後方支援までが限界とされている。政府は恒久法によって他国軍が攻撃された場合の援護や要人警護などにも広げたい考えだが、危害射撃の範囲を拡大して武器使用を認めることが必要。こうした武器使用権限の緩和について政府はこれまで海外での武力行使につながる可能性があると解釈しており、整合性が大きな課題となっている。
一方、首相は自衛隊による他国軍援護を認めていない政府の9条解釈を疑問視しており、集団的自衛権行使をめぐる政府解釈とともに研究、見直すことを表明している。仮に解釈変更を行えば、武器使用権限の緩和と任務拡大への道が一気に開かれる。このため政府内には、参院選後に9条解釈の研究を本格化させ、結論を法案に反映させる案も浮上している。【小山由宇】
最終更新:1月10日3時8分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070110-00000008-mai-pol
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