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防衛省昇格の真の犠牲者は自衛官だ(天木直人・日本の動きを伝えたい)
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 1 月 10 日 13:13:12: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年01月10日
防衛省昇格の真の犠牲者は自衛官だ

 防衛省昇格の真の犠牲者は自衛官だ

 防衛省昇格についてはこれまで随分書いてきた。しかしやはり記念すべき防衛省の発足日だからあらためて一言書いておきたい。
 防衛省ができることは、単なる名前の変更や行政組織上の格上げということではない。自衛隊が軍隊となりその軍隊の海外派遣が主要任務になるということである。憲法逸脱が大手を振って通ることである。これについては既に書いてきた。
 勿論憲法9条が改正されない限り表向きには集団自衛権の行使という事にはならない。防衛省もこの事を強調している。しかし小泉以来の自民党政権では憲法9条を踏みにじった米国従属の政策が急速に進んだ。今更後戻りできないほどに。これからは次々と驚くべき米軍への協力が求められていくことであろう。
 平和主義者が悲しみ、左翼が憤ってみても、今の日本の政治状況では改憲さえも時間の問題とあきらめたほうがいい。もっとも私は個人的には、安倍首相がいくら張り切ってみても改憲はそう簡単にできるものではないと思っているが、それさえもこの国の国民次第だ。これはやはり大変なことなのだ。
 しかしここで書くことはそんなことではない。その危惧は護憲政党や左翼に任せて置けばよい。ここでは日本の政府当局者が内心一番困惑している事を喝破したい。
 自衛隊の海外派遣が主要業務になったということは自衛隊がいいよ戦場に行くことを迫られるということだ。防衛族や防衛官僚は「悲願が達成した」などと喜んでいる。この歴史的瞬間に偶然防衛大臣をやっていた久間などは、「イラク戦争支持は政府の方針ではなく小泉が記者に喋ったことだ」とか「普天間基地移転の合意は変更することもありうる」などという発言を繰り返し政府や米国の反発を買うほどの軽率な男である。その男が幸運にも防衛省昇格時に大臣をさせてもらった。その幸運を素直に喜び臆面もなく看板の字を自ら書いて歴史に名前をとどめようとしている。制服組の幹部も喜んでいるかもしれない。外務省は「自衛隊の活動はいまや外交になった」(大野功統元防衛長長官、1月8日日経新聞)などという言葉を聞いてついに防衛省に権限を侵食されるかと苦々しく思っているだろうが、米国従属の外務省だから米国が喜ぶことは何でも従う。喜ばざるを得ないのだ。
 このような為政者のノーテンキな喜びの影で一番困惑しているのは自衛官に違いない。そしてその自衛官の事を考える良心的な自衛隊幹部である。なぜならば自衛官こそが米国の戦争につきあわされて人を殺し、殺されることになるからだ。防衛族や官僚などはたとえ戦争が起こっても戦死することはありえない。一番先に逃げる連中だ。制服幹部にしても部下を死なせないと体を張って守る者は稀有であろう。自らも後に続くと言って若い特攻隊を死なせて置いて逃げた戦前の軍部を思い起こすだけで十分だ。彼らもやはり戦争の犠牲からは程遠い連中だ。
 日本と日本国民を守る戦争に殉ずるのであればあきらめもつく。愛する家族を守るために死んでいく勇気がある自衛官には敬意すら抱く。しかし彼らが駆り出される戦争は決して日本を守る戦争ではない。家族を守る戦争ではない。日本とは何の関係もない米国の戦争のために戦場に駆りだされるのだ。こんな馬鹿げたことはない。それがわからない自衛官は愚かだ。わかっていてケツをまくらない自衛官は情けない。
 この不条理を一番良く知っているのは自衛隊自身だ。「自衛隊の海外活動はこのまま進んで本当にいいのか。犠牲者がでたらどうなるのか」。これは一線を退いた先崎一前統合幕僚長の言葉だ(1月8日日経新聞)。殺す事を考えずに殺される事しか念頭にないところが苦笑させられるが、先崎のこの懸念こそ実は自衛官の本音である。
 実戦体験のまったくない日本の自衛官は実は戦場で死ぬ覚悟はない。サマワで人道援助にこだわったのも、米軍の後方支援に徹しているのも、それが憲法9条の制約であるからと格好良いことを言っているが、他国の軍隊のようにもしバクダッドで米軍と一緒に戦っていたら間違いなく無実のイラク人を殺し、反米イラク人に殺されてしまうから逃げたのだ。ブッシュのプードルである小泉さえもバクダッドに自衛隊を出して一緒に戦えと求められたら断ったに違いない。
 いっそのことできるだけ早い段階で米国が日本政府に対しテロとの戦いに自衛隊を出せと言ってくればおもしろい。米国盲従の外務省は右から左に米国の命令を防衛省に伝え自衛隊を出せと言うだろう。防衛省は断るだろう。安倍政権は米国の要求を呑めないであろう。
 自衛隊の成り手がなくなり徴兵制が復活することを懸念する護憲論者がいる。しかし自己中心の快楽主義に慣れきった今の日本人は徴兵制を認めない。こればかりは右翼でも反抗する。自分の息子を米国の戦争で殺したくないからだ。そんな国民を相手に今の政府に徴兵制を強制する力はない。
 残念ながら米国は現実にはそんなことを言ってこない。何故ならば自衛隊を戦場に出せといえば日本は安保条約を破棄すると言い出しかねないからだ。米国にとっては日本の基地と金さえ確保できればいいのだ。いじめすぎて金の卵を失っては元も子もないからだ。
 かくして防衛省は戦場に行かない軍隊を持って喜ぶ事になる。世界から見たらこれほど恵まれた軍隊はないに違いない。なにしろ戦場に行くことなく、子供だましの給水活動や人道支援活動という名のばら撒きに終始できるからである。戦地に赴く日本の自衛隊は、安全なところに身を潜めて贅沢な生活(手当をはずみ、風呂、日本食、ビール、娯楽設備、インターネットなど好き放題にあてがわれる)を送れるからである。もっともこの実態を世界の兵士が知ったら笑い、さげすむであろう。
 防衛省昇格をいたずらに懸念するよりもお手並み拝見と決め込んだほうが面白いのである。

At Last Japan Has Its Ministry of Defence

On January 9th, 2007 the Defence Agency of Japan became the Ministry of Defence of Japan.
This is a historical event from the eyes of those knows the Japanese political history after WW2. Let me explain very briefly the post war history of Japanese defence policy.
Japan was occupied by the Allied Powers led by US after she surrendered in 1945. The Japanese, who were so tired of war and militarism, welcomed USmade peace Constitution(Article 9) which disarms Japan totally. Even after US changed her mind and dictated Japan to rearm again to cope with the mounting threat of Communism in the Far East, Japanese called it not the Military Forces but the Self Defence Force and put it under the control of the Defence Agency which is one rank lower than other Ministries in the hierarchy of administration.
Although right wing politicians and bureaucrats are unhappy and tried to upgrade the Agency to the Ministry, the consecutive governments have been so afraid of the repellence of public opinion and hesitated to do so.
During the 5years and a half of the Bush’s poodle Koizumi’s regime, however, the atmosphere of Japan has changed dramatically. This change occurred partly because 9. 11 and the North Korean issue, partly because Koizumi’s strong popularity which allows him to do whatever he liked to do.
Taking advantage of this atmosphere Mr.Abe who succeeded Mr. Koizumi in last September passed the Law of upgrading the Agency in December against the protest of totally powerless opposition parties, i.e. the Communist Party and The Social Democratic Party.
The upgrading the Defence Agency does not mean the change of name and organizatio alone. More importantly the new law of upgrading the Agency enables the Ministry to dispatch it forces as a main assignment of Defence Forces.
Opposition parties, the leftist and peace loving people of Japan are worried that the Constitution amendment is imminent. But it is the ranks of the Defence Force who are more worried and upset. They are afraid to be ordered soon to go to the battle fields and fight the war against terror, which has nothing to do with defending Japan. Indeed it is so absurd to lose the lives for not defending their own country and people, families but for the war against the anti-US resistance.
In addition to this absurdity more serious problem will be soon revealed. Luckily enough Japan has not experienced any real war in post war period of 61 years. The ranks of Japanese Defence Forces , therefore, became so afraid to fight in real war. They are so afraid to lose their lives in the war. Japanese people as well became so pacifism that they will never allow the ranks to loose their lives.
What a country! What a Military Forces of Japan!. It is interesting to watch what will happen after the Ministry of Defence was born and US will escalates its demand to the point Japan has to send Defence Forces to the real war of US.


http://www.amakiblog.com/archives/2007/01/10/#000202

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