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http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3465103.html から転載。
民営化で地方から郵貯ATM消える?
小泉前総理が掲げた郵政民営化。その痛みともいえる現象が地方でじわじわと現れ始めました。郵便局のATM=現金自動預け払い機が各地で次々と姿を消し、利用者から嘆きの声が上がっています。
「何で郵便局だけは国家公務員じゃないとできないのか」(小泉前首相)
小泉前総理が郵政民営化に賛成か反対かを迫った2005年の総選挙。しかし、去年暮れに造反組が相次いで謝罪し、自民党に復党。政治の世界で郵政民営化は、もはや過去のものになってしまった印象があります。
ところが、その民営化の影響が地方から露呈し始めました。郵便貯金のATM=現金自動預け払い機が相次いで姿を消しているのです。
京都府舞鶴市の山中にある舞鶴工業高等専門学校。800人の生徒が寮で生活しながら学んでいます。
「(Q.これですか?)はい。これが学生がずっと使っておったキャッシュサービスで、ここに書いてありますように、一方的に10月31日をもってサービスを終了いたします、ということで」(舞鶴高専 小野紘一・校長)
学校内にあるATMは既にお金が補充されずただの箱になっていました。
「(Q.仕送りとか、そんなのは全部?)そうですね、全部うちは郵便局に振り込んでもらってるので。郵便局(のATM)がなくなったらちょっとしんどいです」(川上義弘さん)
高専の生徒たちは、お金をおろすことができる近くの特定郵便局まで1キロ以上の道を歩くことになりました。山の中にある学校からは20分以上かかります。お金をおろすのも一苦労です。
「3000円ほど。大金をおろして持って帰るのが怖いんですよね」(村上恵子さん)
「去年みたいに大雪が降ると来れないんで、どうするんですかね」(川上義弘さん)
高専を含め、市の中心部の東舞鶴地区には局外のATMが4カ所ありましたが、次々と撤去されています。
海上保安学校のATMも撤去。さらに海上自衛隊のATMも撤去され、残るは舞鶴市役所のATMだけとなってしまったのです。
「本末転倒しておるんですよね。何でも合理化、合理化したらそれでいいのかと。田舎の者はどうでもいいんだと、街中だけでいいのかと」(舞鶴高専 小野紘一・校長)
民営化に反対してきた国民新党の長谷川憲正議員は地方切り捨ての序章だと強調します。
「もっと出てきますよ、これから。私はね、ATMが病院や学校からなくなるにとどまらない、郵便局そのものから郵便貯金のサービスがなくなっちゃうと思いますよ」(国民新党 長谷川憲正・参院議員)
郵政公社はATM1台の維持費だけで年間350万円かかるため、配置の見直しが必要と説明します。
「(撤去の基準は)年間の取り扱い件数がだいたい3万5000件ということにしております」
Q.都市部の1回とですね、農村部の1回。これは重みが違うと思うんですが、これは一緒にカウントされているわけですか?
「現在では、取り扱い件数ということでは一定の基準につきましては全く同じ、1回は1回ということで」(郵政公社 中島友啓さん)
去年12月、ついに舞鶴高専からATMの撤去される日がやってきました。生徒たちがその作業を見つめます。
「おかしいですやん。建てたのに壊すとか、あれはほんとにナシだと思いますね」(舞鶴高専の生徒)
粉々に砕かれ、跡形もなくなった郵便局のATMのボックス。
「実際はみんな困ってるよ、ということを上にあげてくださいよ。そうしないと上の連中はこういう困ってることにはね、気がつかない」(舞鶴高専 小野紘一・校長)
学校、病院、駅、全国のATM750台が撤去の対象になっています。
年の瀬の舞鶴は例年より遅めの雪景色となりました。雪を踏みしめ、郵便局を目指す生徒たち。合理化の名のもと、地方と都会の格差はますます広がるのでしょうか。(08日18:14)
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