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新年早々、安倍総理がボンボンぶりをさらけ出している。与党内で「参議院選挙前の国民の総反発」を懸念して棚上げを検討している残業代不払い法案(=ホワイトカラーエグゼプション)について、「残業をしないことは働きすぎの日本人が家庭で過ごす時間を取り戻し少子化対策にもつながる」という不見識としか言いようがない見解を明らかにした。
「日本人は少し働き過ぎじゃないかという感じを持っている方も多いのではないか」と述べ、労働時間短縮につながるとの見方を示した。さらに「(労働時間短縮の結果で増えることになる)家で過ごす時間は、例えば少子化(対策)にとっても必要。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を見直していくべきだ」とも述べ、出生率増加にも役立つという考えを示した。(朝日新聞1月7日朝刊)
残業代不払い法案を推進する財界は、正規雇用の待遇を非正規雇用に近づけていく「逆・格差是正」を狙っている。正社員の賃金が高すぎるので、非正規の待遇に近づけていこうというのだ。こうすれば、「家族で過ごす時間が増えて、夫婦が愛し合う機会も増えて、子どもが生まれる」という、さすがボンボンらしい稚拙な見解を示している。
ワーキングプア(働く貧困層)の苦境を、全労働者の標準にするという乱暴な政策では、結婚したとしても昼夜を問わずに不安定な仕事を掛け持ちすることにもなる。正規雇用の待遇を引き下げることで、「家庭で過ごす時間が増える」ことにはならない。さらに、日本社会は「子育て」に親の出費を相当額負担させる構造になっている。「教育資金」を確保するためには、夫婦ともに長時間労働を重ねて貯蓄しなければならなくなり、「夫婦で共に過ごす時間」が限られてくる。安心して子どもを生んで、社会が子育てを支援する基盤をつくるのが内閣総理大臣の責務だが、考えていることがあまりに浮世離れしている。
人間としての尊厳を脅かす劣悪な待遇をそのままにして、「希望を持て」「努力しろ」という命令を下すだけの企業社会と一体化した安倍政権は、少子化対策にもなるからと言って「残業代不払い法案」を推進するのか。重要なことを忘れていた。「残業代不払い法案」の描く労働環境は、夕方の5時6時に職場を離れて帰宅するという光景ではない。7時8時まで「無料残業」が強制される姿だ。帰宅時間は現在と変わらずに、収入だけが定時の賃金となるのだ。そんなイロハも理解しないで、「少子化対策」を語るなんて、語るに落ちる。
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