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(2007/1/4)
年のはじめに考える
”みんなが主役はる舞台”
さあ二〇〇七年。日本列島、選挙の年です。知事に、身近な市町村長や議会、そして参院議員の、と続きます。主役はもちろん、一票を持っている、みんなです。
私ども論説室のメンバーは毎年の締めくくりに一泊で合宿するのを恒例としています。
趣旨をかっこよく飾れば「新しい年を展望する」ということになりますか。正直いうと、年間テーマをさかなにして…というのが、より実態に近いわけなのですけれど。
昨年暮れは静岡の山あいにある素朴な温泉を選びました。しし鍋メニューにひかれてです。干支(えと)にかこつけ、イノシシを食って、また一年を乗り切ろう、と。美味でした。
■12年ごとに何か起きる
統一地方選が四年、参院選が三年ごとですから、十二年に一度巡ってくる亥(い)年に、二つが重なります。
そこで一つ前の亥年一九九五年は何があったかといいますと、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件…。
今年と同じ選挙重複年ということでいうなら、東京都に青島幸男、大阪府に横山ノックの両タレント出身知事が誕生して、彼らを押し上げた大量の「無党派票」の存在が脚光を浴びたのでした。
何かが起きる「乱」の亥年。この年の七月参院選は前年に発足した村山富市政権下でしたが、与党自民党は比例代表で十五人、一方野党の新進党十八人。選挙区も自民は振るわず、痛い目に遭っています。
一説によれば、自民を下支えしてくれる地方議員が統一選の自分の選挙で疲れ切り、参院選に力が入らない。つまり自民に鬼門の亥年、ということになっているのです。
そんな事情を頭に入れて政界ニュースを眺めると、安倍晋三首相が、勝てる人に、と自民候補の差し替えを口走ったり、参院自民のドン青木幹雄氏が「負けたら安倍政権は死に体だ」と危機感をあおる理由も、合点がいくでしょう。
■改革派知事退場の次は
参院選は半年先のことですので、付け加えるのは少しだけにします。
争いの軸は、安倍氏のいう「美しい国」と、民主党を率いる小沢一郎氏の「普通の国」でしょうか。どこがどう違うの?と尋ねられても、なかなか答えにくいのですけれど。
それと、お二人とも夏まで無事であることが大前提ですよね。
もうひとつ、自民にも民主にも新保守というか、「強い日本」への改憲論者が多い。ここは、護憲勢力の共産、社民両党の存在も試される選挙、といえるでしょうか。
話を都道府県知事選に転じます。
ここ一、二年、いわゆる改革派知事がいっせいに退場しました。選挙に負けた長野の田中康夫氏、収賄や談合で汚れた、福島・佐藤栄佐久、和歌山・木村良樹の両前知事。
「十年を超える(三期目の)後半は元気が出なくなる予感もする」と不出馬を表明したのが、鳥取の片山善博氏。分権や地域の自立、情報公開などを唱えてきた人です。
随分と前になりますが、権力の座に十年もあるべきでないと「権不十年」を訴えて熊本の知事を辞めた細川護熙元首相のように多選の弊害を理由にしたのは、宮城の浅野史郎、岩手の増田寛也両氏もそうでした。
とんでもない事件の当事者になった人たちは別として、惜しまれての勇退を決めた知事たちを、どう考えればよいのでしょう。
私どもの論説室でも議論は割れます。壁に突き当たって挫折したのだとか、逆に改革への道筋がついて使命を終えたのだとか。どっちにせよ漂うのは「改革疲れ」感。そんな気もしてなりません。
「公私混同」が取りざたされて人気に陰りの石原慎太郎東京都知事も往年の勢いなく、ひょっとしたら改革を標榜(ひょうぼう)してきた側に“疲れ”が出ているのかしらとも思えるのです。
小泉政権五年五カ月の次の安倍政権の体たらくを見るにつけ、どうにも締まりがない。惰性に流れるならゆゆしきことであります。
そして、去っていく改革派の次に出てくるのは何者か。というより、私たちは次に誰を選ぶか。そこがまだ五里霧中で詰め切れていない。
早速きょう四日、山梨、愛媛、宮崎の県知事選が告示されます。一カ月後の二月四日は参院選を占う前哨戦になりそうな愛知の知事選の投票日。四月になると北海道、岩手、東京、神奈川と、めじろ押し。
小沢民主党の打ち出した「与野党相乗り禁止令」が文字どおり貫かれれば、いずれも緊迫戦は必至でしょう。選択眼を急ぎ磨かなければ。
不正を見落としがちな「オール与党」の議会の壁に穴をあけるのも、自治体議員を選ぶ有権者。そう、みんなが舞台の主役をはるのです。
■賢い選択で猪突猛進を
改革といっても理にかなうのと、かなわないものがある。曲がりなりにも改革が成ったとして、後をどうするか。続けるにしても改めるにしても、目指す方向は間違っていなかったか、不断の検証が必要です。
選挙の年こそ、過去と現在、未来を考える好機。賢く冷静に「猪突(ちょとつ)猛進」といこうではありませんか。
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/
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