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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu135.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「日本は強く叩けば必ず譲歩する」という確信をアメリカに抱か
せて、それが日米関係に存在する諸問題の根源となっている
2007年1月2日 火曜日
◆反米原理主義者を解剖する。 11月29日 外交と安全保障をクロフネが考えてみた。
http://gaikoanzenhosyo.blog4.fc2.com/blog-entry-204.html
(前略)
アメリカはボランティアでもなければ、理想の国でもないが、それに対して別段驚きはしない。
世界のすべての独立国は、自らの国益(つまり自分のエゴ)のために外交を行っているのであって、たとえ外国と同盟関係を結ぶ時でも、それが自らの国益のため、つまり彼らなりの打算と欲得があってのことであるのは明白だからだ。
世界最小の国の一つ、サンマリノだって世界最強の経済力と軍事力を持てば、それに応じた対日外交を始めるだろう。
もちろん日本政府・外務省の中には「アメリカにハイハイと言って付いて行けば、ともかく間違いはないんだ。」と考える人たちがいて、彼らにも困ったものだとは思うが、だからといって「日米同盟を破棄せよ。脱米だ!」といった極論には私は走らない。
日本も独立国なのだから日米同盟を維持しつつも、アメリカに主張すべき所は主張して「これ以上は譲れない」というところを示せばいいだけである。
そして日米同盟の維持がアメリカの国益にもつながっていることをよく説明し、日本の国益のためにアメリカの持つパワーを賢く”利用”させてもらえればそれでいい。
(これまで宮澤喜一・河野洋平両氏のような”譲歩原理主義者”の自民党・旧宏池会系の実力者が、中国・韓国に対して「おっしゃる事はごもっともです!」とひたすら従ってきた事が中・韓の”既得権益”となって、現在の日本との外交摩擦の原因となっているが、
彼らがアメリカに対しても同様に、日本として「これ以上は譲れない」というところを示さず、「ごもっともです!」とただひたすら譲歩を重ねてきた事が、「日本は強く叩けば必ず譲歩する」という確信をアメリカに抱かせてしまい、それが現在までの日米関係に存在する諸問題の根源となっている。
プラザ合意以後の急速な円高と、その後のバブル経済をふくらましつづけた時の経済政策の責任者が誰かを考えれば一目瞭然だろう。
対中・韓・朝だけでなく対米関係も含めて、近年における日本の外交政策の失敗の諸悪の根源は、自民党・宏池会の連中である)
しかし”反米原理主義”に陥るような人たちは、”アメリカのエゴ”に今さらながら驚愕して、動揺して、あげくのはてに錯乱しているように見受けられる。
そして出た結論の一つが「日本は日米同盟を捨てて、自立した誇り高き国になるべきだ」といったものだ。
「日本は日米同盟を捨てて、”自立した誇り高き国”になる」その心意気や良しとするが、じゃあ現実問題として、どうやってそれを実現していくのか?
”脱米”を主張するからにはアメリカと本気でケンカする覚悟は出来ているものと見なすが、まず安全保障はどうする?
アメリカの”核の傘”から離脱するなら、アメリカを含む他の核保有国に恫喝された時に備えなければならないが、国民や国際社会の反発を覚悟して独自核保有の道へと突き進むというのだろうか?
次に日本が経済活動をしていくのに必要な石油などのエネルギーや天然資源の調達をどうする? 日本自身が権益を持っている世界の油田は、日本が必要とする石油量の半分にもはるかに満たないはずだが。 それに日本まで資源を運ぶシーレーンの防衛を日本自身でやるというのか?
そして日本で生み出された商品・サービスをアメリカ以外のどこに売る?
中国?じょうだんじゃない、中国自身の国内消費の落ち込みによって、行き場を失った中国産工業製品の輸出ドライブに拍車がかかり、対米黒字が膨らむ一方だというのに。
「現時点で”脱米・自主独立”政策を求める」というのは、「補給が受けられない戦場で戦争をおっぱじめる」ようなものだ。 その結果は日本の自滅以外ないだろう。
アメリカと距離を取った外交をしているフランスは独自の核戦力と海外権益を守る空母艦隊を保有しているし、”ダッソー”をはじめとする軍需産業をかかえ、ある程度自前でフランス軍に最新兵器を供給できる。
また石油メジャーのひとつ”トタル”が全世界において石油権益の確保につとめ、それでもエネルギーの海外依存度を減らすために、先進国では異例なほど原子力にエネルギーを頼っている。
ロシアも巨大な核戦力と自前の軍需産業、そして石油・天然ガスの豊富なエネルギー資源を持っている。 だから両国とも、ある程度はアメリカとケンカができるわけだ。
クロフネも「日本の自主独立」という選択肢を100%排除するわけではないが、それをやるには重いコストや痛みを伴うし、長期に及ぶ国家戦略に基づく準備が必要になり、現時点においては現実的な政策ではない。 今日明日からはじめられるという政策ではないのである。
だから「自主独立のコスト」と「日米同盟維持のコスト」を天びんにかけた場合、私は後者をとる。 「アメリカ・アズ・ナンバーワン」なんてくれてやれ、安いものだ。
もし前者の政策を取るのであれば、日本は長期にわたる準備と多大なコストをかけて”補給線の確保”に全力で努力しなければならないだろう。
”自主独立”を主張する人たちは、自称も含めて”ガチガチの右翼”といったタイプの人が多いようだが、戦前の日本を破滅へと導いた軍部の”軍人官僚”の発想と驚くほど似ている。
これについては別の機会にでもふれよう。
(中略)
GHQの占領が終わってから現在まで、少なくともアメリカは日本の言論・思想の自由を認めてきた。
アメリカ政府や大統領が表向き公式に日本の歴史教育に異議を唱えてきた事は無いし、首相が靖国に参拝しても日米首脳会談を拒否してまでそれを阻止しようとした事は今の今までなかったはずだ。
たとえ民主党政権であっても、「内政干渉はしない」という最低限のモラルは守っていた。
それに民主党が間違った対日政策を取っても議会の共和党が反対するし、政権交代によって共和党が対日政策を修正するという、自浄能力がアメリカにはある。
(中略)
左翼リベラルは別としても、こういった考え方をする人たちは、「アメリカと対立したから、ナチス・ドイツやムッソリーニのイタリアと組もう」という戦前の松岡外相の発想と似ている。 松岡外相も日本を破滅へと引きずり込んだ人間のひとりである。
彼は「日本が強大なナチと組めば、アメリカも日本の重要性を認識して、対米関係が好転するだろう」と踏んだのだが、結果的に「日本もナチのような犯罪者と同類」とアメリカに見なされて、日本とナチにイタリアを全部ひっくるめて、アメリカにコテンパンに叩きのめされたのである。
自民党の加藤紘一氏が「日本が中国と組めば、アメリカは日本の重要性を見なおして、日米関係もうまくいくのだ」と主張しているらしいが、松岡外相の発想と酷似しているように見えないだろうか?
(後略)
(私のコメント)
日本の外交政策の討論を聞いていると右か左か、イエスかノーかの二者択一的な議論になりやすい。一つ一つの問題については賛成と反対の意見は当然ある。しかし一つの意見が反米だからといって反米派とは限らないし、親中派と言うことも出来ない。議論が細かくなれば入り組んだ主張が絡み合うから単純ではなくなる。
昨日はドゴール主義について書きましたが、ドゴールはアメリカには逆らっても反米ではない。アメリカと同調していたらフランスの国益を損なうから、用心深くアメリカの干渉を避けて影響力を排除した。しかしフランスは人口6000万人足らずの中規模国家であり経済力も日本よりはるかに小さい。にもかかわらず外交力があるのは核武装の決断に踏み切ったからだろう。
アメリカがイギリスやフランスの核武装を認めたのもソ連に対抗する為ですが、NATOと言う枠組を作ってアメリカとの連携を深める事もしている。ならば東アジアについてもロシアや中国や北朝鮮の核に対して対抗できる核と言うのはアメリカ一国しかないという事は危険なバランスだ。
もしアメリカに何かあった場合に東アジアは中国やロシアや北朝鮮の核に対抗できる手段がなくなってしまう。もしアメリカにクリントンのような親中派の大統領が生まれた場合、韓国や台湾はどうなるのだろうか? とても韓国や台湾単独では中国に対抗できない。だから戦わずして中国は東アジアの覇権を握る事が出来るようになるだろう。
ならば東アジアにもヨーロッパのNATOのような軍事同盟を作って、イギリスやフランスのように日本のような主要国には核を持たせたほうが軍事力はバランスするだろう。このような構想は現在の日本にはなく、日本にはこのようなことを考える外交的戦略家がいない。中国の核に対抗できるのはアメリカの核だけと言うのはアジアを不安定にする。
だから単純にアメリカに対して核を持たせてくれと言うのではなく、アメリカが乗ってくるような構想を説明してアメリカを説得できるのならば日本の核武装は可能だろう。だから日本の核武装はアメリカと対決する事だと単純に考える馬鹿者が多すぎる。六カ国協議を見ても中国やロシアや北朝鮮が核を持っているのに西側の韓国や日本が核を持っていなければアメリカにとっても不利なのが分からないのだろうか?
私はアメリカも中国もロシアも信頼はしていない。しかし地政学的に見ればアメリカと利害が一番共有できるから同盟を結んでいるに過ぎないのであって、親米ポチ保守のような無条件の親米政策はアメリカの過度な内政干渉を招く事になる。クリントンのような親中派の大統領が出てきた時に日本は打つ手がなくなってしまう。
日本が一番恐れなければならない事は米中が連携して日本叩きに出てくることだ。中国も江沢民のように巧みにアメリカに取り入って日米関係を揺さぶり亀裂を生じさせようとしている。クリントンはその誘いに乗って日本を素通りして中国に9日間も滞在して中国を戦略的パートナーとした。日本はそれに対して何の手も打つことが出来なかった。
アメリカにとって中国と手を組む事が利益なのか、日本と手を組む事が利益なのか意見は分かれるところだ。中国は国内の巨大市場をアメリカに解放する事でアメリカを取り込もうとした。アメリカはそれに乗った。そして日本を締め上げて日本の技術と資本を中国に移して利益を得ようとした。クリントンはその誘いに乗った。
しかし中国市場はそんなに甘いものではなく、日本や東南アジアに比べて民主的ではなく、難しい市場である事がわかってきた。経済レベルが上がれば民主化が進むと思われたがその思惑は外れた。だから最近ではインド市場にシフトしてきている。
日本の外交戦略としては日本からASEAN諸国からインドの対中包囲網を形成して、ロシア中国を中心とする上海協力機構に対抗する組織を作ることだ。ヨーロッパではワルシャワ条約機構とNATOが対決したように日本も東アジア版NATOを形成する必要がある。そして日本とインドの核で中国を牽制する必要がある。
このような戦略構想が日本の政界では話される事は無い。現状では憲法上無理だからですが、核武装論議も封印されている現状では無理なのだ。
安倍総理は今月9日から訪欧しますが、NATO本部に訪れて演説するようだ。アメリカよりも先に訪欧する事の意味は何だろうか? もしかしたら安倍総理の構想としては拡大NATOとして東アジアNATOを形成する構想があるのかもしれない。イギリスやフランスは日本の安保理常任理事国入りにも賛成しているが、拡大NATO構想から見れば理解できる。
◆NATOとの連携強化へ=安倍首相の訪欧日程固まる (時事通信)
http://news.www.infoseek.co.jp/politics/story/061226jijiX120/
安倍晋三首相の欧州訪問日程が26日、固まった。来月9日から英国、ドイツ、ベルギー、フランス4カ国を歴訪。ブリュッセルでは北大西洋条約機構(NATO)を訪れ、国際平和や災害援助などの分野での日本とNATOの連携強化を確認する。14日にはフィリピン・セブ島に入り、台風のため延期になった東アジアサミットなどに出席する。
[時事通信社]
(私のコメント)
クロフネ氏の記事からも分かるとおり、日本人はあまりにもアメリカ中心的な外交に硬直してしまっている。日本もドゴールのような独自外交戦略を繰り広げたいのなら、ASEAN諸国やインドやNATO諸国などとの外交も必要だ。ところがアメリカと言う国は疑り深いから安倍内閣に疑心暗鬼となって、財務省を通じて安倍おろしを始めたのかもしれない。
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