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談合疑惑法人に天下り
林野庁OBら288人
独立行政法人「緑資源機構」(川崎市)発注の林道整備調査をめぐり、談合を繰り返した疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けるなどした林野庁所管の六つの公益法人に、三百人近い国家公務員OBが天下っていることが明らかになった。大部分が林野庁OBで、六法人の役員の大半は年収一千万円を超えていた。六法人の調査業務の合計受注額は全体のほぼ半分を占めており、調査業務が林野庁OBの権益となっている実態が浮かんだ。
同機構は、国から巨額の補助金を得て大規模林道を建設。測量、設計、地質・環境調査など関連するコンサルタント業務も発注している。昨年十月までの三年半で、約四百件の入札を実施。落札額は計二十七億六千四百万円、平均落札率は93・5%に上った。
受注したのは七つの公益法人と十七の民間企業で、うち林野庁の有力な天下り先六法人が、計十三億一千八百万円と総額の48%を占めた。
衆院調査局が作成した資料によると、六法人には二〇〇五年四月時点で二百八十八人の国家公務員OBが在職。役員は四十九人で、そのうち林野庁OBが四十三人と九割近くに達した。
報酬を受けている常勤役員は三十二人(うち林野庁OB二十七人)。各法人の役員報酬規定や本紙取材への回答によると、六法人のうち四法人で理事長の年収上限が一千五百万−一千二百万円、理事も一千百万−九百五十万円と高額になっていた。
コンサルタント業務の受注額が、五億九千二百万円と六法人の中で最も多かった「林業土木コンサルタンツ」(東京都文京区)は、元北海道森林管理局長の小川康夫理事長を筆頭に、常勤役員七人中六人が林野庁OB。
次いで多い「森公弘済会」(千代田区、受注額四億九千六百万円)は、元林野庁長官の塚本隆久理事長ら二人の常勤役員が林野庁から緑資源機構を経て二度目の天下り。発注元の同機構から天下りした常勤役員も二人いる。
ある民間コンサルタント会社の幹部は「林野庁OBがいると機構に顔が利くため、いろいろな情報を取ることができる」と話している。
公取委は昨年十月、独占禁止法違反容疑で、同機構と民間の十数社とともに、六法人のうち林業土木コンサルタンツなど五法人を立ち入り検査。同機構が主導した官製談合の疑いが強いとみて解明を進めている。
緑資源機構の話 技術者の適正、経営状況などの条件をクリアすれば、公益法人、民間を問わず入札指名しており、林野庁OBの受け入れ数は関係ない。
林業土木コンサルタンツの話 再就職者の受け入れ実績と受注とはまったく関係ない。当社は全国に営業拠点があるため、受注件数は増える。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070101/mng_____sya_____006.shtml
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