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2006.12.31(その1)
森田実の言わねばならぬ[562]
マスコミを信用してはならない――日本のマスコミは政治権力と合体し国民を支配し圧迫する凶器と化した【48】
関岡英之編『アメリカの日本改造計画――マスコミが書けない「日米論」』のなかの第1章【アメリカに「国益」を売ったものの正体!――なぜ、政府は「年次改革要望書」を拒否できないか?】冒頭の[日本政治 「日本独立」の気概は、どこで失われたのか?――戦後60年、日本の歴代内閣の対米政策を徹底検証する]における私の発言要旨
「中曽根康弘政権が、日本を『米国の従属国』化する方向を決定づけ、小泉内閣が「日本の対米従属化」を完成した」(森田実)
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日本の従米化の裏に日本の知識層の「転向」があった
関岡英之氏のインタビューを受けた中に、「60年安保世代の親米保守への転向」についての質問があった。私の話を引用する(086ページ下段)。
《実は、アメリカの圧力に最初に屈したのは、日本の知識人とマスコミなのです。アメリカ側も、日本を操るうえでまず知識人を籠絡することが重要だという戦略で、対日工作をいろいろやった。その一つがフルブライト奨学金制度を使って日本の知識人たちをアメリカに招き寄せ、接待したことです。戦中戦後、日本人は食うや食わずでしたから、アメリカに行っていい環境で生活させてもらい、勉強も思う存分させてもらう。すると、多くの人はアメリカかぶれになってしまったのです。
戦後、長らく学生運動、左翼運動が盛んでしたが、1960年の安保闘争が挫折してから左翼が一挙に退潮します。戦時中の怨念、占頷下の屈辱など、あらゆる情念が60年安保で燃え上がりました。安保闘争終了とともに燃焼し尽くして、時代の空気が一変し、安保闘争で逮捕されたり、運動の先頭に立ってきたりした元活動家たちが、学者として再出発するためにアメリカに行こうという風潮になったのです。》
《アメリカに留学した学生たちは、やがて日本に帰国した。帰国した彼らがどこに行ったかといえば、大学であり、官庁であり、マスコミです。さらに銀行など財界もそうです。とくにハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)、エール、スタンフォードのような大学に留学した人間が重用されました。
帰国した彼らの価値観は完全にアメリカ化していた。私は人間の価値観がこうも変わるものかという強烈な体験をしたことがあります。左翼運動のりリーダーだった人間がここまで変わるかと驚きました。共産主義というのは平等主義ですから、虐げられた大衆を幸せにするための運動だと左翼は主張していたのです。自分のエゴは表に出すのを恥じたものです。ところが、その彼らがアメリカから帰ってきたら、完全にエゴイズム擁護に変わっている。「自己の利益のために生きるのが正義だ」「人のために生きるなどというのはバカげている」と主張する。いかにアメリカが違った価値観の国かということを、私はつくづく感じたものです。学者もジャーナリストも、アメリカに留学にすると、ほとんどの人が価値観が変わってしまった。その影響を受けて官僚や政治家、そして一般の日本人の価値観もアメリカ化していった。知識人から洗脳していったアメリカの対日戦略は大成功だったといえます。》
日本の独立を実現するために日本国民の先頭に立った60年安保の闘士たち(とくに経済学部、法学部出身者)は、先を争うがごとく、米国留学をめざし、結果として、多くの人々が従米主義者に転向した。彼らは学者や官僚や新聞記者になった。まことに情けないことである。
1970年の学園紛争に立ち上がった世代についても同様のことがいえる。彼らもまた先を争うがごとく米国の大学へ行き、従米主義者に転向した。彼らも学者、新聞記者、ビジネスマンになった。
大学教授の「親米保守化」、大新聞のエリート記者(大テレビ局のエリート記者、ディレクターを含む)の「親米保守化」、従米主義者化は、二つの大転向の結果だったのである。彼らは米国政府によるマインドコントロールを受けつづけているのである。 日本は独立国として生きるべきである。
現在の日本に生きるわれわれは、後世に「従米国日本」を相続させてはならない。後世の日本人は「独立国日本」の上に生きつづける権利がある。この権利は、いかなることがあっても、尊重しなければならない。【この項了】
[関岡英之さんの旺盛な言論活動に対し深く敬意を表します――森田実]
[読者のみなさんへ。今年1年間、本ホームページを読んでいただき、まことにありがとうございました。よいお年をお迎えください。新しい年があなたにとってよい年になりますよう、祈ります――森田実]
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03113.HTML
森田実の時代を斬る:
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/TEST03.HTML
◇戦後というのはアメリカに去勢され、アメリカに占領され、アメリカに蹂躙されてきながら、日本人の魂は「独立国でいかなければならない」という方向に向かっていた。ところが、1982年の”ロン・ヤス”関係の到来で日本はアングロ・サクソン化に向かって進み始めたのです。中曽根康弘が長く健在なことが、その正当な分析を妨げているのは、日本にとってものすごく不幸なことです。(森田実)
◇安倍政権はいま、アメリカの監視下に置かれているのです。ですから、安倍政権が長く続くとは、私は見ていません。安倍の次の人物が、日本の財務省とアメリカの意向で日本国民に増税をして、またアメリカに貢がされ、大増税に怒った国民が、民主党政権を選んで戦争を軽く受入れてしまうという事態を、私は一番懸念しています。(副島隆彦)
―『アメリカの日本改造計画―マスコミが書けない「日米論」』より引用―
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