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西山太吉(元毎日新聞記者)国賠訴訟第9回口頭弁論報告(藤森克美法律事務所)
http://www.asyura2.com/07/senkyo29/msg/502.html
投稿者 天木ファン 日時 2006 年 12 月 29 日 21:43:57: 2nLReFHhGZ7P6
 

西山太吉国賠訴訟
裁判報告

2006年12月29日 西山太吉(元毎日新聞記者)国賠訴訟第9回口頭弁論報告

1. 2006年12月26日(火)午後3時,東京地裁722号法廷で西山国賠訴訟第8回口頭弁論が開かれ,同日結審となりました(加藤謙一裁判長)。
原告側: 原告本人,原告代理人
被告側: 被告(国)指定代理人5名
傍聴者: 約45名

2. 双方提出文書
原告側: @2006年11月20日付証拠説明書(14)
A2006年12月20日付準備書面(13)
B2006年12月20日付証拠説明書(15)
C2006年12月25日付準備書面(14)
D2006年12月25日付証拠説明書(16)
E甲75号証:原告陳述書V
 甲76号証:第164回国会衆議院外務委員会議録第2号
 甲77号証:刑事一審第1回公判調書
 甲78号証:刑事控訴審第6回公判調書
 甲79号証:    〃   検察官提出の弁論要旨

被告側: @2006年12月26日付準備書面(3)


3. 前回期日以降の経過と裁判の様子
(1) 原告側
@準備書面(13),(14)(上記原告側提出文書@・A)において,請求原因の追加(麻生外相・検察官の違法行為)を申立てました。
A提出済の原告陳述書(甲23号証)の誤りを訂正する原告本人の陳述書Vを甲75号証として提出した他,麻生外務大臣の2006年2月24日の衆議院外務委員会における密約否定発言及び河野元外相による吉野氏への密約秘匿要請の事実否定発言を甲76号証として,前回期日以降入手できた刑事記録から判明した検察官の嘘の主張と真実義務違反の証拠として公判調書の一部を甲77〜79号証として提出しました(上記原告提出文書E)。

(2) 被告側
被告側からは,原告側準備書面(12),(13)に対する反論が提出されました(上記被告側提出文書@)。
国側は,原告の主張する真実義務違反には法的根拠がないとした上で,政府高官らによる各発言内容は一般的見解を述べたもので原告個人を対象とする発言ではなく,結局,政府高官の発言による名誉毀損は成立せず,原告の請求には理由がないと反論しています。
 また,2000年5月24日頃の外務省職員と河野元外相による吉野氏への密約秘匿懇請の事実及び同懇請により原告の名誉回復の機会を奪った事実について,否認しています。

(3) 裁判の様子
@開廷直後,裁判長から今回で弁論終結としたい旨が申し渡されました。
Aその後,原告代理人が口頭で最終弁論を行いました。
 原告代理人は,裁判所に,甲70号証として提出済の澤地久枝著『密約〜機密漏洩事件』を是非読んで戴きたいと述べた後,同著作の「代理民主制を建前とするこの国で,国民にも知らせることのできないような国家機密は,きわめて限定されるべきであろう」,「基地復元補償400万ドル肩代わりは,いわばかくされた《密約》の氷山の一角に過ぎない」,「だいたい,基地復元補償の1点に限ってでも,ともかく日本の主張が通ったというみせかけをつくるために,わざわざ肩代わりの財源を提供する姑息な面子とはなんだったのだろうか。それが国公法でいうところの『国家機密』とよび得るものであったかどうか,ごく平静に常識的に判断をすれば,結論は『否』でしかない」等の下りを引用しながら,公開された米公文書や吉野文六外務省元アメリカ局長の発言によって5本に上る巨大な密約が裏付られたと述べ,当時原告が入手した電信文は違法秘密であって,国家公務員法によって保護されるべき秘密には当たらないにも拘らず,刑事公判で検察官が嘘の主張と密約の存在を意図的に隠して訴訟を追行したため,東京高裁と最高裁の判決を誤らせたことを強調しました。
 また,吉野氏が2006年2月以降,マスコミに対し密約を認める発言を繰り返している理由を,澤地氏の「憲法第21条が保障した『表現の自由』は,本来無条件に認められるべきものであり,その前提にたって,国家機密,外交機密をふくむすべての資料が,ある年限ののちに公開されるとういう立法措置がなされるべきではないだろうか。やがて『公開』される前提のもとでは,いかなる政治家も官僚も,おのずからその姿勢を正さざるを得ず,国会や法廷において偽証をおこない,あるいは忘失をよそおって事実を隠蔽するなどの行為をなすことに『おそれ』を感じるはずである」と同様の考えに基づくものと理解していると述べました。
 終盤には,『密約』の「この事件の本質を見すえるところから私たちはまた歩きはじめるべきなのであろう」という下りを引用し,「その歩き始めが今回の国賠訴訟である」との考えを述べ,裁判所に対し「真実を洞察し,歴史(の審判)に耐える判決を期待する」と結んで最終弁論を締め括りました。
B国側代理人から,口頭で,原告側提出の2006年12月25日付準備書面(14)(上記原告側提出文書C)については従前通り争う旨が述べられました。
C以上をもって弁論終結となり,判決言渡期日は2007年3月27日(火)13:30に指定されました。

4. 第9回口頭弁論の傍聴者・傍聴希望者の皆様へ
 第9回口頭弁論当日は,あいにくの雨となりましたが,足元の悪い中,多くの方々が傍聴のため東京地裁に足を運んで下さいました(約45名)。この場をもってお礼申し上げます。

5. 弁論終了後の傍聴者に対する説明会と「沖縄密約訴訟を考える会」意見交換会
(1) 今回の弁論終了後も,私から裁判について傍聴者の方々に説明する機会を設けました。
(2) 説明会終了後,16:30〜18:00頃まで上智大で「沖縄密約訴訟を考える会」(連絡先:上智大学文学部新聞学科・田島泰彦研究室 /TEL・FAX: 03-3238-3628)による意見交換会が開催されました。
(3) 「沖縄密約訴訟を考える会」のメンバーを始め,第1回期日から結審まで,西山国賠訴訟に共感・共鳴下さる多数の方々から裁判へのご支援・ご協力を賜りました。厚くお礼申し上げます。
6. 原告代理人の感想
 2005年4月25日の提訴から1年8ヶ月,ついに弁論終結の日を迎えました。
 当初入手できた資料は,2002年の米公文書と吉野・井川両供述調書,刑事1〜3審の判決のみという手探りの状態でスタートした裁判でしたが,各方面のご厚意・ご協力を得て,密約の事実及び刑事判決・決定の誤判性については立証できたのではないかと思います。
 国側は最後まで実質的な認否・反論はせず,本質的な争いを避け,あくまでも形式論で逃げる戦術をとり続けましたが,裁判所においては,形式的判断に依らず,証拠に基づく公正かつ厳密な事実判断と問題の本質を踏まえた実質的判断がなされるよう,裁判官の良心と勇気に期待して,2007年3月27日(火)13:30の判決言渡を待ちたいと思います。  

http://plaza.across.or.jp/~fujimori/nt01.html#裁判報告第9回

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