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□加藤紘一が暴く「テロルの真犯人」 [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061225-01-0101.html
2006年12月25日
加藤紘一が暴く「テロルの真犯人」
終戦記念日に起きた事件は何だったのか
小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝で揺れた8月15日、終戦記念日のことだった。山形県鶴岡市にある、自民党元幹事長・加藤紘一衆院議員の自宅兼事務所が放火されて全焼。現場で自殺を図った容疑者はすぐに逮捕された。右翼団体に所属する65歳の男性だった。
糸の切れた風船
小泉前首相の靖国参拝を批判する発言を繰り返していた加藤氏。一連の発言がよくなかったのか。犯人を突き動かしたものは――。そんな思いから、加藤氏は新著『テロルの真犯人』を書いた。
内容はなかなか刺激的だ。「『真犯人は前首相』説」という過激な見出しもある。YKKの盟友だっただけに意味深だ。どういうことか。これは評論家の佐高信氏が「時代の空気」をつくったのは小泉氏だ、という意味で表現した言葉を引用している。加藤氏自身はそこまでは思わないと否定はしているが、時代の空気がテロで言論を封殺しようという犯行を招いた、と指摘する。その空気は小泉氏が仕掛けた郵政総選挙で一挙に296議席を得た時と同じだとも。
「現代は、糸の切れた風船になった人間が5メートルの高さで漂流している。彼らはちょっとした風ですぐうわっと動く。小泉自民党に投票し、オピニオン雑誌の言葉が激しければ激しいほど買う」
「彼ら」が動かされるのはメッセージの中身ではなく、強くはっきりして複眼的ではないものだ、という。なぜ、強くて分かりやすいものにひかれるのか。
「実社会では家庭も仕事もあり、価値観の相克で面倒くさく、折り合いをつけなきゃいけないから」
パンドラの箱あけた
強いメッセージ性のあった小泉政権から安倍政権へとつながる源流は、2000年に自身が起こした「加藤の乱」にあった、とみる。
「あの時私に寄せられた期待と、数カ月後に自民党総裁選に立候補した小泉さんの街頭演説に集まった人、郵政総選挙での小泉さんへの熱狂、総裁選で安倍さんを支持した人たちの目線はみな同じ。いわば私がパンドラの箱を開けた。だから書く責任があると思った」
著書では、師と仰いだ大平正芳元首相をはじめ、田中角栄元首相ら、心に残る政治家の数々の言葉にも触れている。安倍首相の言葉は加藤氏の目にはどう映るのか。
「多弁だが印象が薄い。冷酷にいえば、生活感が希薄だからだと思う。安倍さんだけでなく、9月の総裁選の候補者はみな都会の私立一貫校出身だ。それに安倍さんは親譲りの地盤で、選挙で地域をはいずり回らなくてよかったから」
いわば首相こそ「浮遊感の代表選手」といったところか。こうした現実感の薄さへの処方箋を、加藤氏は「地域コミュニティーの再生であり、その鍵は学校区だ」という。だからこそ、安倍首相肝いりの教育再生会議で検討課題の一つである「教育バウチャー制度」(学区にとらわれず、バウチャー=クーポン券で好きな学校に行ける仕組み)には「地域社会が壊れる」と反対。著書では「強行すれば、政権崩壊に直結するくらいの反対運動が起こるだろう。われわれ地方選出の議員も、その戦列に加わることになろう」と、倒閣運動のような勢いで批判している。
一度は首相候補の筆頭だった加藤氏。乱の挫折や議員辞職、そして放火事件の被害を経て自身の今後はどう描くのかと尋ねると、
「政治家は地位を得ることも重要ですが、問題を把握することも大事。しかし、そこで終わったら評論家になる。私は評論家で終わるつもりはありません」
編集部 秋山訓子
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