★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK29 > 350.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(2006/12/25)
明治の歌舞伎役者で劇聖とも呼ばれた九代目・市川団十郎は台詞(せりふ)を覚えたら一度忘れる。次に覚えると「本当の自分の腹から台詞が出てくるし、個性というものが出てくる」から。台詞に限らず、自分の言葉で語らないと人々の心に響かないとの教えだろう
▼「ご本人が一身上の都合でどうしても職を辞したいとのことで、やむを得ないと判断をいたしました」。こちらは「安倍劇場」の主役、安倍首相が政府税制調査会の本間正明会長の辞任時に発した言葉。前日まで「税や経済に対する見識を生かして職責を全うしてもらいたい」と発言している。なぜ慰留しないのか首を傾(かし)げたくなる▼解説を聞いてみよう。首相側近によると「職責」発言は進退の判断を本間氏自身に任せる、つまり「自発的に辞職して」との意味。本間氏には理解できたという▼首相の本音を推察すると「あくまでも本人の私生活の問題。自分に責任はない」ということか。説得力があるとは思えないが
▼安倍政権は組織的な広報に長(た)けている。圧勝した郵政総選挙の広報を仕切った世耕弘成参院議員が首相補佐官に就任している。でも郵政造反議員の復党問題、教育再生会議の議論、来年度の予算編成と国民の関心の高い課題で首相の発言が心に響いてこない。小泉前首相が得意とした歌舞伎の演出「見得(みえ)」を切るような場面もない▼「広報は悪いものをよく見せることはできない」。世耕氏の持論だが、皮肉にも最近の内閣支持率の低下が正しさを証明しているかのよう。人々の政治を見る目も肥えている。
http://www.tokyo-np.co.jp/hissen/index.shtml
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK29掲示板
フォローアップ: