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人は、病気で事故で家族の病気で介護で年齢でいつでも勤労貧困層に陥るという現在に日本において、気がつけば自らが労働に追われて、とてもネット社会など覗いているヒマなどなかった。だいたい、多少刺激的だがそんな骨の折れることをしているより早く寝た方がはるかに仕事のためには良いのだ。・・・そういうわけだから、「他言無用」にからむ右翼の街宣などのニュースもやっとこの頃知った次第である。
それにしいても今度も、いつまでこんな愚劣な事件が毎度繰り返されるのか?とため息を繰り返すしかない。
この頃の右翼はカルト天皇教とは無縁な者も少なくなくようなので一概には言えないが、事の事実は、一部週刊誌が煽ったことを契機に、権力により発動されたものから自然発生的なものの間のどれかに属するのであろうが、いずれにせよ若年勤労貧困層の多数が国粋主義者もどきになり小泉純一郎を圧倒的に支持した時代の雰囲気と奇妙に響きあい、私の気分はただ滅入るだけだ。
ここで話は少しずれる・・・。
▼林信吾『しのびよるネオ階級社会』平凡社新書より―─。
・・・セックス・ピストルのジョン・ライデンが述べている。彼は、アイルランド系移民の二世だそうだ。
「カトリック学校へ行く途中にあるプロテスタント居住区は、いつも走って通り過ぎたものさ。『汚らしいアイルランド野郎ども!』なんて罵声を浴びながらね。今じゃ、その罵声も黒人やその他の人種に対して向けられるているようだけど。(中略)世界中の労働者階級に共通する問題点かもしれないけど、労働者階級は自分より下に位置すると思われる人間に対して、常に憎しみを抱くんだ。そもそも彼らを上から押さえつけている中流や上流の中枢にいる人間に向かって行くことはしないんでね」
***
林信吾は言う―─恵まれない階層ほどナショナリストが多いというのは、階級社会の大いなるパラドクスであると。何という惨めな現実なのだろうか?
問題は、そう日本の問題は、分かりすぎるほど敵が明確なのに、それでも敵が分からないということなのであろう。敵を認識して敵が強すぎてそれで尻込みしているとはとても思えないのだが・・・。
そこで、階級社会にしないための所得再分配の話である。
▼税金をどこに納めるのか?
金持ち優遇税制がしかれてから、金持ちはより金持ちに貧乏人はより貧乏になった日本低国に今日衝撃的ニュースが流れた。翻訳家はスイスに税金を納めるってか?ハリーポッターの翻訳家に課税のニュースに、みのもんたが何の発言をしなかったのには笑えた。同類相哀れむってか?日本に住む人びとがせっせと本を買い、その小金が莫大な金になって翻訳家の懐に入ったのに、その税金がスイスに行っちゃうなんてもう滅茶苦茶。そう言えば、そういう節税をしてる竹中とかいう馬鹿大臣もいたが、それら売国スットコドッコイに比べれば対極にいる田中康夫は素晴らしいじゃないか?心意気だけは評価せよ。奴は住民票をどっかの村へ移し、そこへ住民税を払おうとしたのだから。
もしハリーポッターの翻訳家が、どこか田舎の村に住居でも移して住民税を払えば・・・、素晴らしい話になったはずだが、10%の節税のために、本を買ってくれた日本の読者には何の還元もしませんとは、こりゃまた世も末の金がすべてのあんぽんたん。日本低国民、もうハリーポッターなんて買うな!
そうやって日本の税金が外国に逃げ、資産家が外国に逃げるから、金持ち優遇税制をもっとしなくてはという暴論がある。しかしその種の恥知らずの拝金主義者には逃げてもらっていっこうに構わないのだが・・・。
▼最低賃金と最高年俸の話
NHKの「ワーキングプアU」に出てきた女性労働者の場合、給食の用意などの仕事で時給680円で、調理師免許を取ったけど、わずか10円しか上げてもらえなかった話と松坂大輔の年俸10億の話が同時にメディアから流れてくる日本。その種のニュースの時に、所得税の最高税率を37%と下げすぎたので、50%ぐらいに戻せという意見がテレビに流れてもいいのだが、テレビ界の人間が富裕層に属するのでそういう話はなかなか出てこない。そういうわけだから最低賃金を時給1000円ぐらいまでに上げよなどという意見がテレビに出ることなどあり得ないかもしれない。
ちなみにテニスのビヨン・ボルグはスウェーデンの税金が高いので所得税ゼロ(?)のモナコへ住居を移し節税節税、引退してからはやっぱり老後が心配、福祉が充実しているスウェーデンが良いとそこへ引っ越し(注:橘木俊詔『格差社会』岩波新書―─より)。ここでもハリーポッターの翻訳家の話と同様に、・・・要するに、利己的な拝金主義者が節税のため国外へ流失してもいっこうに構わないと言い切ることだ。
トルストイ「人にはどれだけの土地が必要か」では、人に必要なのは土葬するに足る程度の土地で十分ではないかという話なのだろうが、地球規模での有限な資源を分けあって行かなくてはならない時代にあっては、同様に「人にはどれだけの年俸が必要か?」を真剣に考えた方が良いだろう。年俸10億円の選手たちの出現で野球の試合の入場料がはね上がり、結局勤労貧困層が野球を見なくなれば野球は衰退してくだけだろう。もちろん当たり前の事だが、人は野球などなくても人は生きていける。農業などがなくなっては人は生きていけないけどね。例えば人の年俸1億円を上限とすれば、自ずと所得税の最高税率も決まるであろう。もちろん最高年俸1億円に不服の人は少数ながらいるであろう。そういう輩にはお金の代わりに「誉め生かし」でも「勲章」でも「金メッキのメダル」でもなんでも与えてなだめておけば十分であろう。
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「成功者をねたんだり足を引っぱるという風潮はいけない」と小泉純一郎が言うのだが、彼によれば私の発言もそういう類のものなのだろう。まあしかし、「財産の影に犯罪あり」と言い当てた先人もいて、私も又先人の残してくれた知的財産の恩恵に預かりながらこういう発言をしているのである。正義や公正という面からも反論は可能だが、例えば以下のような反論も可能なのだ。栽培作物の良い種を見つけたら隣の人などに分け与えた先人もいて私たちが栽培作物の恩恵を受けて今生きていられるといるとするなら、「私の物はすべて私の物だ!」という認識そのものが間違っているということだと―─。
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