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教育再生会議への違和感
2006年12月23日
安倍首相の肝いりで創設された教育再生会議が、教員の質向上やいじめ対策を中心に、1月に中間報告を出すそうだ。
再生会議のこれまでの議論に、筆者は違和感を抱き続けてきた。それは問題が生じた責任を、教師や生徒など個人に帰す傾向が強くみられるからだ。企業において、ある事業や組織が期待した成果を上げられなかった時は、そのトップや担当者の能力とともに、人員、予算、権限、資本装備などインフラが十分整備されていたのかが問われる。航空機の運航や巨大プラントの操業においても、ヒューマンエラーを未然に防ぐシステム上の対策が重視される。
そのような目で、教育現場を改めてみてみる。能力や信頼に欠ける教員がいることは否定しない。しかしそれ以上に、深刻化するいじめや不安を増大させている生徒、学校における規律の乱れ、学力の低下、保護者の期待に対し、十分な対応が可能なだけの教員、スタッフ、設備、権限が学校に与えられていなかったという問題があると感じるのは筆者だけか。
財政制約の下で、教師の数は削減され、平均年齢も上昇してきた。カウンセラーもまだ少なすぎる。一方で、進学から生活指導まで、保護者など周囲の要求はエスカレートし続けている。そのような中で、有能で高い志を持つ教師こそが体力と神経をすり減らし悩んでいる。病気休職中の教員数が過去最高を更新し続けているのは、その表れであろう。
それなのに、再生会議は教員個人の責任だけを問おうとしているように見える。効率化を図り保護者など外部の評価を意識することは重要だが、それは教員に対するいじめに容易に転化する。その前に、教育インフラが十分だったのかどうか、さらに言えば、日本の将来を考える時、政策の優先順位付けが間違っていないのかどうか、改めて考える必要があるのではないか。(山人)
http://www.asahi.com/business/column/TKY200612230100.html
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