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(回答先: 首相、いじめ対策へ出席停止の活用指示・文科相に(日本経済新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 1 月 23 日 10:16:31)
いじめ対策で、出席停止などの厳しい処分を加害児童・生徒に与えるという首相の指示に、二つの大きな問題を感じる。一つは、なぜいじめが起きるのかに目が向いていない点。個々のいじめの背景には家庭や学校、私たちの社会の問題があるのに、子ども同士の問題としかとらえていない。
胃が痛む時に、痛め止めの薬を飲み続けて、しのぐだけにするのか。がんやかいようが根本原因なら、治療しない限り、悪化するだけだ。いじめの問題も同じ。いじめ多発の根本原因となっている私たち社会のあり方をまずは問題とし、変えるべきだ。子どもに責任を押しつけるのは、大人の責任逃れとして最悪の方法ではないか。
もう一つは、出席停止は、すべての子どもに保障された教育を受ける権利を侵害する処分だということ。確かにいじめは。名誉毀損やぶ告、傷害などを伴う大きな人権侵害で、犯罪だ。だが、それを(広い意味で)”裁く”のは、法務省の人権擁護局や警察の仕事。どんな子どもでも、自分のしたことは償わなくてはならない。いじめをした子どもが犯した行為は、人権侵害や犯罪として裁かれ、罪を償わなければならないが、それは学校や教師の仕事だろうか。
学校では、いじめた子もいじめられた子も、同じ大切な子どもたちだ。学校がなすべきなのは、行ったいじめをきちんと反省させ、謝罪させ、償いをさせ、そして和解させることしかない。
「東京新聞」1/23 朝刊紙面より
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