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http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/35880/
宮崎県知事選で初当選したそのまんま東氏(49)。地道にマニフェストを訴え、「タレント候補」からの脱却に成功したと地元の評価も高い。その東氏を政策面で支えたのは、20代中心の“チームそのまんま”だ。チームは既存政党に不満を持つ政策提言のプロで、インターネットなどを駆使して県の実情を徹底的に調べ、東氏と徹夜でマニフェストを作り上げた。
(山本雄史)
競売入札妨害の罪で起訴された前知事の安藤忠恕被告(65)が、知事職にとどまる意向を示していた昨年11月25日夜。東京都内の貸しビルの一室で、ジャージー姿の東氏と10数人の若者が6人用のテーブルを囲んでいた。
部屋の面積は8畳程度。室内に熱気が立ちこめ、暖房のスイッチは切られていた。
「故郷のイメージを良くしてもっと観光客を呼び込みたい」「芸能人の自分が、これまでの経験を生かして宮崎のトップセールスマンになる」
会議では、早大で地方自治を猛勉強した東氏が、ひそかにあたためていた「思い」をチームにぶつけた。チームのアドバイスを一言一言、文庫本サイズのメモ帳に書き留める東氏は、上座に座るように勧められても、「いえいえ」と断り、下座に座り続けた。
ミーティングは終電まで続いた。チームは徹夜で県の財政状況や産業構造を分析。「選挙公約は票目当ての実現可能性の低いものが多い」と考えていたチームは、財政的な裏付けのある政策を練り続けた。
東氏との議論は翌々日の11月27日までに、延べ15時間にわたって続き、ようやくA4用紙8枚のマニフェストが完成した。
チームの正体は、自治体や官公庁への政策提言を行っているNPO法人「政策過程研究機構」(PPI)のメンバー。シンクタンク勤務の会社員や大学院生らが中心だ。NPO法人は法律上政治活動ができないので、有志による特別チームを編成した。
チーム結成のきっかけは11月下旬、PPI役員の早大大学院生(25)に東氏サイドから連絡が入ったことだった。出馬を模索していた東氏は早大人脈を頼り、政策面のサポート役を探していたのだ。
1月3日に宮崎市で行われた公開討論会。理路整然とマニフェストを訴える東氏の姿に聴衆が驚きの声を上げた。
チームのメンバーで、PPIの男性幹部(27)は「東さんの一生懸命さをマニフェストという形でアピールできた。最初は正直、タレント候補という色眼鏡で見ていたが、いつのまにか『この人のためにやってあげたい』と、本気で思うようになった」と振り返る。
チームは報酬を受け取っていない。
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