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国を憂い、われとわが身を甘やかすの記
桜井よしこさんの自民党での素晴らしい講演
2007/01/17 12:05
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/102810/
昨日は自民党本部で、ジャーナリストの桜井よしこさんの「安倍政権に期待すること」と題した講演がありました。ちょっと長いですが、これがとても素晴らしい内容なので、紹介したいと思います。本当に、桜井さんにはほれぼれさせられます。同僚記者によると、講演中、おしゃべりする女性や、気持ちよさそうに船を漕ぐご婦人(一般党員)がけっこういたというのが残念ですが…。
《【歴史に学べ】
いろんなことを安倍政権に期待しているが、きょうは外交に問題を絞りたい。安倍首相が教育に力を入れ、今年の参院選で憲法改正を1つのテーマとして問うことはとても大事で、高く評価したい。いまの日本で一番大事な問題を2つ上げれば、国民教育と安全保障だろうと考えていたので、安倍総理に心から賛同する。
外交は安全保障と一体だ。いくつかとっても大事な国を挙げれば、2つに絞ることができるだろう。中国と、わが国の同盟国のアメリカだ。アメリカと中国の読みを誤るとどんな影響が及ぶか、歴史を振り返れば非常によく分かる。日米中の関係は、ゼロサムゲームの関係だ。基本路線は緊張関係にある。日本が3カ国の関係で、どういったときに敗れ、何が起きたか、歴史では重要な場面があるが、1つだけ話したい。
1921年、ワシントン海軍軍縮会議に日本も出た。当時世界の大帝国だったイギリスと、新興国として急速に力をつけてきたアメリカが、東洋でなんだかよく分からないが勢いの良い国、日本の勢いを止めるにはどうしたらいいかとの発想で開かれた。(中略)
これがその後1941年、日本がアメリカと戦争に入っていくプレリュードだった。見えないかたちで静かに着実に。米中の動きをどのように読み取るかは死活問題だ。賢い政治家は、日本の国益を思い、日本の運命を自分のものと重ねて確かなものにしなければならないという祖国愛を持っている人は、この歴史に学ばなければならない。
【中国に要注意】
アメリカはいまどのようになっているか。これがまず日本に求められる第一のことだ。アメリカを伝えるメディアは必ずしも全体像を伝えているとは限らない。アメリカが意図しているものを示す報道が日本は少ない。自民党のメンバーとして日本を支えていこうという気概をもっているみなさんには、きちんとした情報を読み取ってアメリカで起きていることを理解してほしい。
ブッシュが中間選挙に負け両院で半数を失ったとか、イラクの展望が見えてこないと言うことぐらいしか考えていないが、あのアメリカは恐るべき国だ。本当に怖い国でもある。同盟国としての信頼をつなぎとめている間はいいが、そうでないときには、たびたび歴史の上で彼らがしてきたように、手ひどいしっぺ返しが日本に与えうる国でもある。だからこそアメリカがいま何を目指しているか。
トランスフォーメーションだ。米軍再編。テロ攻撃された時以来、ラムズフェルドが考え、ブッシュ政権が推進してきたことだ。これからの安保は国家と国家の戦いの中で考えるよりは、テロリストたちとの戦いの中でこそ考えなければならないという発想から、アメリカの軍事力をもう一回配備し直すという発想だ。
いままではソ連、中国を想定していた。ドイツに大きな基地をもっていたが、テロリスト相手では、それでは間に合わない。大きな基地を持つことをやめて機動的な小さい基地をいろんなところにたくさん作ろうと言うことで、ドイツの基地を大幅に削減し、東欧など世界各地に小さい基地を設けた。
沖縄から海兵隊が8000人グアムに引き上げる。なぜか。沖縄の方たちが米軍基地を頼んだからか。反戦平和運動の人たちがアメリカ出て行けといったからか。そうではない。もしそうだったら、とっくの昔にアメリカは沖縄の基地を縮小している。これは米軍再編の中で起きていると言うことをまず認識しよう。
韓国も同じだ。盧武鉉はどうもよく分からない人物だ。北朝鮮にコミットしすぎている。盧武鉉がアメリカ出て行け、学生も言うから、アメリカは乗った。38度線から米軍を南に下げよう、北のミサイルでアメリカが犠牲にならないところまでということで下げた。有事のときは、戦時指揮権を韓国と米国が一緒にやることになっているが、韓国は2010年までに返してほしいといってきた。アメリカは3年前倒しした。韓国の心ある人たちは米軍撤退の動きを本当に心配している。韓国軍の力だけで、北朝鮮、その後ろに控える中露と対峙していくことができるか心配だと。米はおかまいなしにドンドン撤退の動きを見せている。これもTFの中で起きている。そんなことも知らないで出て行けと行っているから、アメリカは日本からも引き揚げる、ただし引っ越し費用出してねと。こんなこと言わなければ、アメリカは費用出してと言わなかったかもしれない。
【だから集団的自衛権容認明言を】
これからアジアは大きく変わっていく。アメリカが定義した不安定の弧。これに対処するための米軍再編が行われ、多くの米兵が本土に戻りつつある。規模も少なくなり、軍事的空白とまではいわないが、米兵がまばらになっていく。これを日本は、どうとらえたらいいのか。中国はどうみて、どう動いているか、ロシアはどうかまで目配りしないといけない。
アメリカは、まばらになったところで日本に期待していることは、アメリカの補完勢力になってともにアジアの安定に貢献してほしいと。日本は軍国主義に戻るのかと中国や韓国あたりが言うかもしれないが、彼らにはいわせておこう。なぜなら中国はアメリカが手を引いたところにすっと入り込んで行っている。
アフリカがそうだ。昨年11月、中国は北京で48カ国ぐらいのアフリカ諸国首脳が集まった。スーダンの大統領もいた。ダルフールで住民が虐殺されたスーダンの。米欧もスーダンを批判し援助引き上げた。そしたらすっと中国が入っていく。スーダン政府に大量の武器を売却し、見返りにスーダン産出の石油の7割を買い付ける権利を得て、内政干渉はしないというだけだ。つまりどんな虐殺事件が起きても見ないといっているわけだ。これを米欧もよしとは思っていない。もちろん日本も。
安倍総理は人権外交を言った。法の支配、自由の保障、民主主義を言った。この4つの価値観すべて否定されている。でも中国は内政干渉しないと。イランもそうだ。核兵器開発の準備をしていることが見え見えなのに、国連で非難決議しようとしても中露はいつも反対してきた。昨年12月、ようやく制裁決議が通ったが、中露は根底から骨抜きにした。義務規定がなくなったわけだから。名前だけの決議だ。どこの国も拘束されない。中国はイランを守る姿勢を示した。2004年からずっとこの姿勢を保ってきた。
その結果何が起きたか。日本はアサデガン石油を一緒に開発すると一生懸命やっていたのに、ほとんど日本の権利をとられ、中国に行くかもしれない。中国は大きな油田を次から次へと買い付ける権利をもらっている。アメリカとの対立を深めるイランが頼るのが中国だ。ここも米がひいたところに中国がすっと入ってきた。
北朝鮮も同じだ。南米のベネズエラ、反米でならしている大統領がいるところ。アメリカが不安定の弧の中で、引いていったところに全部といっていいくらい中国が入っている。アメリカはそういう事態をみたくないから、日本にアジア地域でがんばってと言っている。そこに自衛隊を送ってくれと言うのではなく、日本がそこでアメリカとともに同じ価値観を共有する国家として、どのようなことができるかを示してほしいと。その第一が集団的自衛権を行使できるようにしてほしいということだ。
集団的自衛権が行使できない国が世界にいくつあるか。新聞をみると何かおどろおどろしいことが書いてある。これを認めると、すぐにでも日本がどこかの国で闘うというイメージで報道されることがなきにしもあらずだ。国連はすべての加盟国に認めている権利だ。わが国ももちろん認められている。
しかし、わが国には内閣法制局という訳の分からない人たちがいる。政治家は国民の代表だ。政治家がどのように政治解釈するというなら分かるが、憲法裁判所のないわが国で、内閣法制局がほぼ根拠のない力をもって、わが国に集団的自衛権はあるが、行使することができないと。これは論理矛盾だ。
権利があるのに行使できないということは権利がないということだ。地球上でたった一カ国、集団的自衛権がないといっているに等しい。何故かと問わなければならない。ごくふつうの民主主義国として戦後60年の歩みをみればわが国ほど誠実な歩みを続けてきた国はないにもかかわらず、集団的自衛権が未だに許されていない状況はおかしくないかという問題提起が米軍再編の中からも見えてくる。
アメリカがつくる作戦変更で生じているまばらな空間を日本が積極的に、政治的に埋めていかなければならない。1つは集団的自衛権を認める、安倍総理がそれを決断すればいい。決断することは非常に大きな力をもつ。それによってわが国が何かおどろおどろしい動きをするのでは決してない。通常の、正常な国家としての歩みを歩み出すという政治的決意の表明が、集団的自衛権は呼応しできるという立場を表明することだ。なぜ日本がそのようなことをしなければならないか。それを理解するためには中国の動きをみなければならない。
【いまも恐るべし中国】
私たちは中国と歴史的に近い関係を築いてきた。その中で私たちは大きな幻想を抱いてきた。まず中国はどのような国か考えてみよう。いまの中国は1949年の建国だ。毛沢東、周恩来の希代の戦略家がつくった国だ。何を国家の大目標に定めたか。毛沢東は建国と同時に国家の最大目標を軍事大国になることと定めた。建国して2年ちょっとの1951年に、ただの軍事大国ではダメだ、核大国にならなければならないと決めた。
日本ではいま、閣僚の中でも非核三原則について論じてはならないというあほらしいことをいう方がいる。あえて名前は言わない、けれども隣の中国は建国の当初から、核大国になることを国是としてきた。毛沢東は言葉だけでなく最大限の努力で実行してきた。そのためには、いかなる犠牲もいとわない姿勢をとってきた。
どれくらいこだわってきたか。1957年、フルシチョフと毛沢東による中ソ会談。フルシチョフはアメリカに先駆け宇宙衛星を飛ばし、大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功した。米本土を攻撃できると鼻高々のフルシチョフ。アメリカを軍事的に追い抜いた。経済も追い抜き文字通り世界一の超大国になると。すると毛は、それは心得違いだ、いまがたった一度のチャンスだから、米に核戦争を仕掛けようといった。いまなら米を核でつぶすことができるからやろうと。
フルシチョフはダメだ、アメリカも核をもっているから、先に攻撃しても向こうも応戦して核戦争に陥り多くの犠牲が出ると。すると毛は烈火のごとく怒った。フルシチョフを軟弱だとなじった。いいじゃないか、犠牲が出ても。わが国には6億の民がいる、その半分が核戦争で死んでもいい、生き残った3億人が30年もしたら6億にも7億になるからいい、いまやろうと。フルシチョフはびっくりして、まともな人じゃないと。そこから亀裂が始まった。
そのとき毛は決意した。ソ連に頼っていられない、修正主義者はダメだということで独力で核開発へ。ものすごく貧しかったのに、毛は、たとえ国民が飢えて死んでもわが国は核大国になる。パンツはくことができなくても核大国になると。
日本で安倍さんがそういったら、その瞬間に政治生命がなくなるが、中国は一党独裁の国だから、こんなことをいった毛沢東は死ぬまで偉大なる指導者として尊敬された。中国は見事にやりとげた。1964年に核実験成功。北の核どころではない、本当の核をつくった。その後、日本全部を射程距離に入るミサイルも開発。日本との国柄の違いを認識しないと。大躍進政策で4000万人の農民が死に追いやられた。文化大革命で1000万人の知識階層が死に追いやられた。どんなことがあっても軍事大国、核大国になるための予算、人材を確保して邁進してきた。そしてこんにちの中国がある。こんにちの中国はただの核大国ではない。宇宙、海洋にも目を向けた。
日本人は中国は大陸国家だという認識だが、彼らはとっくの昔、約30年前に中国は海洋国家だと自己定義している。積極的に海に出て、深く高い活用をしないと21世紀の超大国になれないと。東シナ海で我が物顔で振る舞っている姿からも想像できる。(中略)
専門家によっていろいろな見方があるが、2020年頃には中国はいよいよ台湾をとりにくるだろうとみられている。そうでないという人もいるが、長年中国を観察してきた平松茂雄先生が70年代から言ってきたことはことごとく当たっている。彼の警告をメディアも政治家もほとんど聞いてこなかった。東シナ海の問題をいち早く孤軍奮闘で指摘していた。あと十数年しかない。中国は着々と軍事力増強している。
【中国の微笑外交】
日本にとって今年と来年、とても怖いのは中国の軍事力だけでない。アメリカが不安定の弧から引いていく空白を日本がなんとしてでも埋めなければならないということとつながってくるが、中国は軍事力を増強しながら世界各地に手を伸ばすと同時に外交的にはまったく違う政策をとりはじめている。微笑外交に転換するだろうと思われる。
安倍総理が10月に中国を訪問した。どういう条件でいったか。小泉総理のときは中国はかたくなに言った。靖国神社に参拝しないと約束しなければ首脳会談してやらないよという態度だった。小泉さんは一生懸命、それでもなんとか中国と折り合いをつけようと8月13日に行ったり、4月、1月に行ったり迷った。でもいつ行っても同じだと言うことが分かって、最後に8月15日に行かれた。中国は烈火のごとく怒った。
で、安倍総理にも同じことをするかと思ったら、安倍総理はあいまいにしたまま中国を訪問した。安倍総理が参院選(総裁選の間違い?)の前に靖国神社にお参りをするかしないかを曖昧にしたのは極めて賢い選択だった。テレビで私は正しい道だったといった。あのとき、参院選(同)で行くか行かないということばっかりが問題にされているような感じがした。政治的にそんなところに焦点を持っていくのはおかしいと思ったから、国内政治をみてそのことを曖昧になさったのはよろしかったと思う。
けれども、今は少しく事情が変わったという認識だ。中国は何故に安倍総理を、小泉総理とは違う対応で迎えたのか。彼らは学習した。非常に賢い国だ。過去の事例を研究し、どこで自分たちが間違えたのか成功したのか検証する。小泉総理の5年間、いくら強い態度に出ても日本は言うことを聞かなかった。それに対して日本国民が中国と同調路線をとるかと思ったが、だんだん中国が嫌いになってしまった。内閣府の世論調査をみると明らかだ。5年前の調査ではだいたい7割の国民が中国に好感をもっていたが、いまは7割の人が、中国ってあまり好きじゃないといっている。どうも我々の強硬路線は間違っていたんだな、ということに彼らは気づいた。そこで柔軟路線に転じた。
柔軟路線に転じることは中国にとっても多くのメリットがある。中国は日本に微笑外交を展開することによって、まず日本国民の友情を再び勝ち取ろうと考えている。そしてまた微笑外交を展開することによって、国際社会によりよいイメージを広げていこうと考えている。ニューヨークタイムズでさえ、日本も悪いが、靖国問題を中国が利用しているのではないかというところまで彼らも理解するところまできた。アメリカのリベラルな新聞に対しても、中国の微笑み外交への転換はよい印象を与えるだろう。
中国は常任理事国の1つで、北京五輪、上海万博を控え、中国の経済をみると世界中の資本と技術を必要とする。これが日本と決定的に違うところだ。日本は自らの資本と自らの技術で、このすばらしい経済を発展させてきたが、中国はほとんど借り物だ。彼らが提供できるのは安い労働力だけだ。水もない。電気もない。中国はなんとしてでもいまの経済成長を続けるためには世界の協力が必要で、そのためには国際社会が白い目で見るようなことは、なるべくしないほうがいい。
そこで中国は、ある意味常識ある国家に変身を遂げていくふりをするだろう。心から変わるわけではない。政治的に国際社会に対して変わるだけの話で、国内では農民への弾圧は続くだろうし、法の支配は徹底せず、汚職はこれからも続くだろうし、さまざまな思想信条を異にする法輪功の皆さん方への弾圧も続くだろうから、本当の意味で中国が民主主義の国家になるとは当面思えない。
しかし、国際社会に対しては常識的な国家のふりをする。その兆候はすでに出てきている。北朝鮮に対して彼らは制裁に一応同調した。紆余曲折はあったが、最終的には。いままでの中国から考えると本当に驚くべき変化だ。イランに対しても制裁に反対し続けてきたが、去年12月にイランへの制裁に一応参加した。もちろん中身は骨抜きだが。国際社会に対し、PKOにもものすごく熱心だ。
中国は国際社会に対するイメージをドンドンよくしていくだろうなと考える。このとき日本はとても大きな問題に直面する。中国がガンガン強面でやってくれているほうが日本としてはむしろやりやすい。しかし中国が日本国民に微笑外交を展開し、国際社会に対してものすごく柔軟で物わかりのよい国家のイメージをふりまくとき、日本は道義的に中国に劣るのではないかという立場に立たされていく。しかもそのからくりを中国はずっと展開してきた。
米欧における中国系の皆様の団体に対し、陰に陽に中国政府から援助のお金や知恵が回っていて、彼らがそれぞれの国で、日本の慰安婦の問題や靖国神社、遊就館の問題や、今年は南京事件から70周年だが、米国では南京事件があのアイリス・チャンという人が書いた、多くの根源的な間違いを含んでいる本の内容に沿ったかたちで映画が製作されていく。こうしたことについて中国は国運をかけてものすごい広報、情報戦をやっている。その結果、いま見えてくる構図は、中国政府自身は大変な物わかりがよく、微笑外交で日米欧に接しながら、水面下で働き掛けて、ほかの団体が国際社会で日本を道義的に貶めていく、批判していくという構図になっている。
【安倍首相は靖国参拝を、中曽根の二の舞になるな】
それに対して日本はどのようにすべきか。2つのことをしなければならない。1つは安倍総理が行っている年来の主張、集団的自衛権をちゃんと行使する、憲法をきちんと改正することによってわが国もまた責任ある、自立ある国家として誇りある外交をする。侮られる国家ではないということを実践していくことだ。これは安倍総理がすでに欧州で言ったことだ。それを非常に高く評価している。
もう一つもすでに安倍総理が言っている。4つの価値観、民主主義、人権を擁護する、自由を保障する、法の支配を尊重する。これを日本は戦後60年間守ってきたし、これからも守るし、その価値観をアジア、世界に広げていく先頭に立つんだという決意を語ったと思うが、そうしたことをもっともっと力を入れて行うことだと思う。
そうしたときに現実に今まで日本と中国がやってきたこと、安倍総理が靖国神社に行かれるのかどうかについて曖昧にしてきたこと、また外務省当局には今年安倍総理が靖国神社に参拝しなくても言いように、日中首脳会談を断続的に行うという考えがあると聞いている。日中首脳会談の前には安倍総理は靖国神社に行かない、その直後にも行かないというふうに考えてくださっていいという話があったやに聞いている。
だから温家宝首相が4月に来る。春の例大祭。胡錦濤さんも今年日本を訪問する。時期がいつかは知らない。中国はまた、安倍総理を中国においでくださいと招待している。そうすると春と夏と秋とちょうど、もしそのように配分すれば、私が間違っていることを期待するが、もしそのようになれば、日本外務省が考えているように、いろんな理屈がつけられて、国民の前に参拝をしなくても総理が批判をされないような政治的状況というのが出てくる。これは今年1年の問題を解決してくれるかもしれないが、日本の将来を見るときには大変な間違いだ。
自民党本部に来てこんなことを言うのは申し訳ないが、中曽根さんの二の舞をふんではならないと私は考えている。安倍総理は今年、そのような小手先の技術によって靖国参拝を避けてはならないのか。それこそが中国が言う、あなたの国は戦争で何をしたのか、加害者だったでしょ、悪い国だったでしょ、侵略国家だったでしょ、だから靖国はいけないんですよということを受け入れることになるからだ。戦争というのは互いにさまざまな事情があって起きるものだ。日本一国が悪くて起きるのでは、断じてない(拍手)。私たちは歴史を学んで、そのことをしっかりと冷静に理論的に話せるようになっていかなければならない。
中国が微笑外交の影で、他国の支持を中国に引きつけ、国際社会で日本を道義的に貶めることが想像される今年、南京事件から70周年の今年、日本はかつてないほどに冷静になって、歴史というものをきちんと説いて、それを語って、日本の立場を主張して、そしてそれを外交に反映させていかなければ、これから1世紀の間、悔いを残すだろう。
中曽根総理は1985年の参拝の後、中国に批判されて参拝をやめて、いまはA級戦犯と言われる方々の分祀を主張し、中国と同一歩調をとっている。私はいまの安倍晋三総理大臣に、そのようになってほしいとは思わない。そしてこの自民党の皆さん方にも、日本を愛するならば、そのような政党には絶対になっていただきたくない(拍手)。
どうぞこうしたことを胸に刻んで日本のためにいい政治をなさっていただきたい。私はそのようにみなさんが努めるときに、自ずと多くの問題は解決されていくだろうと信じている。国民は非常に賢い存在だ。小手先の技術で問題を解決しようとしているのかどうか、すぐに見破ってしまう。小手先の問題解決なんて、ふっと吹けば吹き飛んじゃう。そんな軽い存在にならないでほしい。一緒に、私たちの世代のみならず、次の世代のためにも、この国が本当に美しく愛しくすばらしい国であるということを若い人たちに伝えていく役割を果たしたいと思う。ともにがんばりましょう。(了)》
いやあ、本当に桜井さんはさすがですね。この講演を自民党員だけに聞かせるのはもったいない。私は拉致問題や皇室典範問題などの集会で桜井さんのあいさつを聞いていると、まじめな話、涙が出そうになることがよくあります。
かつて小渕元首相が桜井さんに環境庁長官として入閣してくれないかと誘い、断られたことがありましたが、確かに彼女を発言が不自由となる閣僚なんかにしてはもったいないと思います。桜井さんが出席した座談会などを聞いていても、「この人と議論して勝てる人はいるのだろうか」と思うほどです。
また、講演全体が素晴らしいのですが、特に米国と中国の世界戦略上の意図については鋭い指摘だと思います。こうした待ったなしの状況下で、どうも久間章生・初代防衛相が頼りなく、不規則発言を繰り返しているのが気になります。
久間氏は就任後、日本政府は正式にイラク戦争を支持していないだの、日本上空を飛んで米国に向かうミサイルは撃ち落とせないだの、日米で合意している沖縄・名護沖のV字飛行場設置案は見直すだの…米国をかんかんに怒らせる発言ばかり繰り返しています。これに対し、米大使館では「久間は小泉政権での田中真紀子外相ではないか」と言われているそうです。防衛省幹部からも「大臣にはもう辞めてもらいたい」という声が聞こえてきます。
安全保障問題に詳しく、以前にも防衛庁長官経験がある久間氏が、どうして今のようになったのかは、関係者が首をひねる「謎」なのですが、安倍首相には、参院選後の内閣改造時には久間氏を交替させ、石破茂氏を起用することを勧めたいと思います。桜井さんの講演から話がずれてしまいましたが。
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