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歴史を変えた前屈運動=与良正男(論説室)
一つのパフォーマンスが政治を大きく変えることがある。思えばあれが走りだったかもしれぬ。
91年春の東京都知事選。時の自民党幹事長・小沢一郎氏が公明、民社両党と組んでNHKキャスターだった磯村尚徳氏を立てたのに対し、自民党都連が反旗を翻して現職の鈴木俊一氏を推し分裂した選挙だ。
鈴木氏は当時80歳。当初は「高齢・多選・豪華庁舎」の3点セットで不利とされた。ところが、ある集会の壇上で、鈴木氏が都連幹部にうながされ、ひざを伸ばしたまま前屈し、両手を床につけてみせたら会場は拍手喝さい。これが何度もテレビで放映されて、「体も柔らかくまだまだ元気なお年寄りを若い剛腕幹事長がいじめている」という構図がすっかりでき上がった。
結果は鈴木氏の圧勝。小沢氏は幹事長を辞め、強引な手法が身内からも批判されて後の離党の遠因となる。そして小沢氏と公明、民社両党との連携は細川政権や新進党結成にもつながった。
ついでに言うと当時、社会党の担当だった私は「鈴木対磯村」の狂騒を横目に、「おたかさん(土井たか子委員長)が出ればいいのに」などとぼやきながら、なかなか決まらぬ同党の候補者選びを細々取材していた。社会党は大学教授を担ぐが惨敗。土井ブームは消し飛び、ここに同党の没落が始まる。
もう16年がたつ。小沢氏が民主党代表に就き、今また都知事選の候補者選びに苦労するというのもめぐり合わせなのだろう。都知事選の重要性は小沢氏も痛いほど承知のはず。早いところ、「民主党は本気だ」と思わせる候補を。
毎日新聞 2007年1月15日 0時01分
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/
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