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原発劣化ウラン 低レベル放射能が世界中に拡散している 【米科学者 ローレン・モレさんに聞く】
http://www.asyura2.com/0505/genpatu3/msg/516.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 12 月 14 日 12:39:47: ogcGl0q1DMbpk
http://www.bund.org/interview/20061205-1.htm
原発劣化ウラン
低レベル放射能が世界中に拡散している
米科学者 ローレン・モレさんに聞く
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ローレン・モレ
(Leuren Moret)
米国の地質学者。国際的な放射能汚染の専門家。カリフォルニア州バークレー市の環境委員。1980年代にローレンス・リバモア核兵器研究所でヤッカマウンテン高レベル核廃棄物貯蔵所プロジェクトに参加。1991年プロジェクトとリバモア研究所の科学的不正を内部告発し話題を呼んだ。
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各国政府や原子力を推進する側の関係者は、放射能は微量であれば人間に影響はないと主張する。しかし一方、微量でも健康に影響があると指摘する研究者が増えている。そのひとりである放射能汚染の専門家ローレン・モレさんに聞いた。
劣化ウランのナノ微粒子が世界中に拡散
――この間の劣化ウラン研究で明らかになったことはありますか。
★私は大気圏内の浮遊塵の動態を4年間研究してきました。その結果、核実験や原発によって放出された放射能の塵が、世界中に拡散していると確信しました。
米国はアメリカ西海岸のネバダ核実験場で1000回以上の核実験をしました。フランスはサハラ砂漠で、中国はゴビ砂漠で核実験をしました。この3箇所の核実験場で発生する砂嵐には放射性物質が大量に含まれており、それが世界中にばらまかれてきたのです。
近年は劣化ウラン兵器の放射能塵が加わりました。劣化ウラン兵器は使用時に燃焼してガス化します。金属はガス化すると微粒子になるのですが、劣化ウランの場合は高温で燃焼するのでほとんどがナノ微粒子になります。ナノ微粒子は粒子径(直径)が1から100ナノメートル(ナノメートルは10億分の1メートル)程度のものを指します。ウイルスと同じないしはそれよりさらに小さいものです。ナノ微粒子となった劣化ウランは浮遊して世界中に拡散します。
このように私は劣化ウランによる放射能の塵が世界中に拡散していると主張してきました。しかし裏付けとなる計測データは何もありませんでした。各国政府は大気中の放射性物質の濃度を計測しているにも関わらず、それを公表せずに隠してきたからです。けれども計測データが今年の3月、イギリスで明らかとなりました。
イギリスにクリス・バズビー博士という科学者がいます。独立系の科学者ですが、イギリス政府の低レベル放射能の委員会やEUの低レベル放射能の委員会に所属しており信頼できる科学者です。そのバズビー博士が、情報公開法によってイギリスの核兵器工場の放射線モニターのデータを公開させたのです。
図1 大気中ウラン濃度測定値(イギリス・オールダーマストン核兵器工場) 図1はその核兵器工場の計測データです。1998年から2003年までのウランの計測値ですが非常に高い値を示している部分があります。2001年のアフガニスタンのトラボラ攻撃の時と、2003年3月のイラク戦争開戦時です。
劣化ウランのナノ微粒子はアフガニスタンやイラクから、7日から9日間でイギリスに到達します。計測値のピークは劣化ウラン兵器の使用状況とぴったり一致します。
トラボラ攻撃の際には放射能の濃度は1000ナノベクレルに到達しています。核兵器工場は原発と同じように放射能漏れをチェックしており、1000ナノベクレルを超えたら政府に報告しなければいけない義務があります。本来ならば警戒しなければいけない値ですが、イラク戦争開戦時にはその2倍の濃度になっています。
バズビーさんの計算によると、モニタリングしているところから130キロ内に住んでいる人は、2週間で230万個の劣化ウラン粒子を吸い込んだことになります。1個の粒子だけでガンを起こせるのですから、その影響の大きさが分かると思います。
日本では1991年以降にガンの死亡率が急激に上昇しています。これは劣化ウラン兵器による放射能の影響と考えられます。劣化ウラン弾による放射能の拡散は、高度3000メートル程度の範囲内で起き、2ヶ月ほどでほとんどが地上に落ちます。中東で使用された劣化ウラン弾の放射能は、砂嵐などで世界中に拡散したのです。
放射能がすい臓に蓄積増加する糖尿病
――劣化ウランなどの低レベル放射能は人体にどんな影響を与えているのですか。
★クリス・バズビー博士を含めた多くの科学者の研究によって、核爆発よりも低レベル放射能のゆっくりとした曝露の方が、生命にとってはダメージが大きいことが分かってきました。最近、注目されているのは糖尿病との関連です。
糖尿病は典型的な生活習慣病とされ、発症が増加したのは食べ物の変化のせいだとされています。しかし実は放射能の影響が非常に大きいのです。
核分裂生成物のひとつにイットリウム90がありますが、これが体内に入るとすい臓に集中します。すい臓は糖尿をおさえるホルモン・インスリンを分泌しており、この機能が被曝することで異常をきたすのです。2ヶ月の被曝で糖尿病になることは、すでに動物実験で確認されています。
専門家は糖尿病と放射能との関連性については1980年代から知っていましたが、データを公開しませんでした。私は糖尿病の発症率を地域ごとにマッピングしました。結果、糖尿病の発症地域と放射性降下物の分布地域とがぴったり一致したのです。
図2 糖尿病発症数および原発稼働率(アメリカ・イリノイ州) 糖尿病の地域別発症率を見ると北アメリカ大陸、旧ソ連地域、日本、オーストラリア、南アフリカあたりが高くなっています。これらの地域では核実験、原発、劣化ウランの影響が大きいと考えられます。アメリカでは特にメキシコ湾岸地域が異常に高くなっていますが、これは中東で使用した劣化ウランの影響だと考えられます。
アメリカの糖尿病は1980年から90年には18%上昇しました。2000年までを見ると137%の上昇です。特に96年から97年に飛躍的に増えています。アメリカ全体でも、ニューヨークでも同様の結果が現れています。糖尿病が上昇した時期は、クリントン大統領がイラクで絨毯爆撃をした時と重なります。
2006年6月11日のアメリカン・ニュース・トゥデイという医学関係者向けの新聞記事は、今後20年間でアメリカ人の糖尿病患者が今の3000万人から2億3000万人に増加すると言っています。アメリカの総人口は3億人ですから、とんでもない数字です。糖尿病の増大はアメリカだけでなく、世界中でも同じように起こるはずです。劣化ウランの塵は世界中に拡散するからです。
私は今年の3月、日本の厚生労働省の人口動態統計を入手して、糖尿病による死亡率の数字をグラフにしてみました。グラフにすると核実験時や劣化ウラン兵器の使用時における上昇がはっきりと分かりました。
私は友人に言いました。「こんなことは誰も言っていないし、信じられないかもしれないが、糖尿病の世界的な流行は放射能と関係しているとしか思えない」。友人はコンピュータに糖尿病と放射能とを入れて検索しました。その結果、250万もヒットしたのです。私は、科学者が放射能と糖尿病の関連性を知っていたはずだと考えて研究を始めました。広島の原爆投下後、日本でも糖尿病が大変増えていますから、専門家は放射能と糖尿病の関係を知っていたはずです。
研究していくとマンハッタン・プロジェクトを実施したローレンス・バークレイ研究所の1963年の内部レポートが、糖尿病と放射能との関連について報告していることが分かりました。糖尿病にかかっている人の血液中の放射性物質を研究していたのです。
この報告を出した研究者を私は知っていましたので、彼の友人を経由して聞いてみました。しかしその研究者は「レポートのことは忘れた。もうコピーもなくした。覚えていない」ということでした。
今、ヨーロッパでも糖尿病は大変増加しています。チェルノブイリからの放射能の影響もあるでしょうが、原発と劣化ウラン兵器の汚染もあるのです。その結果、糖尿病が増加し、医療費が増え、財政は破綻に瀕しています。ヨーロッパ議会の決議案では「糖尿病を防ぐためにもっと健康的なライフ・スタイルに変えましょう」「あなたが悪いのよ。食べるものが悪いからよ」と言っています。しかし本当の理由は食生活ではないのです。
DUと原発が人類をむしばむ
――原発と劣化ウランは非常に深刻な影響を与えているということですね。
★既に地球では2つの秘密の核戦争が始まっているのです。ひとつは原発、もうひとつは劣化ウラン兵器です。
劣化ウラン兵器は1943年にマンハッタン計画の中で開発されました。枯れ葉剤も原爆も同時期に開発されました。その時アメリカの科学者は劣化ウランと枯れ葉剤はひどすぎる兵器だと考えました。でも原爆はまだいいと考えたのです。私も劣化ウランは原爆よりも悪いと思います。かつて私と一緒に核開発に携わった元同僚も同じことを言っていました。
核兵器は上空の高いところで一瞬にして爆発し、放射能は大気圏に広がりながら徐々に減衰していきます。しかし原発や劣化ウラン兵器から放出される低レベル放射能は、その影響が長期間に渡って続きます。
原発からは、毎日新たな核分裂生成物が出てきます。いってみれば毎日、隣で原爆が爆発しているようなものです。原発はゆっくりとした核兵器です。原発が6ヶ月稼動すれば、広島に落とされた原爆と同じ量の放射能が放出されます。
低レベル放射能は脳をダメにし、体の機能を損ないます。遺伝子を傷つけ、それが次の世代に受け継がれていきます。ガンも増えます。
原発の放出する低レベル放射能は日本社会を破壊しています。今の日本では不妊率が非常に高く、健康な赤ちゃんが産まれなくなっています。低体重児もたいへん多い。低体重児は健康に成長できない場合が多いのです。原発は経済面や生産性への影響も含めて、日本という国土を汚染しています。
今後六ヶ所村の核燃料再処理施設がフル稼働すれば、日本に新たな365基の原発を作ったのと同じだけの放射能が出ます。日本での放射能汚染はさらに広がります。
このような危険な原発を日本に作ることを誰が了解したのでしょうか。中曽根元首相が若い時に了解したという話があります。しかし私は、政府の人たちが知らない陰の動きがあると考えます。諜報機関と彼らが一緒に働いているのではないでしょうか。これは自分の国を裏切っている行為にほかなりません。
原発・劣化ウランという2つの核戦争の背後にはロンドン・マネー・パワーがあります。ロンドン・マネー・パワーとはロンドンを中心に活動する大富豪の銀行家たちです。彼等は表舞台には絶対に出ないのですが、一番利益を得ている人たちです。
ロンドン・マネー・パワーにとって、日本が中国・韓国・インドと緊密に協力して経済圏を築くことは大変な脅威です。それを防ぐために日本に原発を作って、日本人をだめにしてしまおうとしているのです。
私は「中東の戦場から英国の空気で計測される劣化ウラン」という記事をインターネットに掲載していますが、その記事には「クイーンズ・デス・スター」というタイトルをつけています(http://www.mindfully.org/Nucs/2006/DU-Europe-Moret26feb06.htm)。クイーンというのはエリザベス女王です。デス・スター(死の星)というのは、エリザベス女王を中心とするロイヤル・ファミリーが世界のほとんどのウラン鉱山を所有していることを意味します。このウラン鉱山を経営しているのはロスチャイルドです。
ロンドン・マネー・パワーの意向に添って、ブッシュとチェイニーがインド、中国、韓国、日本に一生懸命原発を売り込んでいます。オーストラリアのジョン・ハワード首相はウランを売り込んでいます。
一方、劣化ウランは中東で使用されています。現在はイラクとアフガニスタンです。イラクとアフガニスタンを中心に劣化ウランの影響が強く出る1000キロの円を描くと、2つの円が重なるところにイランとロシアの産油地帯があります。このようにして石油を狙ったもう一つの核戦争が始まっているのです。
日本は脱原発を真剣に考えたら良いのでは
――日本では北朝鮮の核実験を契機に、核武装の議論も出ていますが。
★1968年のワシントン・ポストの記事は、「日本は原爆の製造能力を持っている」と書いています。核兵器開発計画の研究は大阪大学で秘密にやっています。安倍政権がその成果をみなさんに紹介するでしょう。北朝鮮の核実験は問題ではありません。恐喝しているだけです。
今、日本にとって必要なことは、第一に既存の原発を天然ガス発電所に変えることです。タービンなどの施設はそのまま利用して、熱源を原子力から天然ガスに変えるだけでいいのです。非常に簡単で非常に安価です。
第二にすべての町や村が、自分達で自身の電力会社を持つことです。岩手県葛巻町ではすべてのエネルギーを自然エネルギーでまかなっています。人口8000人の小さな自治体ですが、バイオマス、太陽光、風力によって町が消費する電力の1・8倍をつくり、余剰分を販売しています。こうしたことが非常に重要です。
(インタビューの際、通訳をきくちゆみさんにお願いしました)
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http://www.bund.org/interview/20061205-1.htm