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パワハラ?バス運転手自殺 名古屋市、事実関係調査へ(中日新聞)
2008年1月11日 夕刊
名古屋市交通局の野並営業所の男性バス運転手=当時(37)=が昨年6月上旬、ガソリンをかぶり、焼身自殺していたことが分かった。遺族によると、男性は生前に職場でのパワーハラスメントを示唆する文書をパソコン上に残しており、市は文書を確認後、事実関係の徹底調査を急ぐとしている。
市交通局によると、男性は昨年6月13日昼ごろ、同市緑区大高町の伊勢湾岸自動車道の高架下で焼身自殺を図り、通行人に発見されたが、14日朝、熱傷性ショックで死亡した。市は直後に、営業所の同僚ら約40人から聞き取りしたが、動機は分からなかった。
この間、男性の父親から「息子に何が起こったのかを知りたい」とする文書が市に届いたが、遺書などはなく、市は「思い当たる節がない」などと返答。ところが今月に入り、遺族とのやりとりから、パワハラを訴える文書の存在を知った。
遺族によると、文書は2通で、昨年2月と5月にそれぞれ作成した形跡がある「上申書」と「進退願」。呼吸器系が弱く、声が小さいことを相当に気にかけていた様子で「『葬式』呼ばわりされた」「お客さまに『聞こえました』と言えば『ばかにしているのか』と言われ、火に油です」「不当な差別、パワーハラスメント・いじめであり、黙っていてはエスカレートする」などと書かれていた。
上申書、進退願ともに実際に本人から職場には提出されていなかった。市交通局は11日午後に遺族宅を訪れ、文書を確認するとしている。
市交通局によると、男性は2001年の採用で運転手歴は6年余。おとなしいタイプで仕事はまじめ、休み時間は1人でいることが多かった。
自殺との因果関係は分からないが、男性は自殺する前日の午後、昨年5月下旬の運転時に、バス内で高齢の女性が転倒して打撲した事故で、昭和署の事情聴取を受けた。ただ、女性はその日に被害届を取り下げ、その事実は、男性にも伝えられていた。
男性の父親(67)は「上申書や進退願は、息子の思いが書かれた遺書のようなもの。いじめの話などうそでは書けない内容で、ショックだった。息子の無念を晴らすためにも真実が知りたい。市には、何があったのか事実くらいは調べてほしかった」と話している。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008011102078754.html