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□<ホールインワン>うそつき男、保険金100万円詐取 大阪 [毎日新聞]
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<ホールインワン>うそつき男、保険金100万円詐取 大阪
8月12日3時6分配信 毎日新聞
ホールインワンを偽装してゴルファー保険金100万円をだまし取ったとして、大阪府松原市内の男が逮捕、起訴されたことが分かった。捜査の端緒は、府警住之江署の刑事にかかった1本の謎の電話だった。「紳士のスポーツ」だけに被害者となった大手損害保険会社は、ウソにはまったく気付かなかった。同社は「完全にだまされた」と嘆いている。
詐欺罪で起訴されたのは、自動車販売業を営む松本修一被告(58)。起訴状などによると、松本被告は05年9月、奈良県内のゴルフ場でプレーし、ホールインワンを達成したとして、同年11月、損保に証明書を提出。100万円をだまし取った。
ゴルファー保険は、プレー中のけがや用具の破損・盗難、ホールインワンやアルバトロス達成時の祝賀費用補償のため、損保各社が販売。年間保険料は年間5000円程度〜2万円程度で、ゴルファーの4人に1人が加入しているとされる。
松本被告は、証明書に必要な同伴競技者の署名を自分で記入。ゴルフ場関係者の署名欄には、ゴルフ場の取締役に「迷惑をかけないから」と頼み込んでサインさせた。なじみの飲食店で祝賀会を開いたことにして偽の領収書を切ってもらい、証明書に添付。損保が審査のため電話した同伴競技者は、口裏を合わせた別人だったとみられる。
松本被告はだまし取った100万円を遊興費などに使い、完全犯罪は成功したかに思われた。しかし今年3月29日、暴力担当の刑事を指名する1本の電話が住之江署に入り、事態は急展開した。
「松本修一のホールインワンはウソや。わしの名前は口が裂けても言えん」。電話をきっかけに同署が捜査し6月14日に逮捕。今月7日に大阪地裁であった初公判では、松本被告は起訴事実を「その通りです」と神妙な表情で認めた。
同様の詐欺事件は、これまで熊本県(04年)や秋田県(99年)であったほか、韓国でも数年前、キャディーが目をそらしたすきに、手でカップインさせてホールインワンを装った4人組が摘発されている。
ホールインワンは、1万ラウンドに1回の確率とされ、ゴルファーなら一度は夢みる快挙。
今回被害に遭った大手損保は「警察の証明に基づく交通事故の保険金と異なり、仲間で口裏を合わせられると見抜くのは難しい。新たな確認方法を考えなければ」と話している。【川辺康広】
最終更新:8月12日3時8分