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http://www.asahi.com/national/update/0618/TKY200706180339.html
緒方元長官「乗せられた」 総連本部売却で会見
2007年06月18日22時40分
朝鮮中央会館の「売却」問題で、差し押さえを防ぐための「仮装取引」を疑われている公安調査庁元長官の緒方重威(しげたけ)弁護士(73)と日本弁護士連合会元会長の土屋公献弁護士(84)は18日、それぞれ記者会見を開いて取引の経緯を説明した。法曹界で地位を築いた2人だが、説明を尽くせば尽くすほど、身元不明の人物の「口約束」を信じ込んだ脇の甘さが鮮明になってきた。
●出資者の素性確かめず
5月26日午後、緒方氏は東京駅構内の喫茶店で40歳代ぐらいの小柄な人物と1時間ほど会った。
土屋氏の依頼で、中央会館を35億円で買うための出資者を探していたとき、売却交渉の仲介役だった不動産会社の元社長(73)を通じて、元銀行員(42)から紹介を受けた人物だった。
精悍(せいかん)な顔つきだった。「私は高校時代に米国に行き、人種差別で迫害を受けたので弱者についてはよくわかります。お金は大丈夫です」。海外で60億円規模の資金運用をしていると説明し、米国の永住権を持っているなどとも付け加えた。
「自分と波長が合う」。緒方氏はそう思い、土屋氏に「出資者を確保できそうだ」との連絡を入れた。
土屋氏は喜んだ。出資者がどのような人かは「土地やビルを買ってもらう側なので、出資者の素性については根掘り葉掘り聞かなかった」。
もっとも、不審な点もあった。緒方氏が名刺をもらおうとしたとき「旅行先から来たので持ち合わせていない」と断られた。資金運用しているファンドの詳細についても明らかにはされなかった。
結局、最後の日までにカネは振り込まれなかった。「うかつと言われるかもしれないが(検察官が)被疑者を調べるわけじゃありませんから」と緒方氏は言った。
●総連、仲介元社長に4億円
6月11日夕、朝鮮総連の許宗萬(ホ・ジョンマン)責任副議長(72)が緒方氏の事務所を訪ねてきた。「仲介役の元社長に4億円余と緒方氏への謝礼金1000万円を渡した」と許氏は説明したという。
「寝耳に水でびっくりした」。緒方氏が確認したところ、元社長は「あとで緒方先生に渡すつもりだった」と釈明した。
もともと緒方氏は、元社長が98年に強制執行妨害容疑で逮捕された際に弁護人を引き受けてから親交があった。「(元社長は)単なる土地転がしではなく、正義感を持っている」。家族ぐるみの付き合いが始まり、金融機関から借金の返済を求められた元社長の自宅を、緒方氏の親族会社が買い取ったこともあった。
関係者によると、元社長に渡った4億円余には元社長の仲介手数料約1億円が含まれていたという。
「元社長に疑念を抱くことがなかったのか」と記者団に問われると、緒方氏はぶぜんとして言った。「元社長を信頼していたが、僕の知らないこともある」
朝鮮総連を調査対象にする公安調査庁の元トップがなぜ、総連の取引に関与したのか。
「私は総連が問題を起こす組織ではないとは思っていない。公安調査庁や警察がウオッチするのは当然だが、北朝鮮を祖国と思っている在日朝鮮人の権益を圧迫していいのかとおもんぱかり、私も火中の栗を拾った」。緒方氏はこう説明する。「だまされたとは言いたくないが、乗せられたという表現がいいのかなあ」
土屋氏も「結果論としては失敗だった」と言いつつ、緒方氏を評価する。「経歴もあるし、用心深く行動している」
そして自らについても「私も長い間弁護士をやって信頼されてきたと自負しており、軽率なことはできない」と語った
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070619/jkn070619001.htm
緒方氏「乗せられたのか」 実態は荒唐無稽な口約束
北朝鮮の「大使館」を守るという“大義”の下、取引の実態は荒唐無稽な口約束だった。朝鮮総連中央本部の土地・建物の売買話が白紙に戻った18日、総連側代理人の元日弁連会長、土屋公献弁護士(84)と購入を図った元公安調査庁長官、緒方重威弁護士(73)は取引の経緯を説明したが、司法界の重鎮たちは「世界中に60億の資産がある」という“出資者”の言葉をうのみにし、名刺さえも受け取っていなかった。「乗せられたのか」と緒方氏。混乱の中、東京地検特捜部の捜査は続く。
記者会見した緒方氏の説明によると、今回の取引に関与した人物は、自分以外に弁護士1人を含め計4人。
総連から売買話を持ち込んだのは旧住宅金融専門会社(住専)の大口融資先だった不動産会社の元社長(73)。元社長が9年前に強制執行妨害容疑で逮捕された際、弁護を引き受けたことで緒方氏は知り合った。
購入資金を調達する仕切り役として登場したのは信託銀行元行員(42)。元行員がまず調達先にあげたのが、知り合いの東京都内の弁護士だった。だが、この弁護士からの調達が不可能になると、元行員は「弁護士がだめになった場合に備えて声をかけていた人間がいる」などと言い、知人の投資顧問業者の名を挙げた。
この業者は「海外に60億の自己資金がある」「世界中にいる同志に声をかける」などと緒方氏を説得。だが、5月31日に売却手続きを取った後も、代金が支払われることはなかった。
緒方氏が業者と会ったのは一度だけ。名刺も「持ち合わせてない」ともらえず、具体的な素性やファンドの名前も知らされておらず、出資はあくまでも口約束だった。
不動産会社元社長、元行員、投資顧問業者…。取引に登場した人物について緒方氏は、「今になってみると、すべてよく分からん人物。だまされたとは思いたくないが、乗せられたのかと思う。信用しすぎた、といわれても仕方がない」。正当性を強調し続けたこれまでの会見とは一転し、取引経過の荒唐無稽ぶりを認識したのか、力なく語った。
仮装売買と取られても仕方ないのでは−との質問に緒方氏は、「客観的にはそうかもしれないが、私の認識では違う」と力なく否定した。
一方の土屋氏の説明によると、「緒方元長官側が探した投資家に(自分は)一度も接触したことがないが、極めて信頼に値する有力な人物とのことなので安心した」という。売買の2人の中心人物、しかも司法界の重鎮が投資家の素性などをまったく確認しないまま、登記をしていたことが判明した。
登記移転後の6月1日以降、土屋氏と緒方氏は数回にわたって電話連絡。15日午前には緒方氏から「20億円なら何とかなりそうだ」と連絡があったが、その直後に「10億円」に。夕方には代金は支払われないことが明白になったという。
土屋氏は「緒方氏を信頼していた。脇が甘いと思われるかもしれないが、詳しいことは問いたださなかった」と話した。
(2007/06/19 00:53)