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□プロファイリング捜査の実力…60件連続強姦魔を見事分析 [ZAKZAK]
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_04/t2007041620.html
プロファイリング捜査の実力…60件連続強姦魔を見事分析
京都府警、次の犯行危険地域を推定し逮捕の決め手に
京都府警が約60件の連続強姦魔を逮捕した事件は、犯罪分析官によるプロファイリングが検挙の決め手となった。この分析官は、新たに犯行が行われる危険性の高い地域をピンポイントで推定。推定された犯人像も、極めて実像に近かった。日本でプロファイリングの研究が本格化してから約11年。その驚異の実力度とは。
京都府警が強姦や監禁、わいせつ目的略取などの疑いで逮捕した電気工事業、元木誠之容疑者(24)は約60件の犯行を自供。府警は、プロファイリングが検挙の有効な“武器”になったことを明らかにした。府警も「ビックリした」という大金星を挙げたのは、昨年4月から犯罪情勢分析室に所属したばかりという27歳の分析官だった。
元木容疑者は結果的に、京都府八幡市と隣接する大阪府枚方市にまたがった広範囲な地域で犯行を繰り返していた。ただ、八幡署から分析室に協力要請があった段階で、同署が認知していたのは「八幡市内で起きた12件だけ」(同分析室)だった。
分析官はまず、その12件のうち6件が同一犯の犯行である可能性が極めて高いと選別。6地点のうち、もっとも距離が遠い2点を直径とする円を地図上に描き、円内に犯人の居点があると考える「円仮説」と呼ばれる手法を当てはめた。「地理的重心モデル」などの手法も駆使し、最終的に居点がある疑惑領域半径を約1km圏内に絞り込んだ。
事件が起きた地域や犯人の行動パターンや犯人像を分析。次の犯行が起こる可能性が高い地点を、八幡市内の幹線道路から南に少し入った団地付近と推定した。そこで捜査員が張り込んでいると、元木容疑者の乗った不審車が現れた。
逮捕前に分析官が推定した犯人像は、「単独犯で年齢は20代の男性。有職者で仕事は労務者や工員。独身で親と同居。犯行地域に土地勘があり、居住経験もある。高卒で知的障害はなく、前歴は微罪以外にはない。犯行には車を使用」(同分析室)だったという。
実際に捕まった元木容疑者は疑惑領域内に実家があり、結婚後の住所こそ枚方市に移っていたが、八幡市の実家には頻繁に出入り。妻帯者だったことを除けば極めて推定像に近い人物だった。
事件を解決に導いた分析官は、心理学の専攻で大学院の修士課程を修了後、府警の科学捜査研究所に入った。その後、警察庁の科学警察研究所に派遣されて本格的にプロファイリングの勉強をした後、昨年4月に科捜研研究員との兼務で犯罪情勢分析室に配属されたばかりだった。
日本の捜査当局が「プロファイリングの必要性を痛感したのは宮崎勤(死刑囚)の連続幼女誘拐殺人事件だった」と振り返るのは、科警研で犯罪行動科学部長など務め、今は社会安全研究財団で研究主幹をする渡辺昭一氏。実践のほかに、研究所で後進の育成にも従事してきた日本の第一人者だ。
渡辺氏によると、プロファイリングは犯人を特定する技術ではなく、可能性の高い犯人像や居住地、次に犯行が行われる地域などを絞り込む技術だという。連続の放火事件や性犯罪などで犯人検挙に役立った事例は少なくないという。
渡辺氏は「最近は殺人などで被害者と加害者に日ごろの接点がない事例も増え、従来の刑事の勘だけでは行き詰まるケースも増えている。プロファイリングの必要性はますます高まるでしょう」と語っている。
ZAKZAK 2007/04/16