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□仁和寺寄宿舎放火で元修行僧に無罪 京都地裁判決、犯行断定できず [京都新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070219-00000027-kyt-l26
仁和寺寄宿舎放火で元修行僧に無罪 京都地裁判決、犯行断定できず
2月19日14時27分配信 京都新聞
京都市右京区の仁和寺の修行僧寄宿舎「仁和密教学院」で２００５年６月に起きた放火事件で、現住建造物放火罪に問われた宿舎の元修行僧櫻又英憲被告(28)の判決が１９日、京都地裁であった。上垣猛裁判長は「被告のみが犯行可能とは断定できず、犯人であることに合理的疑いが残る」として、無罪（求刑懲役６年）を言い渡した。
検察側は▽犯行が可能な時間帯に宿舎内にいたのは被告のみ▽消火活動の際に被告が犯人しか知りえない出火場所を指摘▽ポリグラフ（うそ発見器）検査で特異反応−などを挙げて「被告が宿舎内の部屋の押入れにライターなどで火を付けた」と指摘していた。
上垣裁判長は、犯行時間を特定するために京都府警が実施した燃焼の再現実験について「現場の状況と明らかに異なる」などとして信用性を否定した。公判段階でやり直した実験結果を基に犯行時間帯を「火災報知機が鳴る約５分１６秒前」と認定した。
判決によると、被告以外の１０人の修行僧は掃除のために宿舎を離れてから約３分２５秒後に報知器の音を聞いており、上垣裁判長は「被告以外の修行僧による犯行も可能だ」と断定した。
さらに「被告が出火場所を指摘した」と主張する仁和寺関係者の証言について、「かなり慌てており、的確に事実認識していなかった可能性がある」と述べた。ポリグラフ検査は「被告の特異な反応は（消火の際に現場を見たという）疑似体験が原因の可能性もある。一般にポリグラフ検査は発展段階の技術で、その結果のみで有罪と推認できない」と結論付け、検察の主張をすべて退けた。
判決によると、事件は０５年６月１９日午後零時２０分ごろに発生した。居室の押入れのかばんに火が付けられ、仕切り棚など約１・５平方メートルを焼いた。櫻又被告は同年９月に逮捕され、約８カ月後に保釈された。
京都地検の新倉明次席検事は「主張が認められず残念であり、上級庁と協議して適切に対応したい」とコメントした。
最終更新:2月19日14時27分
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