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http://www.bund.org/news/20070205-1.htm
またもやでっち上げ「詐欺」事件
神奈川県警公安3課の無理矢理弾圧は民主主義の破壊だ
エコアクションかながわ
1月23日の早朝5時45分、神奈川県警公安3課は、出勤途中の河内誠さんを「詐欺」容疑で令状逮捕した。と同時に、河内さん宅と他2ヶ所を家宅捜査した。神奈川県警公安3課がデッチ上げたストーリーは、河内さんがルームシェアする人数を偽って賃貸借契約をかわした、これが「詐欺」にあたるというものだ。同種の弾圧としては、2005年2月の大阪府警公安3課によるおおさかエコムーブの3名に対する逮捕事件がある。3名とも釈放されたが、弁護士の内田雅敏さんが『「ビラ配りで逮捕」を考える』(岩波ブックレット)で、この事件を取り上げている。
■「詐欺」にあたるような賃貸借契約違反はなかった
河内さんは、2005年4月から、友人2人とルームシェアリングが可能な物件を探し、不動産会社と契約を結んで、相模原市内の居室に3人で住んでいた。契約時には不動産会社の指示で、河内さんら3名が契約者になり、それぞれの親が連帯保証人となった賃貸借契約書を交わしている。神奈川県警公安3課は、それが詐欺罪にあたるというのだ。
しかし不動産会社いわく。「昨年末に神奈川県警が何度か訪ねてきて、『過激派のアジト』だといった話をされたが、特に迷惑を被っていないので被害届けは出していない。逮捕されたのは契約違反の理由ではないでしょう」。不動産会社と河内さんたちとの間で契約上のことで何も問題がなかったのは明らかだ。そもそも不動産会社に紹介された物件の中から現在の居室を最終的に決めた時、たまたま一人が用事があって出向けず、不動産会社は2人に対して、「もう一人に確認しないで決めていいの」とルームシェアを前提に契約している。どこにも詐欺罪など成立しないのである。
被害届けを警察に出さされたのは家主だった。いわく。「貸している物件は部屋の大きさからいって、2人しか住めないはずだ。契約に違反しているので警察におまかせした」。
弾圧の口実を探していた神奈川県警が、ルームシェアを明記した契約を交わしていることをよく調べもせずに、家主に被害届けを出させたのである。だが契約時、家主は契約書類をみているはずだ。契約は家主との間で行われるのだから。まさに罪刑法定主義もかなぐり捨てた弾圧のための弾圧、過激派とかいって公安予算を獲得するための神奈川県警公安3課のデッチあげ弾圧だ。
契約後、3名の契約者のうち1名が学業などの都合で部屋を使わなくなった。どうもそのことをもって公安3課は詐欺と吹聴しているようだ。しかし仮に、賃貸借契約の条件がかわったとしても、契約当事者との契約解除が行われればそれでいいだけの話だ。契約時からルームシェアは確認しているのだから事務的な手続きなのである。神奈川県警公安3課は血迷っている。部屋を出たのは河内さんではなくAさんなのだ。河内さんを逮捕する理由など何もないのである。河内さんは誰に対しどんな詐欺罪をはたらいたというのか。
あるのは政治的な弾圧だけだ。
■2008年米軍再編をみこした事前弾圧だ
河内さんはエコアクションかながわに所属している。地元で様々な反戦反基地運動に取り組んできた市民グループだ。キャンプ座間への米軍司令部移転計画が報道(2003年)されて以降は、エコアクションかながわは米軍再編に反対する活動を強め、米軍基地への度重なる申し入れ行動や、街頭での宣伝活動をおこなっている。2005年2月には、第1軍団司令部の移設に反対するハンガーストライキを相模大野駅前で1週間行い、地元メディアにも大きく取り上げられた。
あるとしたら、こうした反基地行動を続けるエコアクションかながわに参加する河内さんを、過激派とキャンペーンしたでっち上げ弾圧ということだけだ。2005年10月にも、エコアクションかながわの1名は厚木基地の監視行動に参加していた際に、他2名とともに「正当な理由が無いのに他人の建物に入った」として、住居侵入容疑で現行犯逮捕されたことがある(2日後に処分保留のまま釈放)。
2008年には原子力空母の横須賀母港化や、キャンプ座間への第1軍団移設など、神奈川県内で米軍は大きく再編される。それを前に神奈川県警公安3課は、反基地運動の一翼を担っているエコアクションかながわの市民団体としての行動力をそげ落とそうとしているのだ。
心あるみなさんに訴えます。河内さんは、大学院の修士課程をまもなく終えるところでした。日本の未来を担う前途豊かな青年です。修士論文を提出し、教授との最終面談を迎えようとしていたのです。もし勾留が続けば、前途ある若者の将来も左右されてしまいます。これでも日本は民主主義国家なのでしょうか。あまりにも悪質な作為的弾圧です。みなさんの河内さんの釈放に向けた協力を心から訴えます。神奈川県警公安3課は何の罪も犯していない河内さんをただちに釈放せよ。
【追記】
逮捕された河内さんは1月24日検察に送られ、検察は勾留請求した。しかし横浜地裁裁判官は勾留請求を却下した。これに対し検察が準抗告し河内さんは再勾留されている。地裁が勾留を却下する位だから河内さん逮捕の違法性は余りに明らかだ。
心ある読者のみなさんへ
エコアクションかながわ
横浜地検は河内さんをすぐに釈放せよ!
横浜地検検事は河内さんが1月27日に大学院の修士課程最終面接試験を受けねばならないことを知っています。それをネタに事実無根の詐欺罪を認めよ、認めれば釈放してやるという恫喝を行っています。これは余りにも卑劣な国家権力の横暴です。河内さんの勾留がつづけば、河内さんは修士の学位をとることは困難となります。河内さんには途中休学などがあり、4年のタイムリミットが迫っていて、時間の猶予を持っていません。1月27日午後3時30分よりの教授との面接試験は、修士課程卒業のため彼に残された最後のチャンスなのです。それを承知で神奈川県警公安3課は河内さんだけを逮捕し、勾留しています。一緒に部屋を借りていた他の2名は逮捕もされていません。余りにも意図的な弾圧です。国家権力が前途ある若者の未来を奪おうとしている暴挙なのです。みなさん抗議の声を私たちとともにあげてください。みなさんの協力で河内さんの釈放を何としてもかちとりたいと思います。
神奈川県警は証拠隠滅している
エコアクションかながわ
今回の詐欺事件の核心となるのは、賃貸借契約書の内容です。 河内さんは、友人とルームシェアをする賃貸借契約を結んでいます。それゆえ、河内さん名義の契約書と友人名義の契約書が複数存在しています。
神奈川県警は家宅捜索の際、河内さん名義の契約書を押収しています。目録の番号21には、「賃貸借契約証書 河内様(黄色封筒入りのもの)」が記載されていますが、数量は「1袋」となっています。
河内さんの被逮捕の後、同居人が河内さん以外の賃貸借者の契約書を探しましたが見つかりませんでした。内田雅俊弁護士が接見した際、この旨を河内さんに尋ねると、「押収された袋の中に入っている」と答えました。
そのため内田弁護士が検事に押収品の中身を確認したところ、「河内さんの契約書しかない」との答えが返ってきました。こんな奇妙なことがあるでしょうか? 押収した際、河内さんの契約書はその数量が「1通」ではなく「1袋」と記載されていたのはなぜでしょうか? 河内さんはその袋の中に、他の契約者の契約書も入っていたはずだと主張しています。
さらに不可解なことが続きます。止む無く内田弁護士が不動産屋に赴き、契約書の複写を求めたところ、既に神奈川県警公安3課が「任意の押収物」として持ち去ったと言うのです。押収品目録も書かれていません。
神奈川県警公安3課は、刑事訴訟法も刑事訴訟法規則も無視して、違法な捜索押収を続けているのです。
押収品の目録番号23には、「火災保険証券」がありますが、これも数量が「1袋」となっています。なぜ1通とか1枚ではなく、1袋なのでしょうか? これでは中に他の証券等が入っていても、押収された記録が残りません。
神奈川県警公安3課は、明らかに証拠隠滅をしています。 過去にも神奈川県警はこうした不法行為を繰り返しています。昨年11月以降だけでも、警部補が押収品の現金を着服したり、交番巡査が民家から現金を盗んだりして4名が逮捕されました。
こうした事態を受けて1月神奈川県警は、不祥事予防の担当職員4名を監察官室に増員配置する人事を発令しています。にも関わらず、公安3課は同じ不祥事、違法捜査や証拠隠滅を行っているとしかいえません。
心あるみなさんの、河内さん釈放へ向けた協力を訴えます。
ルームシェアを
過激派のアジトだと言い張る神奈川県警
エコアクションかながわ
すべての心ある市民の皆さん。河内誠さんは不当勾留され続け、結局1月27日の大学院修士課程の最終面接にも出られませんでした。
そうしたなかで神奈川県警公安3課が河内さん逮捕の被疑事実として主張している内容が、勾留状のなかで明らかとなってきています。公安警察は河内さんが友人とルームシェアしていたアパートの賃貸借契約について、次のような理由で詐欺だと主張しているのです。
「同室を同派活動家の活動拠点及び居住アジトとして使用する意図であるのに、その情(ママ)を秘し」、「居住のみに使用する旨虚偽の真実を申し向け」、「同室を同派活動拠点として使用し、賃借権を不正に取得し、もって、人を欺いて財産上不法の利益を得た」。
要するに居住として借りたのに過激派の事務所として使っていたのが詐欺罪にあたると言いたいのです。しかしアルバイトをしながら大学院に通っていた河内さんが、居室を過激派のアジトとして利用していたなどという事実はまったくありません。その証拠に、部屋に事務所を示すような看板などはなく、固定電話さえも設置していません。当然、何かの連絡先にもなっていません。もちろん何らかの営利活動を行っていたわけでもありません。家賃もルームシェアしていた友人と分担して支払っていました。これのどこが「過激派の事務所」なのでしょうか。
そもそも勾留状の冒頭で公安警察は、「被疑者は、極左暴力集団・ブント(BUND)(通称「戦旗・荒派」)の活動家であるが」と記しています。河内さんが居室をアジトとして利用していたという具体的・客観的な証拠など何も提示できないまま、公安警察は「ブント=過激派だから、河内さんの居室=過激派のアジト」というプロパガンダをしているだけなのです。
しかし知ってのとおりブントは既に10年以上前の97年4月にマルクス・レーニン主義を放棄し、環境と人権をテーマに行動するNGO団体への改編をはかり、組織そのものがネットワーク組織となっています。河内さんはエコアクションかながわのメンバーです。一体何十年前の資料に基づき神奈川県警はこんな暴論をほざいているのでしょうか。こんなデタラメな内容を本気で主張している神奈川県警公安3課のインテリジェンスのレベルは、相当に低いと言わざるをえません。
今回の河内さんへの不当逮捕は、憲法第19条「思想・信条の自由」への歪曲した侵害であり、憲法第22条「居住の自由」への侵害そのものです。国民の最も基本的な権利である居住権すら奪うなどという公安警察の暴挙がまかり通れば、日本の民主主義は破壊されてしまいます。
すべての心ある市民の皆さん、河内さんの早期釈放へ向けたご協力をお願いします。
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http://www.bund.org/news/20070205-1.htm