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29歳で教授、まねできぬ発想力 ノーベル賞南部氏【朝日】
http://www.asahi.com/national/update/1007/TKY200810070319.html
2008年10月7日22時42分
ノーベル物理学賞受賞を喜ぶ南部陽一郎(右)、智恵子夫妻=7日午前6時22分、米イリノイ州シカゴ、勝田敏彦撮影
渡米直後の南部陽一郎さん(前列右)。後列左端は02年にノーベル物理学賞を受けた小柴昌俊さん、その隣は65年に故・朝永振一郎博士らと物理学賞を受賞した故・リチャード・ファインマン博士=1953年ごろ、ニューヨーク州ロチェスターで
南部陽一郎教授が授業を持つ阪大で、ノーベル賞受賞の発表をインターネットで見て喜ぶ学生たち=7日夜、大阪府豊中市、小玉重隆撮影
南部陽一郎氏の足跡
【シカゴ=勝田敏彦】南部陽一郎さんが、ノーベル財団とスウェーデン科学アカデミーから受賞の知らせを受けたのは、時差の関係で現地時間7日早朝。シカゴ大に近い自宅で、殺到する報道機関からの電話を受けながら、「大変光栄だと思う。待っていたわけではないし、なぜ今なのかはわからないが、本当にうれしく思うし、驚いた」と淡々と話した。
妻の智恵子さん(87)は、陽一郎さんが電話で「サンキュー、サンキュー、アイム・オナード(名誉に思います)」と言うのを聞いた。「何があったの?」と聞いたら、「ノーベルだよ」と陽一郎さん。「冗談はやめてよ」と智恵子さんは最初、半信半疑だったという。「候補と言われてから長かったので本当にうれしいです」と智恵子さんはしみじみと話した。
◇
シカゴ大名誉教授で大阪市立大名誉教授の南部陽一郎さんは、87歳にしてなお現役の理論物理学者だ。
70年に米国籍を取得。シカゴ在住だが、妻の実家のある大阪府豊中市の家にも年2、3回帰り、約1カ月ずつ滞在する。現在は大阪大の招聘(しょうへい)教授で、大阪滞在中は週2回くらい大阪大に顔を出す。物理学の研究室を拠点に研究を続け、研究会や講演にも引っ張りだこだ。
南部さんは東大にいた49年、発足したばかりの大阪市立大へ助教授として招かれ、翌年には教授になった。弱冠29歳だった。
大阪市大の理工学部は基礎科学に多額の研究予算を割き、全国の旧帝大から俊英を集めた。
南部さんは「素粒子の重さに関する南部の法則」などを次々と発表した。研究室の雰囲気はおおらかで自由だった。南部さんの人柄と研究姿勢を慕い、大阪大など他大学の学生も研究室に出入りしていた。「武者修行」と呼ばれていた。5歳年下で、02年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授も東大に在籍しながら武者修行に行った。
南部さんは、後にノーベル物理学賞を受ける朝永振一郎博士の推薦で52年に渡米したが、天才的な物理学者「NAMBU」の名は米国でもすでに知られていた。