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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080924-00000006-maip-soci
国民の食の信頼を大きく揺るがした米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)に24日、ついに捜査のメスが入った。農薬やカビ毒に汚染された工業米が食用となり、判明している分だけでも全国26都府県の390社・施設に流通。菓子や給食などを通じ、既に多くの汚染米が子供たちやお年寄りの口に入ったとされる。冬木三男社長は問題発覚翌日の記者会見以降、公の場に姿を見せていない。事件は誰が主導したのか。そして行政の責任は。農相の辞任にまで発展した不正転売の闇の解明が始まった。
大阪や九州にある三笠フーズの本社や工場などには、この日朝から、大阪府警の捜査員らが食品衛生法違反容疑などで一斉に家宅捜索に入った。
大阪市北区の大阪駅前第3ビルにある本社では午前8時53分、捜査員ら13人が捜索に着手した。同ビルは大阪・キタの繁華街の一角にあるが、本社はビル12階の1室だけ。今月5日の問題発覚以来、数人の社員が残務処理のために出入りするのみで、この日も、広報担当の元財務担当者ら2人が出社しただけだった。冬木三男社長や他の社員は姿を見せなかった。
午前9時20分ごろ、捜査員約10人が入った三笠フーズ豊中工場(大阪府豊中市二葉町2)も正面シャッターやブラインドが下ろされて、ひっそりとした状態。同工場に勤務していた従業員は既に全員が解雇されており、操業を停止している。
◇元従業員ら「恥ずかしい」
福岡県筑前町の三笠フーズ九州工場でも午前9時前、段ボール箱を持った捜査員ら約40人が工場や事務所に入った。
工場では従業員12人が働いていたが、10日に三笠フーズが全員解雇を通告。12日には福岡県が同工場に営業禁止命令を出した。現在は一部の契約社員による回収作業のみが進められ、この日も朝から出社。捜査員が書類などを押収する様子を、遠巻きに眺めていた。
元同社九州事業部長の男性(63)は工場前で「食を預かる人間として恥ずかしい。これから不正がはっきりしていくだろう。ある意味でほっとしている」と淡々と話した。
捜査本部は実態解明のカギを握るダミー取引の関係業者や転売を提案したとされる宮崎一雄・元九州工場所長(76)の事務所を兼ねる福岡市南区の自宅マンションにも捜索に入った。同じマンションに住む女性は「宮崎さんは体調を崩して入院したと聞いた。今は家にいないのでは」と話していた。
工場出荷後に事故米が直接、運ばれた久留米市田主丸町の米穀卸売会社にも午前9時、捜査車両約10台が到着し、捜査員約50人が事務所に入った。【島田信幸、松尾雅也】
◇「消える」と言い残し
三笠フーズの冬木三男社長は6日の記者会見で、利ざや目的で部下に転売を指示したことを認めて以降、姿を見せていない。同社の元財務担当者によると「最近は元気がなく気落ちした様子」という。
社内ではワンマン社長として知られる。5日、農水省が同社の不正転売を発表した際には、内容を農水省のホームページで確認して青ざめ部下に「ノーコメントでやれ。私は消える」と言い残したという。
関係者によると冬木社長は、知人の会社や総合商社で米穀販売に携わった後、77年に三笠フーズを設立。翌年には関連会社の米穀販売会社「辰之巳」の社長にも就任した。兵庫県宝塚市内の自宅のほか、横浜市内にも投資用とみられるマンション1室を所有。国会議員との付き合いもあった。
高級外車を従業員に運転させて取引先を回り、事故米入札の際には、自らが全国の農水事務所を訪れることも多かったという。従業員の1人は「利益にならなくても(入札に)行った。印象を良くしたかったのだろう」と指摘する。
【稲垣淳】