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愛知の県立学校、タクシーで給与輸送 年、数百万円使用(中日新聞)
2008年7月8日 07時17分
給与の現金支給を希望する教職員のため、愛知県の県立学校がタクシーで金融機関から現金を“輸送”していることが分かった。輸送費用は2007年度、県立学校で使ったタクシー代1100万円の半分程度を占め、県庁全体の7000万円余の1割近くに上った。
県教委によると、県立学校176校の教職員1万2557人の大多数は口座振り込みだが、1校当たりほぼ2人となる344人が現金支給を受けている。教職員全員が振り込みの学校はほとんどない。
県教委は毎月、各学校の銀行口座に現金支給人数分の給与を入金。銀行との距離や金額に関係なく、各学校の担当職員がタクシーで学校と銀行間を往復して運んでいる。
地方公務員法で給与は「通貨で直接、職員に支給」とされており、振り込みに変更するには本人の申告が必要。強制できない以上、県教委総務課は「事故や盗難などの危険性を考えると、安全確保のためタクシー利用は妥当」との立場で、タクシー輸送は長年、慣例的に行われている。
中央官庁の公務員の“居酒屋タクシー”問題を受け、愛知県は初めて県全体(知事部局、県教委、県警、企業庁、病院事業庁)のタクシー代を集計。明確な使用基準はなく、07年度総額は7068万円(県教委1213万円)、06年度6594万円(同1418万円)、05年度7938万円(同1552万円)だった。県教委は3年とも建設部に続き2番目に多かった。
岐阜県では県立学校の教職員5088人のうち12人、三重県では4400人のうち2人が現金支給されている。両県では銀行に運んでもらったり自家用車を使ったりしており、給与をタクシーで運んでいるのは愛知県だけ。
◆ばからしいコスト
■三重大の児玉克哉教授(社会学)の話 タクシー代だけでなく、銀行まで往復する人件費や手間を考えると、ばからしいコストがかかっているとしか言いようがない。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008070890064822.html