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教員免許更新、大学講習に目立つユニークな内容(読売新聞)
来年度から始まる教員免許更新制で今年度、全国の大学が試験的に実施する講習の内容が9日、文部科学省から一斉に発表された。
更新制では計30時間の講習受講が対象教員に義務付けられるが、プログラムの中には、指導の向上にどう役立つのかはっきりしないものもある。本番ではないとはいえ、かねて疑問視されてきた新制度の実効性が改めて問われそうだ。
2009年4月から実施される免許更新制は、無期限だった教員免許の有効期間を10年と定めるもので、幼稚園から高校までの35歳、45歳、55歳の現職教員が対象。更新時には必修(12時間)と選択(18時間)の計30時間の講習を大学などで受講する。どの講習を選ぶかは教員の自由だ。
来年度の対象教員のうち、希望者を募って実施される試行講習に参加するのは、91大学と文科省所管の10の教育・文化機関。選択では「成績評価のための統計学講座」や「社会科授業論と身近な地域学習」といったプログラムのほか、ユニークな内容も目立つ。
著名な指揮者の秋山和慶教授が小学生のオーケストラを指導する様子を見せるという講習を用意した洗足学園音楽大は、「教師自身があこがれるような指導を間近で見れば、刺激にもなり、良い授業につながるはず」と意図を説明する。
昭和女子大では、「国立那須甲子青少年自然の家」(福島県)での合宿講習「ボランティア講習」(18時間)を企画。子育て中の教員らのため、家族同伴の宿泊を認める。また、桜美林大では、すべての講義、試験をインターネットで受けられるようにした。同大は「繰り返し学べるなどメリットも多く、実際に講義を受けるのと成果は変わらない」と強調している。
こうした講習を開設する背景の一つに、少子化に伴う学生数減少もある。関東地方の中堅私立大は、「多くの先生に参加してもらえれば、大学のPRになる」と語る。
本番では受講料が必要だが、今年度は試行のため原則無料。ほとんどの講習は、土日や夏休みなどの長期休暇中に行われる。
(2008年4月9日23時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080409-OYT1T00837.htm