★阿修羅♪ > ニュース情報6 > 359.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
現代作家より谷崎・三島、高校国語に文豪復帰…教科書検定(読売新聞)
25日公表された高校高学年用の2007年度教科書検定結果では、「脱ゆとり」を掲げて受験対策に力を入れる教科書や、文豪たちの作品を全面復活した教科書も登場する一方、生徒の興味をひくため、題材に工夫をこらした教科書も目立った。
明治書院の現代文は、03年度の検定ではずした大岡昇平の「俘虜記」や加藤周一の「日本の庭」、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」、三島由紀夫の「美神」を復活させた。ゆとり教育のもとで作られた現行の教科書は最近の作家の文章を取り上げることが多かったが、「言葉をしっかり教えられる定番の作品を戻してほしい」といった現場の教師たちからの要望を受けて決めたという。
英語のリーディングでは、三省堂の進学校向け教科書が、単語数を約2200語から約2500語に増やした。「現在の易しい教科書では大学入試には太刀打ちできないという危機感が学校現場にある」と同社の担当者は話す。
大学の理系学部志望者が履修する「数学3」でも、難易度を上げた教科書会社が多く、東京書籍は学習指導要領の範囲外の部分を2ページから14ページに増やし、巻末には大学入試用の演習問題を25問新設した。「京都大など指導要領の範囲外の問題を出題する大学もあり、学校現場から強い要望があった」ためだ。
その一方で、生徒の学習意欲を引き出すことを優先し、題材を工夫する教科書も少なくなかった。
大修館書店の現代文は、キティちゃんグッズや「萌え」ブームなどを通じ、日本の「かわいい」文化を解説した四方田犬彦氏の評論「『かわいい』現象」を採用。「面白い授業になるはず」と担当者は胸を張る。
東京書籍は、英語のリーディングで、英文の行間に難しい単語の訳を挿入し、辞書なしで最後まで一気に読破できるようにした。同社は「英文読書の楽しさを味わえる」と自信満々だ。
インターネット上の無料百科事典「ウィキペディア」を取り上げる教科書も登場した。
開隆堂出版は、ウィキペディアの成り立ちや利用のされ方を紹介。増進堂は、英語のリーディングの中で、「ウィキペディア」の出典で死刑制度を行っている国々を示す地図を掲載した。
文部科学省はこうした傾向について「ウィキペディアだからいいとか悪いというのではなく、事実関係を確認したうえで記述の可否を判断している」と説明している。
(2008年3月25日23時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080325-OYT1T00698.htm?from=navr