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(回答先: 宮崎「どこ?」高校生の半数…日本地理学会調査(読売新聞) 投稿者 そのまんま西 日時 2008 年 3 月 20 日 18:38:16)
(東京新聞 筆洗)2008年3月22日
サダム・フセイン政権下のイラクの首都バグダッドでは、確か、一九六〇年代製が、最新の地図だった
▼まともな地図さえないのだから、推して知るべしで、かの地の人々も地理には疎く、方角をめぐって「こっちは東だ」「いや西だ」と延々言い争いするような場面にも一再ならず出くわした。フセイン政権に限らず、専制的体制は治安上の危険とみて、大衆に地理の知識を広めるのを嫌う傾向があるようだ
▼もっとも、民主的な国の人なら地理に強いかというと、そうでもない。少し前、英国の地理情報会社が成人千人を対象に調べた結果を本紙が伝えていた。実に、英国人の三分の一は、ヒマラヤ山脈にある世界最高峰エベレストをアルプス山脈にあると信じ込んでいるそうだ
▼この手の話を笑えるのは、もちろん日本人は違う、との自負あるがゆえ。社会学者の加藤秀俊さんも『地図と旅行』と題する随筆をこう書き出している。<日本文化は、かなり地理的関心の深い文化だ、とわたしは思う>。ところが
▼日本地理学会が調べてみたら、高校生の六割近くが宮崎県の位置を知らなかった。そして自衛隊も派遣された、あのイラクの位置を正しく答えられた大学生は、なんと半分にすぎなかったという。高校時代の地理の未履修も関係しているようだが
▼地図を見ているだけで心が躍るという人は少なくない。見知らぬ土地へと勝手に想像が広がるからだろう。少々気になるのはそこである。地理の不得手の背後に、「想像すること」の不得手が隠れているのでなければよいのだが。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2008032202097315.html