★阿修羅♪ > ニュース情報6 > 298.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
福田“他人事”内閣限界…イージス艦衝突事故で露呈(ZAKZAK)
大型海難は内閣に打撃ジンクス
海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故が、「他人事」福田康夫内閣の限界を露呈させつつある。事故発生から石破茂防衛相への報告まで約1時間半、首相には約2時間という危機管理上の致命的欠陥を白日の下にさらしたのだ。大型海難事故が内閣支持率を引き下げた経験則もあり、「福田無責任内閣」退陣のカウントダウンが始まったと指摘する声もある。
「まー本当に、あの遺憾であるという言葉しか出てこないけどね。まっ、それによって人命がね、えー、どうなるかという、そういう心配もありますしね。特に、吉清さんという親子(治夫さんと哲大さん)ですよね。えー、救出されてほしいと思いますけどもね、ご家族のことを考えるとね。大変、心配されていると思いますよね。まっ、何とか、まず救出に全力を挙げるということになります」
福田首相は事故発生から半日過ぎた19日夕、官邸で事故の受け止め方について聞かれ、こう語った。その言葉は他人事のようで、自らが自衛隊の最高指揮官である自覚や反省はほとんど感じられなかった。
重大事故の発生から防衛相に一報が伝わるまで約1時間半、首相まで約2時間かかったというのは尋常ではない。
イージス艦はわが国のミサイル防衛(MD)の中核を担う主要艦艇である。万が一、北朝鮮が日本に向けてミサイルを発射した場合、着弾するまで10分程度しかない。防衛相や首相への情報伝達がこれほど停滞していては、いくら首相が口先で「国民の安心安全」と語っても、とても国民の生命や財産は守れない。
連絡ミスには首相も感じるところがあるようで、「人身事故という可能性があれば、すぐ防衛相に連絡が行かなければいけない。『遅いんじゃないか』と防衛相にいった」と不快感を示した。ただし、その改善策となると自ら指導力を発揮する気はなく、「それは、(石破氏が)自分で考えてやるでしょ」と、やはり他人事なのだ。
最近、福田首相の“他人事ぶり”には拍車がかかってきている。
昨年12月、「消えた年金」問題への公約違反に対し、「公約違反というほど大げさなものなのかどうかね、と思いますがね」と開き直り、内閣支持率を「危険水域」とされる30%台まで突き落とした。
株式相場が世界的危機にあった今年1月には、「日本の株安は内閣の経済無策の表れでは」と問われ、「そんな風に言う専門家はいますか。ちょっと顔を拝見したい」と言い放った。
沖縄での米軍海兵隊員による女子中学生暴行事件を受けた今月18日も、「本当に米軍もどうなっちゃったんですかね。あんなに大騒ぎした事件があって綱紀粛正と言った直後ですからね。やっぱり何か原因があるかもしれません」と、テレビのコメンテーターのように語るだけだった。
政治評論家の森田実氏は「福田首相は総理大臣という立場が分かっていない。政権を担うことへの厳しさもない」といい、こう語る。
「今回の事故は、国民の生命と財産を守るべき自衛隊が国民を傷つけたもの。本来なら首相や防衛相が責任を取るべき重大な問題だが、首相にはそうした感覚がまったくない。現内閣は無責任な空気が支配している。情報伝達の遅さは防衛省が緩んでいる証拠だが、政権全体が弛緩している。本当にひどい状況だ」
大型海難事故はこれまで当時の内閣に打撃を与えている。
1988年7月、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が横須賀港沖で遊漁船「第一富士丸」と衝突、遊漁船の乗客乗員30人が死亡した。当時は竹下登内閣で、瓦力防衛庁長官は1カ月後、引責辞任した。竹下首相は事故直前に発覚したリクルート事件などで国民的支持を失い、翌年6月に退陣した。
2001年2月には、愛媛県立宇和島水産高校の漁業練習船「えひめ丸」が米ハワイ沖で、米海軍原子力潜水艦に衝突されて沈没。えひめ丸の教員5人と生徒4人の計9人が死亡した。
当時は森喜朗内閣。事故発生時、森首相は休暇を取ってゴルフをしていたが、一報を聞いた後も1時間半もゴルフ場に留まったことで国民の批判を浴びた。超低空飛行だった内閣支持率は10%を割り込み、2カ月後に退陣に追い込まれた。くしくも、当時の官房長官は福田首相だった。
今回の事故を受け、野党は原因究明と責任問題で攻勢を強める構えだ。民主党の小沢一郎代表は19日午後、「責任の取り方はいろいろあるが、(石破氏に)責任があるのは間違いない」と指摘。菅直人代表代行も「原因を明確にし、場合によっては責任問題にもなる」と強調した。
前出の森田氏は「報道各社とも、内閣支持率は30%台に落ち、不支持率は50%を超えている。真面目な首相ならば、内閣総辞職も考える悲惨な状況だ。すべてが他人事の福田首相としてはやり過ごすつもりかもしれないが、国民は完全に見放すだろう」と話している。
ZAKZAK 2008/02/20
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_02/t2008022025_all.html