★阿修羅♪ > ニュース情報6 > 295.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
“利権トライアングル”国交省天下り先に1888億円(ZAKZAK)
民主の追及にも問題意識ない国交相
道路特定財源を主な原資とする道路整備特別会計から、国土交通省OBが天下りする56団体に、2006年度だけで計約1888億円が支出されていたことが分かった。
しかも、団体には計1285人のOBが役職員として天下っている。道路関連の民営化企業などを加えると、74団体に膨れ上がり、支出は約3547億円、OBの天下りは1343人に及ぶ。団体には自民党に多額の献金をしている組織もあり、まさに政官業癒着の実態を示す証拠といえる。ガソリン税の暫定税率をめぐる国会審議にも影響を与えそうだ。
「自民党の道路族と国交省の道路官僚、道路関連団体・企業の癒着構造、
利権トライアングルの一端を示す資料だ」
明治大学政経学部の高木勝教授はこう語る。
注目の資料は国交省が7日に公表した「道路整備特別会計による支出」(06年度)のデータをもとに、民主党が集計した=左下に別表。56団体は、同省所管で500万円以上の支出を受けた公益法人と独立行政法人である。
トップは、小泉改革の看板だった道路関係4公団民営化に伴い、05年10月に高速道路にかかわる道路資産の保有および貸し付け、債務の早期返済のために設立された「日本高速道路保有・債務返済機構」で、約1044億2613万円。
2位は、市街地整備や賃貸住宅の供給、UR賃貸住宅の管理を行う「都市再生機構」で、約136億4017万円。3位は、道路保全に関する総合的な技術開発などを行う「道路保全技術センター」で、約81億7782万円となっている。
注目すべきは、国交省出身の役職員数(非常勤役員含む)だ。
約68億7748万円の支出を受けた「関東建設弘済会」が国交省OBを131人も受け入れているほか、約31億3040万円の「近畿建設協会」が95人、約73億2758万円の「中部建設協会」が91人となっている。
支出先には、全国の道路建設を主な業務とする大手ゼネコンや下請け企業などの業界団体「日本道路建設業協会」(約1890万円、天下り16人)も含まれる。同協会の会員企業51社は07年、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に約1億8500万円の政治献金を行っている。
今回の資料は、公益法人と独立行政法人に絞っているが、これに道路公団民営化で民間企業となった「首都高速道路」や「東日本高速道路」「中日本高速道路」「西日本高速道路」など国交省出身の役職者を受け入れている民間支出先を加えると、道路整備特別会計から74の団体・企業に何と約3546億7360万円が支出され、1343人も天下っているのだ。
民主党の長妻昭衆院議員は8日の衆院予算委員会で、
こうした道路整備特別会計の実態について厳しく追及した。
質疑では、天下り団体への支出に加え、(1)競争入札が支出総額の3%にしか満たない(2)事業総額が2倍以上に膨張したものが139事業もあり、3兆1900億円から8兆5900億円になった(1993年以降)−なども取り上げられた。
長妻氏は「天下り団体・企業を食わせるため、道路整備特別会計が『国交省の自由な財布』として使われていることについて、冬柴鉄三国交相からは反省も問題意識も聞かれなかった。やはり特別会計を一般会計化してチェックしなければならない」と話す。
国交省職員の娯楽用として、特別会計からマッサージチェアやカラオケセット、スポーツ用具などの購入費用が支出されていたことが国民の怒りを買っているが、暫定税率をめぐる与野党攻防は、他の根深い問題も次々と露呈させている。
高木教授は「道路特定財源を守ることで、国交省は天下り先を確保でき、業界団体は膨大な仕事を得られ、自民党は選挙や献金で支援を受けられる。結局、自民党や国交省、業界団体が揮発油税の暫定税率維持に必死なのは、自分たちの利権構造を守りたいから。この利権トライアングルを断ち切らない限り、国民は半永久的に多大な負担を強いられ続ける」と話している。
ZAKZAK 2008/02/13
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_02/t2008021330_all.html