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ダイアパレス偽装建築…外階段ボルト貫通せず住民発見(ZAKZAK)
千葉・13階建てマンション
全国で「ダイアパレス」を展開する中堅デベロッパー「ダイア建設」(東京都新宿区)が販売した分譲マンションで、実際には建物本体に差し込まれていない偽装ボルトが用いられていたことが5日、明らかになった。住民の指摘で同社が調べたところ、千葉県内のマンション1棟で6カ所の偽装が発覚した。ダイア建設は偽装を認めたうえで、マンション管理組合との交渉で補修工事を約束した。
問題のマンションは千葉県内にある鉄筋コンクリート13階建てで、旭建設(千葉市)が建設を請け負い、1999年に完成した。
このマンションでは外部の鉄骨製階段と、建物本体のコンクリートを各階ごとに8本のボルト(約10センチ)でつないでいるが、ボルト計166本のうち、北側の外階段で4本、南側の外階段で2本のボルトが偽装されていた。
偽装ボルトは鉄板に頭部のナットが溶接され、正面から見ると、あたかもボルトがコンクリート部分まで貫通しているかのように見える。しかし、コンクリート(建物側)と鉄板(ボルト側)のすき間を確認すると、埋め込まれているはずのボルトがないのが目視できる。
偽装ボルトを写真で確認したある建築士は「今までマンションで同じような偽装を見たことはない。悪質だ」と驚いた。
ボルトの偽装は昨年11月、住民の男性が発見した。男性は北側外階段の偽装しか分からなかったが、その後のダイア建設と旭建設の調査で、偽装は南側外階段を含め、計6カ所に及ぶことが判明した。
偽装の状況について旭建設は、ボルトを通す穴を開ける際に「コンクリート内部の鉄筋に当たって入らず、現場の職人がナットだけ溶接し、工事が完了したよう見せかけてしまった」と説明した。
ダイア建設と旭建設はマンションの管理組合を通じ、男性に「本来あってはならないことで、補修工事をします。ただ外階段の構造に問題はなく、地震で外階段が外れることはありません」と報告した。
男性は「鉄筋を意図的に減らした耐震偽装ではなく、建物の構造に問題がないのは理解できた。しかし、外階段はエレベーター停止時に使う避難階段です。命を守るルートにずさんな工事が行われてよいのか」と憤る。
東証2部上場のダイア建設はマンション分譲専業の中堅で、1976年設立。全国に2000棟以上の「ダイアパレス」を展開し、2007年3月期の売上高は約509億円を誇る。「ダイアパレス」は内山田洋とクール・ファイブの「東京砂漠」を使ったテレビCMを流していたことで知られる。
業界関係者は「マンション業界が耐震偽装問題で揺れたときも、『ダイアパレス』は耐震設計で信用を得てきた。安全管理には力を入れている会社のはずだが」と首をかしげた。
施工業者の旭建設では「あくまでも当社の責任であり、厳粛に受けとめています」と陳謝し、ダイア建設は「巧妙な偽装で、定期検査では偽装を見抜けなかった。こういったことが2度と起きないよう検査態勢を強化したい。他のマンションにお住まいの方も、周囲に不審な点があったら当社の顧客サービス室に連絡をいただきたい」と話した。
また、同社は旭建設に対する損害賠償請求について「今後、検討予定」としている。
旭建設が建設を請け負ったダイアパレスはこのマンションのほか、千葉県内に3棟ある。ダイア建設によると、全国2000棟以上の他のダイアパレスに同じような偽装ボルト問題はなく、「グループ会社のダイア管理が定期点検を実施しており、あらためて全棟の調査を行う予定はございません」という。
無償での補修工事が行われることになったとはいえ、男性の心中は穏やかではない。「職人がやったとか、施工会社がやったとか、結局は責任のなすりつけ合いだ。それに、私はダイアパレスを買ったのであり、旭建設が建てたとか、そういうことは関係ない。政治家の『秘書がやりました』と同レベルの話としか思えない」と、納得いかない様子だった。
ZAKZAK 2008/02/05
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_02/t2008020522_all.html