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マック「店長残酷物語」激白…未払い残業代200億?(ZAKZAK)
終夜営業や人件費の削減など要求され
日本マクドナルドの直営店店長、高野廣志氏(46、写真)が「権限なき店長を管理職とし、残業代を払わないのは不当」と会社を訴えた裁判で、東京地裁は高野氏の主張を認めた。しかし、全店長の未払い残業を認めれば「支払総額は200億円超」(関係者)といわれる同社も控訴で“応戦”し、両者のバトルが収まる気配はない。まだまだ渦中の高野氏が、「0円」のマックスマイルも凍りつく「店長残酷物語」を激白した。
【成果主義導入で】
「一部店長は、私が金目当てで訴訟を起こしたと中傷しますが、誤解もいいところ。750万円戻ってきたところで、税金や訴訟費用を引けば、手元に残るのはごくわずかしかない」
こう憤る高野氏は1987年に入社。埼玉県内の店舗を中心に勤務した後、99年に店長に昇格し、現在も県北部の店舗を任される現職店長だ。高野氏が糾弾する「経営計画」とは、マック本部が推し進める各店舗の24時間営業化とFC(フランチャイズ)制を指す。
会社の労務管理がおかしくなったのは、2003年の成果主義導入以後だという。諸手当を廃止し、その原資を一部の売り上げ上位店店長へのインセンティブに回すようにしてから、多くの店長が悲鳴を上げ始めた。
「実質時間外労働が月100時間を超えても、会社は『店長の能力の問題』の一点張り。評価にも直結するから、大半の店長のタイムカードは、毎月キレイな“定時出勤定時退社”ですよ」
実際に犠牲者も出た。昨年10月、横浜地区の店長が勤務中に倒れて亡くなった。会社は過労死を否定しているが、店長は数日前から体調不良を訴えていながら、シフトの都合上連日出勤していた。高野氏も「今回の判決があと3カ月ちょっと早くでていれば、堂々と休めて、命を失うこともなかったはず。本当に残念です」と唇をかむ。
高野氏の店舗は社員1人だったので、たとえぎっくり腰でも出勤せざるをえず、元旦から主婦の『時間帯責任者』に出勤をお願いする始末。主力のパートさんも過労で入院してしまった。
「しわ寄せはすべて家族にいきます。家庭はすべて妻に任せ、子どもたちの学校行事には一切参加できず、旅行にも連れて行けません。そのうえ会社は、大してお客が入らない終夜営業を推進し、かつ人件費は下げろと要求してきます」
【FC制も厳しく】
高野氏の残業は月平均80時間を超え、2カ月連続休日ゼロもザラ。ただでさえ人件費がかさむ深夜営業を進めつつ、人件費削減とは矛盾も甚だしいが、さらにひどいのがFC制という。
「地方勤務者に、地元勤務の確約と引き換えに、FC店長への転籍を進めています。FC店長は個人事業主ですから、売り上げ低下が続けば契約打ち切り。こんな売り上げ至上主義の条件では、再度、賞味期限の偽装事件や犠牲者が出てもおかしくありません」
一歩も引かない高野氏だが、その原動力はマック店長としての誇りと、会社への愛着だけだ。
「大好きな会社の環境を良くしたいから闘っている以上、私は会社を辞めません。全国の店長は勇気を持って、堂々と残業代を申請してほしい」
判決翌日の29日から、勤続20年休暇を取得した高野氏は、店長会議も欠席して、入社以来初となる“心身のリフレッシュタイム”を堪能している。
ZAKZAK 2008/01/30
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_01/t2008013030_all.html