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「日銀Vs財務省」構図に…注目の日銀総裁人事(ZAKZAK)
自民推す武藤本命視も民主“推薦”が猛追
注目の日銀総裁人事は「日銀Vs財務省」の構図となりそうだ。有力候補は、自民党に推す声が多い元財務事務次官の武藤敏郎・日銀副総裁(64)。これに対して参院第一党の民主党には、元日銀副総裁の山口泰氏(67)=写真左=や元日銀審議委員の植田和男・東大大学院教授(56)=同右下=らを適任とする声がある。福井俊彦総裁(72)の任期は3月19日まで。残り2カ月を切り、後任選びは熱を帯びていく。
「注目の日銀総裁人事ですが、非常に堅実な人事になりそうだ。すでにマスコミなどで観測記事が出ていますが、最終的には日銀VS.財務省の構図となるのでは」
こう明かすのは民主党有力筋。
もともと本命視されていた武藤氏に対し、民主党で推す声がある山口氏や植田氏。3人とも次期総裁候補として名前が取りざたされてきた人物だけに、だれが選ばれても「非常に堅実な人事」ということになる。
武藤氏は1966年に東大法学部を卒業後、旧大蔵省(現・財務省)に入省。2000年6月から03年1月まで同省事務方トップの財務事務次官を務め、同年3月に次期日銀総裁含みで副総裁に就任した。
「日銀では慣例的に、日銀出身者と財務省出身者が交互に総裁に就任している。日銀出身者である福井総裁の次は元財務事務次官の武藤氏というのが政官財界の共通認識だった」(日銀関係者)
ところが、昨夏の参院選で自民党が惨敗して、“鉄板人事”が不透明になってくる。
日銀法により、総裁は衆参両院の同意を得たうえで内閣が任命することになっている。従来は自民党が両院を牛耳っていたので、同党のメガネにかなった人物が総裁に就いた。ところが、「官僚出身の総裁はダメ」との立場をとる民主党が参院の第一党になり、武藤氏の立場が微妙になってしまったのだ。
「副総裁人事も衆参両院の同意を得なければいけないのですが、03年に武藤氏が副総裁に就任した際の人事案に民主党は『官僚出身』ということで反対している。今回の武藤総裁案にも反対の立場をとらないと、整合性がとれないことになる」(民主党有力筋)
ところが、民主党の小沢一郎代表(65)が昨年11月13日の記者会見で、次期総裁人事について「官庁出身というだけで100%ノーということにはならないと思っている」と発言。これを聞いた武藤氏は俄然(がぜん)、活気づくことになる。
「この発言のあと、それまで沈黙を守ってきた武藤氏が急にやる気をみせるようになりました。次期総裁がみえてきて、尻に火がついたということでしょう」と日銀関係者はいう。
不思議なのは、「官僚出身者はダメ」と主張してきた民主党のトップが
なぜ、容認ともとれるような発言をしたのかということ。
永田町有力筋によると「小沢氏とも武藤氏とも親密な財界人が2人の間に入って話をした後、あの小沢発言が出てきたというウワサも流れているが、真相は分からない」という。
一方、民主党から推す声が出ている元日銀副総裁の山口氏は、国際的にも知名度がある理論派。元日銀審議委員の植田氏も理論派で、デフレ脱却のための量的緩和政策を支えた人物だ。
総裁候補としては彼ら3人以外に、財務省出身の黒田東彦(はるひこ)・アジア開発銀行総裁(63)、伊藤隆敏・東大大学院教授(56)らの名前も取りざたされている。
ちなみに、任期切れまでに折り合いがつかず、戦後初の「総裁空席」の事態となった場合、日銀理事の1人が総裁業務を代行することになる。
ZAKZAK 2008/01/21
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_01/t2008012122_all.html