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福田「3月退陣」危機…支持率次第で内閣総辞職も(ZAKZAK)
福田康夫内閣に「3月危機」説が囁かれ始めた。同月末で期限切れとなる歳入関連法案(日切れ法案)の混乱が必至なうえ、約5000万件の「消えた年金」記録の名寄せ完了期限や防衛汚職の政界波及、景気後退などが重なり、最悪の事態も予想されるためだ。自民党内で一時、検討された「予算成立後の解散総選挙」など夢のまた夢で、支持率次第では内閣総辞職もあり得るムードが漂ってきた。
臨時国会の会期末を15日に控え、与党は11日午後、最大の焦点だったインド洋での海上自衛隊の給油活動を再開する新テロ対策特別措置法案を衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し、成立させた(賛成340、反対133)。参院で否決された法案の再可決は、1951年のモーターボート競走法以来57年ぶり。
福田首相は成立後、国際的な「テロとの戦い」への参加の重要性などを訴える談話を発表したが、18日に召集される通常国会では、小沢一郎代表率いる「民主党との戦い」が再び待ち受ける。
福田首相には厳しい国会になることは必至で、政治評論家の小林吉弥氏は「国民からは、福田首相がどんな政治をやろうとしているのかサッパリ見えない。政権維持のための延命策や弥縫策ばかり目立つ。来年度予算案は成立させるだろうが、7月の洞爺湖サミットまでたどり着けるか…」と手厳しい。
特に、年度末の3月は福田首相にとって大きな試練の月となる。
同月末で期限切れとなる歳入関連法案をめぐる大混乱が予想されるからだ。同法案には揮発油税の暫定税率継続を定めた租税特別措置法の改正案などが含まれるが、民主党は国民生活を重視して「暫定税率廃止」を主張している。衆参「ねじれ国会」のため、日切れ法案が月末までに成立しなければ、4月1日からガソリン1リットルあたり約25円下がることになる。
自民党中堅は「この価格高騰下でガソリン価格が下がれば国民は拍手喝采するだろうが、国や地方自治体の予算に約2兆6000億円の穴が空く。歳入欠陥を避けるため、与党が衆院の3分の2を使って、再議決すればガソリン価格は元に戻るが、国民の猛烈な批判が政府与党に集中するだろう」と苦悩する。
さらに、3月末は「消えた年金」問題で、政府が名寄せ作業を完了すると国民に約束した期限を迎える。
福田内閣は安倍内閣からの継続案件として、「最後の1人、最後の1円まで確実に年金を払う」と約束していたが、舛添要一厚労相は先月、「(消えた年金)記録の4割近い1975万件が特定困難」と公約断念を発表。福田首相も「公約違反というほど大げさなものなのか」と開き直ったため、内閣支持率は危険水域の30%台まで急落した。
年金問題について最近、永田町で驚愕すべき情報が広がっている。
厚労省関係者が明かす。
「実は『特定困難なのは4割どころではない』という指摘がある。社会保険庁は先月、ガス抜きのために少なめの数字を発表したが、『最悪の場合、6割以上が特定困難』という情報もある。これが事実なら、社保庁だけでなく、福田内閣に対する国民の信頼は地に落ちる」
加えて、東京地検特捜部が防衛汚職捜査のメドにしているのが2月から3月で、「大物与党議員に波及する」との見方は根強い。
また、企業の会計年度末となる3月にかけ、米国株安や円高、原油高などから景気後退が深刻化すれば、内閣支持率が30%の危機ラインを突破して、20%台まで落ちる可能性は十分あり得る。
参院過半数を民主党など野党に握られているため、内閣支持率が30%以下では、福田首相はとても解散総選挙で国民の信を問うことはできない。それこそ政権交代が現実味を帯びてくるからだ。
与党内には支持率回復策として、予算成立後の「内閣改造」に期待する声もあるが、過去の歴史は厳しい。
田中角栄元首相は1974年、金脈スキャンダルで参院選に敗北した直後に内閣改造を断行したが、15日後に退陣した。竹下登元首相も88年、リクルート事件で支持率が10%台に落ち込んだため内閣改造で危機突破を図ったが、4カ月後、予算成立と引き換えの退陣表明に追い込まれた。
福田首相の父、赳夫元首相は自らが準備を進めた日本初開催の東京サミットの議長を務めることなく退陣した。この無念を知る首相は7月の洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に並々ならぬ意欲を燃やしているという。
永田町にも「首相はサミットまでは決して無理はしない。平身低頭、野党にもみ手をしてでも乗り切る構えだ。解散総選挙は早くてもサミット後だろう」(自民党ベテラン秘書)といった空気が流れているが、そう思い通りになるのか。
小林氏は「内閣支持率が20%台に落ちたら完全に赤信号点灯だ。とても福田首相に政権運営はできない。天下分け目となる解散総選挙を見すえて、自民党内からも内閣総辞職を求める声が出てくるだろう」と話す。
福田首相に3月危機が着々と迫っている。
ZAKZAK 2008/01/11
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_01/t2008011133_all.html