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小沢辞任会見を見て
http://www.jimbo.tv/commentary/000411.php
今日の小沢会見を無料で配信しているので、お時間があったらご覧ください。
http://www.videonews.com
http://www.videonews.com/press-club/0710/001180.php
どうも報道されている内容とはちょっと趣が違うように私には聞こえました。
政局なのでいろいろな読みがあるのは当然かもしれませんが、つまるところ小沢さんは、福田さんから、政府が従来の安全保障政策と憲法解釈を根本から変更する用意があることを聞かされ、そういうことであれば、総選挙で民主党が政権を取るとか取らないとかよりももっと重大な意味を持つと判断して、首相からの提案を持ち帰り、党に諮った。しかし、民主党の役員会は小沢さん以外全員が反対したので、それはもはや自分に対する不信任であると判断したと。
政局的には裸の王様のように党内で孤立していた小沢が、自分の頭だけで判断した結果、福田の術中に落ちたとか、検察の守谷CX捜査と関係があるのではないか等々、いろいろ取り沙汰はされているようですが、虚心坦懐に会見を聞けば、なるほどと思えるところも多分にあるのではないでしょうか。
もちろんこれは善し悪しを言っているわけではありません。せっかく参議院であれだけの信任を得た後の辞任は有権者への裏切りであり、また壊し屋小沢が民主党を壊し始めたかと言われても仕方がない面もあるでしょう。しかし、もし福田内閣が本当に、国連決議を自衛隊を海外に派遣する前提条件とする安保政策の転換を図る意思があったのであれば、これはいつ実現するかも定かではない「民主党への政権交代」よりも優先されるべき政策案件と考えたとしても、それほど間違ってはいないようにも感じました。
ただ、もしも、もしもですよ、自民党側が、小沢さんにその弾を投げたとき、小沢さんはかねてからの持論なのだから飛びつくだろうが、民主党内はそれではまとまらないだろう。そうすれば、悪くても民主党内の足並みの乱れを露呈させる効果はあるだろうし、あわよくば民主党を分裂させることに成功するかもしれないと考えて、今回の党首会談と、安保政策の転換を前提とする連立話を持ちかけたのだとすれば、やはり自民党の方が一枚上手だったと考えざるを得ないのかもしれません。実際、小沢さんは党首会談についての不正確な報道も辞任理由の一つにあげていますが、恐らくあの報道は自民党側の官邸周辺から流れたものだと思われます。民主党側は第一回目の党首会談の後、小沢さんが詳しい内容を党幹部にも伝えていないので、会談の内容を民主党側からリークをしたり情報操作をすることは難しかったはずです。
ただ、そういう権謀術数があったとして、やはりそれは相当リスキーなギャンブルで、もし民主党が連立に乗ってくるようなことがあれば、自民党は本当に民主党と連立を組まなければならなくなる上に、政府としては安全保障政策を根本から転換させなければならなくなります。日米同盟至上主義から国連中心主義への転換という戦後史に残る政策転換が、そんな政局的な計算に基づくギャンブルのネタになるとは思えない、と言うか、思いたくないですね。
しかし、小沢論文が世界に出たあたりから、いやな予感はしていたんです。あれだけ踏み込んだ安保政策の転換を提唱する論文の内容を、民主党の幹部ですら直前まで把握できていなかったのですから。
民主党執行部はこれから小沢さんを慰留するとか言っていますが、もうテレビで生中継された記者会見で明確に辞意を表明した上に、その理由まで明示しているんですよ。今更やっぱり撤回しますなんて話になるわけがないじゃないですか。とりあえずあれやこれや時間稼ぎをやった後、また代表選ですか。やれやれ、日本にとっては永遠の課題とも言うべき政権交代が、また10歩くらい遠のいたかな。
November 4, 2007