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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070912k0000m050074000c.html
日本相撲協会の北の湖理事長は10日、横綱・朝青龍に関する一連の騒動に関してテレビで解説をした東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博さん(76)=日本福祉大学客員教授=の発言が協会批判にあたるとして、協会発行の取材証を返還させた。事実上のはく奪で、これに対し、同クラブは11日、抗議文を提出したが、理事長側は返還に応じていない。
北の湖理事長は、抗議文で「(杉山さんの)言動の何が問題なのか、明確にしてほしい」と要請されたのを受けて、同クラブの代表者に対して口頭で回答。(1)8月中旬の朝の民放情報番組で「朝青龍への処分に対しては弁護士や識者を入れて決めるべきだ」というコメンテーターの発言に杉山さんがうなずいたのは相撲協会批判にあたる(2)テレビ出演の際の肩書が「相撲評論家」「相撲ジャーナリスト」となっているが、こうした立場の人には(記者でないので)取材証を発行できない−−と、返還させた理由を説明した。
同クラブは「批判する相手の取材証を取り上げるのは暴挙」と反発しており、杉山さんの発言などについては12日に事実関係も含めて北の湖理事長と話し合いを持つよう調整した。
杉山さんは53年からNHKのアナウンサーとして大相撲報道にかかわり、その間、東京相撲記者クラブ員。定年後の87年から同会友としての取材を続けてきた。取材証をはく奪されたことについて「肩書はテレビ局が便宜上つけたもの。それにテレビ画面でうなずいたぐらいで取材証を取り上げるのは信じ難いくらい残念」と話している。
また、報道陣から問題の経緯を聞いた日本相撲協会理事の友綱親方(元関脇・魁輝)が「杉山さんは正論を言っている。協会内部の対応が悪い」と話すなど、親方衆の間にも北の湖理事長の措置に首をかしげる声が上がっている。
同協会の取材証は、相撲記者クラブ所属の専門記者に発行される顔写真付きのカードで、所持者は支度部屋での取材が許可されるなど、一般の報道関係者と区別されている。【上鵜瀬浄、飯山太郎】
◇相撲界の将来危惧
▽スポーツライターの玉木正之さんの話 スポーツ報道は、主催者側の広報的存在に堕してしまう危険性が高い。だからこそ批判の目を持たなければならない。そういう批判を受けて門戸を閉ざしてしまう(相撲協会のような)組織は、必ず衰退していく。相撲界の将来を危惧(きぐ)せざるを得ない。ジャーナリズムは、協会の措置を断固認めてはならない。
◇耳傾ける姿勢を
▽大石泰彦・青山学院大教授(メディア倫理)の話 協会は公的な存在であり、広く意見に耳を傾ける姿勢を示さなければならず、今回の措置は批判されるべきだろう。ただ、朝青龍問題を取り上げたメディア側も、スポーツを一種の娯楽・慰みものと考え過熱していたのではないか。相撲を含めたスポーツの文化性・公共性を高めるために、報道のあり方を反省・検証する必要もある。
毎日新聞 2007年9月11日 20時10分 (最終更新時間 9月11日 21時13分)