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三菱重売り込み着手 国産ジェット旅客機『MRJ』『新・日本の翼』へ官民加速
【東京新聞】2007年9月6日 朝刊
経済産業省は、国産ジェット旅客機「MRJ」の開発支援を拡大する。2008年度予算では、前年度の13億円から大幅増の183億円を要求。開発を担う三菱重工業も国内や海外の航空会社への売り込みを今秋から始める。
国産旅客機の開発は、プロペラ機の「YS11」以来約四十年ぶり。三菱重工は軽量化や騒音防止のための先端技術を投入する。受注見込みなどをもとに、来春にも事業化に踏み切るかどうか判断し、一二年度の就航を目指す。
国産ジェット機の開発費は千数百億円に上る見通し。経産省はこのうち三割程度を、国の補助金や特別会計によって支援する方針。
〇八年度予算の概算要求には、主翼や尾翼に用いる新素材の開発費などを盛り込んだ。多くの材料や部品を使う航空機の開発を通じ、国内の製造業全体の競争力向上につなげる考えだ。
MRJは七十−九十人乗り。軽量素材を使って、競合機より燃費を約二割改善する。航続距離は最大三千九百キロで、欧米やアジアの近距離路線での需要を想定している。
カナダ、ブラジルの航空機メーカーが販売している競合機は一機三千万ドル前後。これに対抗できる価格を設定できるかどうかが、事業化を判断する際の焦点になる。
世界の航空機市場は、中小型機を中心に拡大している。だが各国の航空会社の競争は激しい。原油高騰による燃料費の上昇も、航空各社の収益を圧迫する要因になっている。
新鋭機を導入する場合も「当初の購入価格だけでなく、燃費や整備費なども重視する傾向にある」(航空業界筋)という。
世界の航空機市場 世界の航空機の大半を占めるジェット機の数は現在約1万5000機。日本航空機開発協会は、アジア各国の経済成長などを背景に航空機需要は拡大し、2026年には約3万5500機に増えると予想。60−99人乗りの小型ジェット機市場は、現在の約1100機から約5400機に拡大すると見込んでいる。
小型機市場では、ボンバルディア(カナダ)とエンブラエル(ブラジル)が競い合っている。中国やロシアも新型機を開発している。
航空機産業は300万点の部品や素材を使う。航空機開発には最先端技術が投入されるため、部品メーカーなどの技術力向上や雇用拡大につながるとされる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2007090602046732.html