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http://www.yukan-fuji.com/archives/2007/09/post_10512.html
「10万人の敵にたった1人で挑む」なんてうたい文句で、最初はシュワルツネッガー風のマッチョな男が大薙刀を振り回すものかと思っていたが、戦術でもって10万の武力と戦った知将の話となれば、ぐっと興味がそそられた。
時は紀元前370年春秋戦国時代の中国。大国・趙と燕に挟まれた小国・梁での話。趙は燕に攻め入る前に、梁の城を攻め滅ぼそうとしていた。降伏しようかという梁の王のところに1人の墨家の男・革離=かくり(アンディ・ラウ)が現れる。
墨家とは、墨子によって興った思想家集団。「非攻」という教えを主張していて、他国への侵攻を否定し攻撃をせずに守り抜くことを説いている。だから守城のための技術と知識を持っているのだ。
王は革離に全てを任せることにした。さて、たった4000人で守る梁城に、趙の10万の兵が襲い掛かる。革離が施したその戦術は―。
その戦いのさなか、騎馬隊の女隊長・逸悦=いつえつ(ファン・ビンビン)はこの革離に恋をしてしまう。墨家の教え一辺倒の堅物な革離に向かって、彼女は思いを伝えるためにこのセリフを言う。平たく言えば、人は時には馬鹿な選択もする。恋心とは理屈ではないのですと訴えるのだ。
墨家の「非攻」の思想でふと憲法9条を思いだした。非戦といえども守ることと無条件降伏とは大きく違うのだ。それをこの映画では教えてくれた。
2007年2月公開。本編2時間13分、発売・アミューズソフトエンタテインメント、3990円。
(2007.08.16紙面掲載)