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□馬インフルで週末の中央競馬中止…相当数の感染判明 [ZAKZAK]
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_08/t2007081701.html
馬インフルで週末の中央競馬中止…相当数の感染判明
JRA対応後手
競走馬に馬インフルエンザが蔓延している問題でJRA(日本中央競馬会)は17日午前9時30分、今週末(18・19日)の全3場(札幌・新潟・小倉)の中止を決定した。インフルエンザによる開催中止は1972年以来35年ぶりのこと。開催決定からわずか半日での一転中止。来週以降の開催への影響も考えられ、JRAは売り上げ面で大打撃を受けるとともに、防疫態勢の見通しの甘さを露呈することとなった。
インフルエンザの猛威が中央競馬を開催中止に追い込んだ。
15日に美浦(茨城県)、栗東(滋賀県)の両トレーニングセンターで競走馬が馬インフルエンザに感染していることが発覚。開催が危ぶまれるなか、16日にJRAは監督官庁である農林水産省との協議の結果、感染は限定的として開催を決定したが、一夜明けて事態は急転。けさ、新潟競馬に出走を予定している美浦在厩馬の検査を行ったところ、約20頭の陽性反応が確認された。
さらにこれまで検査が行われていなかった函館在厩馬にも検査を実施。札幌競馬に出走予定の約10頭にやはり陽性反応が出て、そのなかにはメーンレースで人気が予想されたイブロン、ビービートルネードなども含まれていた。
午前9時30分の発表では今週出走予定の馬のうちこれまで検査が終わった163頭中、29頭に感染が認められている。
札幌競馬場に管理馬を滞在させている国枝栄調教師は「馬を隔離しないのは頭数分の隔離厩舎を確保できないからだろう。どういうウイルスなのか、私もまだJRAから正確な説明を受けていない」と困惑した表情で語った。
実際、感染発覚後のJRAの対応は揺れに揺れた。16日正午、JRAが午後1時半にマスコミへの説明会を行うと発表。その後、出馬投票を実施するとしたことで一気に開催ムードが高まったが、「JRA本部と両トレセンで同時会見を行うため」(関係者)、会見時間は約1時間半遅れ、記者会見で開催を発表したのは午後3時になってからだった。
関係者のインフルエンザの広がりに対する認識も甘かった。前日、栗東トレセンで開催決定の会見に出席した須永尚之副場長は、「通常よりも強力な防疫態勢を組み、より高濃度の消毒液を厩舎周辺に散布して拡大を防ぐ」と話したが、根本的な解決策にはほど遠い。
「感染馬が死ぬことはない。人間に感染する可能性もない」と話したのは内山孝志トレセン競走馬診療所長。今回のインフルエンザが1972年に大流行した馬II型と同タイプであることを明かしたうえで、「ウイルスは常に変異を繰り返しており、当時とはだいぶ違うだろう。発生が当時よりマイルドなのはワクチン接種をしているおかげ」と騒動を抑えるかのような発言に終始した。
だが、ワクチン接種を徹底しているはずの競走馬がなぜ感染したのか、またどこから侵入したかの感染経路は不明なまま。「さらに十分な調査をする」としながら見切り発車的に競馬開催を決め、結局、さらなる感染馬の発覚で一転中止に追い込まれる非常事態となった。
来週以降の開催については未定ながら、これほどまでに拡大しているとなれば開催中止の長期化が懸念される。事実、競走馬の90%以上にあたる約6700頭の感染が確認された1972年当時は約2カ月間の中止に追い込まれた。今後の推移次第では9月30日のスプリンターズSからスタートする秋のGIシリーズにも影響が及ぶかもしれない。
また、この影響を受けているのが10月7日に仏・ロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞に出走予定のメイショウサムソン。同馬は出国検疫のために現在美浦トレセンに滞在、22日に渡仏予定だったが、隔離する目的で福島競馬場へ入厩する案や、中京競馬場へ移動するプランが次々浮上するなど迷走を余儀なくされている。
美浦の若手調教師のひとりは「まさかインフルエンザとは…。もしかしたらこれまでは見過ごしていただけかもしれない。今回の経験はJRAや厩舎関係者にとって貴重な教訓になるはずだ」と語ったが、今後、感染はどれほど拡大するのか。JRAの対応に注目が集まる。
ZAKZAK 2007/08/17