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□アナゴに注目 相次ぐ養殖事業参入 カロリー低く、ビタミン豊富 [フジサンケイ ビジネスアイ]
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アナゴに注目 相次ぐ養殖事業参入 カロリー低く、ビタミン豊富
7月15日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
今月30日は「土用の丑(うし)」の日だが、EUや台湾からウナギの稚魚が輸出規制されそうなうえ、中国がウナギ加工品の対日輸出を禁止など、関係業者は水を差された格好だ。こうした中、ウナギの仲間、アナゴが注目されている。ウナギほど脂質が多くなく低カロリーで、ビタミンAやEが豊富なので夏バテ防止や美容にいいとされる。アナゴの養殖事業も軌道に乗りつつある。
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「キュッキュニュルニュル こんにちは〜」。三重県鈴鹿市の近鉄・伊勢若松駅近くにあるアナゴ料理専門店「海の幸 魚長(うおちょう)」は、こんな軽快なアナゴソング「あなごの穴」のCDを制作。5月にはさらに、アナゴダンスのDVDも販売し、赤須誠一社長が陣頭指揮をとってアナゴのPRに力を入れる。
アナゴの産地といえば東京湾や瀬戸内が有名だが、伊勢湾もその一つ。とくに湾北部の木曽三川河口でとれるアナゴが上物とされ、そのエリアに近い伊勢若松の千代崎漁港では、江戸時代からアナゴ漁が行われている。
だが近年、アナゴの稚魚ノレソレの乱獲が原因で漁獲量が激減。江戸時代は魚屋だったという魚長の赤須社長は、95年から養殖に取り組み始めた。
ウナギなどの生産技術の開発会社、いらご研究所(愛知県田原市)の宇藤朋子研究員によると、アナゴはウナギと同じく卵からの養殖が難しく、天然の稚魚を捕獲して成熟させるのが基本。しかし、アナゴの養殖法はまだ確立されておらず、大学や水産業者などが研究を進めているという。
赤須社長は、失敗を重ねながら昨年11月、伊勢・有滝町に整備した養殖場の水槽に地下海水をくみ上げて水温を一定に保ち、赤潮被害の及ばない飼育環境を実現することに成功した。
養殖の経過は順調で、店で月に3〜4トン使用するアナゴのうち、今では1トンを養殖分でまかなえている。「来年には市場へも出荷できる見込み」と意欲をみせる。
アナゴフルコースやアナゴ天丼などの名物料理のほか、百貨店向けのアナゴ寿司販売などで、「今年度は5億円の売り上げを達成したい」という。
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製菓会社とも協力してアナゴの骨を使った菓子開発に乗り出し、ビタミン豊富なアナゴサプリメントを企画。事業拡大をにらんで、アナゴの歌や踊りをつくった。「伊勢若松のアナゴを新たな鈴鹿ブランドに、ひいては三重ブランドに育てたい」と夢を語る。
アナゴ研究者や加工業者などが参加するマアナゴ漁業資源研究会(会長は東京海洋大学の東海正教授)は、「アナゴの養殖に取り組む業者が最近増えてきた」と指摘する。愛媛・松山でアナゴ養殖・販売を手がける活媛は、生産量を増やし、米国の日本食レストラン向けにアナゴの輸出を始めたという。
身が柔らかく淡泊で味も上品なアナゴと、弾力があり濃厚な脂がうまいウナギとでは、消費者の好みも別れるところだが、生産量ではウナギが数段上手。
06年度のウナギの生産量は、日本養鰻漁業協同組合連合会によると約2万1000トン、中国や台湾からの輸入が約7万9000トンと、海外産が8割近い。
ところが、ウナギの稚魚シラスウナギの激減による国際取引規制が始まり、日本でも価格高騰の懸念があると取りざたされたばかり。さらに、中国産の輸入ウナギの安全性が問題視され、コンビニエンスストアを展開するサークルKサンクスが「炭火焼うなぎ蒲焼重」の販売を見合わせ、加ト吉がスーパー、外食などへの納品を一時停止した。スーパーなどの店頭での売れ行きも鈍ってきている。
このため、国産ウナギの価格も長期的には上がりそう。それに代わって、アナゴ人気がうなぎ上りになかも。(小坂真里栄)
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最終更新:7月15日18時0分