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□1人カラオケ:ストレス解消に練習に、「ヒトカラ」増える [毎日新聞]
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/wadai/news/20070710ddm013100152000c.html
1人カラオケ:ストレス解消に練習に、「ヒトカラ」増える
「ヒトカラ」という言葉をご存じ? カラオケ人口の減少傾向が目立つ一方、1人でカラオケに行くヒトカラが増えている。カラオケは元々、大勢でワイワイ楽しむもの。どうして1人が増えているのか、そのわけを探った。【柴田真理子】
◇壁で仕切られ孤独感なし/人気復活狙い店も積極的/背景に「癒やし」ブームも
横浜市の会社員、河田剛さん(43)が初めてヒトカラをしたのは3年ほど前。歌はもともと大好きで、仲間の前で歌うため練習もしたいが、1人ではカラオケ店も採算がとれないから断られるだろうと思っていた。母親の友人がよく1人で行くと聞いて休日の昼に挑戦してみたところ、店に断られることもなく、すんなりリモコンを渡された。以来、2カ月に1回ほど、多いときは月に2回通うようになった。
1回2〜3時間かけて、仲間が知らない英語の歌や古いアニメソングを思う存分歌う。新曲の練習もできるし、自分にあったキーの設定もチェックできる。「みんなが楽しそうな場所に一人でいると孤独を感じるが、カラオケは壁で仕切られていて気にならない」
個人のブログでも、すいている時間帯や歌った曲名を並べるなど、ヒトカラの話題が登場している。「一度行って病みつきになった」「ヒトカラデビューしました!」などの書き込みも多い。
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「この前ヒトカラ行って試した曲を歌うぞ!」。カラオケ店「歌広場」を経営する「クリアックス」(東京都豊島区)の伊藤健太営業部長が、若い男性客のこんな言葉を耳にしたのは4年前。「『ヒトカラ』なんて面白い言葉を使うと思った」
歌広場は04年春から会員を対象に、1人の場合は料金を20%引きにする「ヒトカラ割引」を行っている。1都3県の70店舗で、月約2万人が利用するという。
全国カラオケ事業者協会(東京都品川区)の資料によると、カラオケの参加人口は94年の5890万人をピークに減少していて、05年は4700万人。カラオケボックスのルーム数も90年の5万2578室から96年の16万680室まで急増し、その後減少傾向にある(05年13万3000室)。
伊藤さんは「カラオケ人口を増やすには、いつも来ている層を狙ってもダメ。『人前で歌うのが苦手だけど、1人なら歌ってもいい』と思っている人たちを呼び込もうと思った」と話し、カラオケ人気の復活に向け、ヒトカラに期待する。
歌広場新宿区役所前店では、午前11時から午後4時ごろ「ヒトカラ」が多く、3〜4組に1組は1人のことも。大野信人店長は「2年前から1人が増えた。若い女性やスナックで歌うための練習に来る中年男女など、年齢層はさまざま」と話す。
「あなたのひとりカラオケ、応援します」。首都圏などでカラオケ店「カラオケの鉄人」を29店舗展開する鉄人化計画(東京都目黒区)が「ヒトカラ応援!」と積極的に打ち出したのは今年2月。ホームページに「ストレス解消や練習に」と掲げ、店舗にもポスターを張る。
片平豊彦・町田店長はヒトカラ増加の理由を「部屋単位でなく1人あたりの料金にするなど、1人でも利用しやすくなってきたのも一因ではないか」と話す。
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「スパ、一人旅など、近年話題になる『お一人様』はゴージャスでかっこいいイメージ。ヒトカラはもっと手軽で安く、周囲の視線を気にせず1人になれる」。インターネットの総合情報サイト「オールアバウト」で「一人暮らしの楽しみ方」を紹介している河野真希さん(32)はこう話す。「『1人でカラオケなんて暗い人』と思うかもしれない。でもカラオケに限らずネットカフェ、まんが喫茶、ホテルのレディースプランなど1人で行く場所は増えている。周囲を気にせずやりたいことを楽しめる人が多くなったのではないか」と話す。
また、心理カウンセラーの根本裕幸さん(34)は「ヒトカラは、普段の生活から隔離された非日常を楽しむ。さまざまな『癒やし』ブームの一つでは」と指摘する。<イラスト・清田万作>
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◇ヒトカラを楽しむコツ
▽行くなら平日の昼間(客が少ないため)
▽受付などでモジモジしない(いまや「ヒトカラ」は普通)
▽1人だからこそチャレンジしてレパートリーを増やす
▽うまくなるにはエコーをオフに(エコーがあると実際より上手に聞こえるため)
▽歌う曲は前もって決めておく
▽3曲歌ったら5分は休む
※歌広場のアドバイスを基に作成
カラオケ参加人口とカラオケボックスルーム数の推移
毎日新聞 2007年7月10日 東京朝刊