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□カンヌ・グランプリ受賞作「殯の森」はわかんねぇ〜 [日刊ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/article/detail/3217220/
カンヌ・グランプリ受賞作「殯の森」はわかんねぇ〜
2007年06月30日10時00分
先週末(23日)に都内で封切られたカンヌ・グランプリ受賞作「殯(もがり)の森」(河瀬直美監督)の評判がよくない。
「殯」は古代日本の葬祭儀礼の意味で、河瀬監督が故郷・奈良を舞台に、息子を事故で亡くしたホームヘルパーの若い女性と、認知症の老人が深い森の中に迷い込んでさまようという幻想的なストーリー。
カンヌ後は世界20カ国以上の映画祭からオファーが殺到。それだけに“凱旋上映”が待ち望まれていたが、「話題性だけで飛びついた一般客にはお気の毒ながら“地雷”のような作品です」と言うのは映画批評家の前田有一氏だ。
「河瀬監督の“自己満足”を見に行くような作品だから、映像美やストーリーの一部でも共鳴できないとただただツライ。おまけに、おそろしく不親切なつくりで、冒頭0分の意味不明な行列シーンが最も重要な伏線になっている。なのに説明は一切ありません。加えて、河瀬作品の特徴として“素人俳優”を起用したため、セリフが小声で滑舌も悪い。実感として全体の2割は聞き取れませんでした」
では、なぜこんな日本人にもわからない映画がカンヌで激賞されたのか。
「欧米の映画人には30代の女性監督が日本の土俗的なテーマを撮っているというだけでオリエンタリズムや日本情緒を過剰に感じてしまうのです。それに、日本人が聞き取れないセリフでも、外国人は英語字幕で見るから関係なし。多少は理解が深いのです」(前田有一氏)
日本人監督が撮った作品なのに、外国人の方がよーくわかるこの映画。「渋谷の劇場では初回上映が英語字幕付き。英語がわかれば大まかな設定は理解しやすい」(前田氏)というものの、デート向きではないようだ。
【2007年6月27日掲載】