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□【タレント人別帳】福沢朗 “半泣き”に漂う小物感 [日刊ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=geino&c=070&no=23057
【タレント人別帳】
2007年6月23日 掲載
福沢朗 “半泣き”に漂う小物感
久々に福沢朗（４３）を見た気がした。
巷間話題になった「ピンポン！」（ＴＢＳ）における謝罪の一件だ。福沢が総合司会を務める同番組でスタッフが盗聴未遂を起こした。罪を全面的に認めた上で、涙ながらに謝罪する福沢に免じて、世の中丸く収まりつつあるのだが……。
ここ最近の福沢といえば、「真相報道バンキシャ！」（日本テレビ）で相方の菊川怜を“お菊さん”呼ばわりして妙な抹香臭さを振りまいているか、「エンタの神様」（同）でのっぺりした進行を担当している姿くらいしか浮かばない。
「ジャストミート鉢巻」を締めてムダ吠えしていたのも今は昔。自信満々にフリー宣言したものの、パッとしないどころかどうでもいい存在になりつつあった。
そんな折の「涙の謝罪」には福沢の“いまいち感”があふれていた。謝罪相手も内容も曖昧という浅さ、やたらキッパリとした言葉と態度で何とかカタチにしちゃう手法……。さらに、今回でいえば「スポーツ報道のことなら誰より分かってる私だからこその忸怩（じくじ）たる思い」みたいな勝手な第一人者、あるいは人気者意識が丸見えだった。久々に“福沢テイスト”を満喫した思いである。
この薄ら寒さは、いわば福沢がもともと内包していたものだ。彼が手がけてきたフィールドには、それぞれ逸見政孝なり、古舘伊知郎なり、福留功男なりの先駆者（？）がいたわけで、福沢はそれらのエッセンスを小頭の良さで少しずつ取り入れてきたにすぎない。
福沢オリジナルをあえて探すなら“一所懸命さ”だろう。でも、メガネの奥にチラつく用心深そうな目は、爽快感ではなく決定的な小物感をかもし出す。そもそも「誰が福沢に“がんばれ”と言ったのだ？」という当初からの疑問がいまだに解決していないのも気になる。福沢のがんばりは、不審を超えて不遜（ふそん）なイメージにまで至っているように思うのだが。
大の男が軽々しくも半泣きで謝罪するというのなら、「スッキリ！！」（日本テレビ）で加藤浩次が相方・山本圭一の“淫行報道”の際に見せた涙の方が、はるかにうまかったと思う。
福沢がちょっと気持ち悪くもそこが笑えた「とんねるずの生でダラダラいかせて！！」（日本テレビ）が懐かしい。
☆コマツサキ…テレビのワイドショー観賞が何より好きな女性テレビライター。日々、画面から匂う「なぜだ？」を黙々と考え続けている。
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