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□あの人は今こうしている まつもと泉さん(漫画家) [日刊ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/article/detail/3185355/
あの人は今こうしている まつもと泉さん(漫画家)
2007年06月03日10時00分
「週刊少年ジャンプ」といえば、ひと頃は“読んでいない男の子はいない”というほどバカ売れしていた。その「ジャンプ」が売れまくっていた昭和59年、「きまぐれオレンジ★ロード」というラブコメ漫画の連載がスタートした。テレビアニメ化もされたこの作品を描いたまつもと泉さん、最近、新作を発表していない。今どうしているのか。
まつもとさんに会ったのは、小田急線生田駅から車で5分のマンション。
「やっと体調が良くなり、社会復帰して漫画に取り組める状態になりました。去年あたりから、この仕事場に毎日のように、お昼頃に出てきて仕事をしています」
体調ウンヌン、というのは8年前に突然体調を崩し、ずっと闘病生活を送っていたことを指す。
「そもそも徹夜しただけで熱を出したりして、体は弱かったんです。それが8年前、急に頭部から首筋にかけてじんましんが出て、徐々に頭痛、首や肩、背中、腰の凝り、倦怠(けんたい)感、視力障害……といろんな症状がドーッとやってきた。それで皮膚科や内科に行ったんですけど、原因はちっともわからない。全国のありとあらゆる科の病院を転々とするうち、不眠や処方された薬のせいもあり、精神的にもおかしくなっていっちゃって。ついには病院へ通う気力もないほどのうつ状態になり、6年前から約3年、引きこもっていたんです」
3年前、姉が脳脊髄(せきずい)液減少症についての新聞記事を見せてくれたのがきっかけで脳神経外科の専門医にかかり、ようやく病名がハッキリした。
「脊髄から髄液が漏れて、いろんな不定愁訴を起こしていたのです。4歳のとき、大きな交通事故に遭ったのが遠因で、ハードな生活によるストレスや疲れのせいで傷口が一気に開いたんじゃないか、ということでした。自分の血で傷口をふさぐブラッドパッチという治療を2度受けただけで、だいぶ良くなり、今は薬もほとんど飲んでいません」
復帰第1作は、この間の闘病記を「楽しく読める漫画」に描き下ろし、三五館から出版の予定だ。
さて、まつもとさんは高校卒業後、富山県から上京。グラフィックデザインの専門学校に通いながら漫画を出版社に持ち込み、昭和59年から「週刊少年ジャンプ」で「きまぐれオレンジ★ロード」を連載開始し、単行本全18巻は約2000万部と大ヒット、テレビアニメ化や映画化もされた。
「ヨーロッパなど海外でも出版されていて、“続きを描いて”と今も電子メールが届いたりします。うれしいですよね。印税にも助けられた? そうですね、体を壊して使い切っちゃいましたけど、ハハハ。病気になる前は、私は車が好きなので、1000万円以上するポルシェ928とかNSXとか、いろんなスポーツカーを乗り回してました」
62年、お見合いで4歳下の故郷・富山の女性と結婚。町田市内のマンションに2人暮らし。
2月にテレビアニメのDVD―BOX「きまぐれオレンジ★ロード THE SERIES」(東宝)が発売された。
【2007年5月31日掲載】