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2007年12月28日 [金]
目撃者の話を基にしたヤマピカリャーのイラスト 【西表島=竹富】西表石垣国立公園に指定され、亜熱帯の自然林が広がる竹富町西表島で、ヒョウのような生物が目撃された。ことし9月、研究のため同島に滞在していた大学教授が海辺で目撃したほか、4年ほど前には地元住民も遭遇。西表島には国の天然記念物のイリオモテヤマネコが生息することで知られているが、目撃者らは「ヤマネコよりずっと大きく、まったく別の生き物。伝説の『ヤマピカリャー』だ」と話している。
ヤマピカリャーとは、西表島の方言で「山の中で目の光るもの」の意味で、生息が言い伝えられている未確認動物。住民はヤマネコとは区別しており、体長は約80センチから120センチほどで、茶色っぽく、ヒョウのような斑紋があるとされる。尾が地面に付くほど垂れ下がっているのが特徴。
住民らによると、ヤマピカリャーに山で遭遇するなどした人は西表島西部を中心に計47人。食料が不足がちだった終戦直後はヤマピカリャーを捕獲して食べた人もいたという。
ことし9月14日午後6時すぎ、魚類の研究のため西表島に滞在していた島根大学の秋吉英雄教授がヒョウのような生物を目撃した。秋吉教授によると、崎山半島の海辺に座っていたところ、風上からゆっくり近づいて来て2・5メートルほど目の前に来た時に同教授に気付いて走り去ったという。
秋吉教授は「最初はイノシシが歩いて来たと思ったが、目の前に来てヒョウのような生き物と目が合った。『襲われる』と思って怖かった」と振り返る。「ヤマネコよりずっと大きく、しっぽが長くて斑紋もあった。台湾などで生息するヒョウの一種、ウンピョウと特徴が似ている」と説明した。
西表島船浮の漁業、島袋正一さん(56)は4年ほど前、山の中でヤマピカリャーに遭遇したという。「イノシシのわなを仕掛けに浜から約100メートルほど歩いた所で、突然岩の上からジャンプしてきた。大きさはヤマネコの倍ぐらいだが、3メートルぐらいジャンプするなど、とても身軽だった」と興奮気味に話した。
西表島で野生生物の調査や保護活動を行う環境省西表野生生物保護センターは「伝説的な話として把握しているが、これまでヤマピカリャーの存在は確認していない」としている。
(松堂秀樹)
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