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外来植物はびこる小笠原 化学物質放出し固有種を駆逐【中日新聞】
2007年7月14日 14時06分
小笠原諸島の父島にはびこる外来植物は、化学物質を放出して周囲の植物の生育を抑えるアレロパシー(他感作用)という働きが、他の植物に比べ特に強いことが農業環境技術研究所(茨城県つくば市)などの調査で分かった。
全国各地の河川などで問題になっているミズヒマワリやボタンウキクサなど、特定外来生物に指定された植物もこの作用が強い傾向が判明しており、駆除対策に難題を突き付けられた形だ。
父島の外来種はマメ科のギンネムとトウダイグサ科のアカギ。同諸島は固有の植物が多い貴重な自然生態系だが、外来種による固有種の絶滅も懸念されている。
同研究所の藤井義晴上席研究員(化学生態学)は「アレロパシーの強さが外来種が固有種を駆逐している大きな原因だ」と指摘。「この働きが強いと病気にもなりにくく、駆除には除草剤を使うしかないかもしれない」と話している。
アレロパシーは植物が持つ“武器”で、周りにある他種の植物の生育抑制だけでなく、微生物や昆虫、動物を寄せつけない効果もあるとされる。
同研究所は、同諸島に生えているほぼすべての植物を網羅する約50種を父島で採集し、葉からアレロパシーのもとになる化学物質を抽出。寒天の上に置いたレタスの種から出る根の伸びをどれだけ抑えるかを見る方法でその強さを調べた。
寒天だけの際を阻害率ゼロとすると、ギンネムの阻害率は92%、アカギは同84%と強力。阻害物質はギンネムがアミノ酸の一種のミモシン、アカギは酒石酸だった。
同研究所が同じ方法で本土の外来種を調べた結果では、ミズヒマワリの86%が最高だった。
【アレロパシー】ある種の植物が化学物質を放出して、他の植物の成長などに影響を与える作用で、1930年代に欧州の研究で提唱された。葉などから揮発性の化学物質を出すものや、落ち葉や根から放出する場合もある。異なった植物を一緒に植えると成長がよくなる共栄作用もあるが、ほとんどは阻害作用。昆虫や微生物に対する作用もあるため、除草や防虫に役立てる研究も進んでいる。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007071490140425.html
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